チーム森田の“天気で斬る!”

森田正光はじめ人気お天気キャスターによるチームブログ。

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<ビッグベン 写真提供:多胡安那さん>

河津です。
私事ですが、先日「サピエンス全史」という本を読みました。
イスラエルの歴史学者が著した世界的ベストセラー本で、日本でもビジネス書大賞2017の大賞に選ばれています。

内容をごく簡単に言えば、我々の祖先、ホモ・サピエンスがいかにして現代文明を築いてきたのかが書かれていますが、その中で気象予報士としてことさら目を引いた部分もあり、大変興味深い一冊でした。

例えば、産業革命により人々の仕事が農業から工業に移り変わる際、重視される概念が季節や暦から、統一された正確な時刻に変わっていったという話が印象的です。

たいていの社会では、時間を正確に計測することができなかったし、時間の計測にそれほど関心もなかった。時計も時間表もなく、太陽の動きと植物の生長サイクルにのみ従って、世の中は回っていた。

これが、多人数で多くの物を生産するようになる産業革命後は以下のようになります。

産業革命によって、時間表と生産ラインは、人間のほぼあらゆる活動の定型になった。工場で人々の行動に時間枠が課せられると、厳密な時間表はほどなく学校でも採用され、次いで病院や官庁、食料品店でも導入された。(中略)工場の勤務が夕方五時に終わるのであれば、近隣の酒場は五時二分には店を開いておいたほうがいいからだ。

そして時間表の普及を後押ししたのが蒸気機関を利用した鉄道です。時間通りに鉄道を運営するために、イギリス政府は国内の時間表をグリニッジ天文台の時刻に準ずることにします。これがきっかけとなり、やがて世界中の時間表が合わせられることになります。

気象においても、各国が連携をとり世界中で同時間に観測を行うことで精密な予測が可能になります。私たちの生活に密着して結びついている時間は、以上のようにして普及していったのです。

さらには、この「時間」を広く報せるためにラジオの冒頭で流されていたビッグベン(イギリスの国会議事堂の大時鐘)の鐘の音色をドイツの物理学者が研究し、ロンドンの天候を突き止めたというエピソードも書かれています。時間と天気の関係はこんなところにもあったのかと目を丸くしました。

天気予報というとついつい未来のことを考えてしまいがちですが、たまには過去に振り返ってみると意外な発見があるかもしれません。グリニッジ天文台の時計が世界中の時刻の基準となり社会が発展していったように、過去の天気データの蓄積が天気予報と私たちの生活という未来を作ります。

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こんにちは。

その社会状況により物差しが変わったと言うことですかね。
これから先も、物差しが変わることは大ですよね。

2018/9/11(火) 午後 3:41 [ seylook ] 返信する

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時間に拘束されるようになったのは人類の歴史からみると
ここ最近ってことなのですね〜。面白い!!

2018/9/12(水) 午前 9:37 mama*de*Elys 返信する

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