チーム森田の“天気で斬る!”

森田正光はじめ人気お天気キャスターによるチームブログ。

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河津です。

けさは九州から奄美地方に梅雨前線による活発な雨雲がかかって大雨になった所がありました。
鹿児島県の口之島(十島村)では午前8時までの3時間に約160ミリの大雨が解析され、
「50年に一度の記録的な大雨」になっていると情報が発表されました。

昼前には雨雲は東の海上に抜けていきましたが、大雨により地盤は緩んでいるため、
土砂災害に警戒が必要です。

「50年に一度」の大雨が毎年降っているとの指摘がありますが、
この50年に一度の値は「日本全国を5km四方に区切った領域ごとに算出」していて、
その領域ごとに発表されますから、1年に1〜2回、どこかの領域で発表されるのは十分に考えられることです。

ただ、今回発表された口之島では、今月15日にも猛烈な雨が降り、
50年に一度の記録的な大雨になっていると情報が出されています。
50年に一度の大雨が、1年どころかひと月に二度も起こってしまっています。
こんなことは考えられるのでしょうか?


そもそも、「50年に一度」とはどういうものなのか確認すると、
「平成3年以降の観測データを用いて、50年に一回程度の頻度で発生すると推定される
降水量及び土壌雨量指数の値」を求めたものです。
(過去50年の間に実際に観測された値の最大値というわけではない)

あくまで過去のデータから推定した値であり確率的なものなので、
1年に二度起こることもあれば、100年に一度も起こらないことも考えられます。
単純に、50年に一度の大雨が1年間に起こる確率を2%とすると、
1年間に二度起こる確率は2%×2%で0.04%になります。
サイコロを投げて6が5回続けて出る確率は約0.08%、6回は約0.013%であることを考えると、
イメージしやすいのではないでしょうか。

また、50年に一度の値は約20年分(平成3年以降)の観測データでしか算出していないため、
おのずと推定に限界が生じます(基準値は毎年更新されていくようです)。
例えるならば、マラソンのゴールタイムを、はじめ10キロのタイムで推定するようなものだそうです。

さらに、50年に一度の値は、「48時間降水量」、「3時間降水量」、「土壌雨量指数」という3つの基準があり、
そのどれかが基準に達した時に、記録的な大雨となっていると発表がされます。
従って、同地点で複数回50年に一度の記録が出た場合でも、各々基準は異なっている可能性もあります。

以上のことから、50年に一度の大雨はひとつの例えのようなものであり、
気象条件によっては同じ場所でも続けて起こる可能性も十分あると考えられるでしょう。
あすから7月、まだ梅雨は続きますので、引き続き大雨や土砂災害にはくれぐれもご注意ください。


参考文献:統計から見た気象の世界




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そもそも有史以来2000年とすれば、実観測の年数が少なすぎて、「50年に一度」に有意な意味があるかどうか。
地球史(地質学)ではなんと百万年が単位とか?
難しいですね。

2015/6/30(火) 午後 8:57 [ 松寅 ] 返信する

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要するに推定の限界を超えた気象災害あった時に備えた
予防線的な表現ですよね。 削除

2015/7/1(水) 午前 2:16 [ dora ] 返信する

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