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1979年公開のSFホラー「エイリアン」のプリクエル(前日譚)を描いた作品で、シリーズ通算5作目。
シリーズ最新作「エイリアン:コヴェナント」の復習のために再鑑賞。
ホラー・スプラッタージャンルが鬼門の自分にとっては、その存在は知っていても鑑賞にまでは至らなかった本シリーズであるが、本作のソフトリリースに合わせて1作目から4作目までを一気見した記憶が蘇る。
その流れで本作を鑑賞した当時の自分のレビューを読み返してみると、思っていた以上に酷評していて少々苦笑い(笑)
そもそも自分はエポックメイキング的な1作目やジェームズ・キャメロン節全開の2作目より、デヴィッド・フィンチャー唯一の汚点とも言われる3作目やフランスの鬼才ジャン=ピエール・ジュネの4作目の方が好きと言う変わり者である(笑)
しかしそれもあくまで2013年当時の印象でしかなく、今鑑賞すれば評価もまた変わるかもしれない。
と言うより、1作目と2作目は普通に面白くて、3作目と4作目は個人的には好きと言うフワッとした印象ばかりが思い出され、肝心の内容についてはほんとんど忘れている始末である…。
そんなわけで、本作はもちろん、最新作である「エイリアン:コヴェナント」を鑑賞する下地が全く出来てないのだが、今から1作目から4作目を復習するのは時間的に難しいため、今回は仕方なく復習なしでの鑑賞となった。
オープニング、太古の地球を映した圧巻の映像に目を奪われる。
1作目以来実に33年ぶりにシリーズ復帰を果たしたリドリー・スコットは、本作でも相も変わらず画作りに並々ならぬ執念を燃やしている。
もっとも、「メッセージ」的デザインの宇宙船と創造主であるエンジニアを切り取ったこのオープニングの唐突な展開と説明不足感はその後に続く物語の不明瞭さを端的に表しているのだが(笑)
全編に渡って明らかな説明不足感と「エイリアン」のプリクエル(実はプリクエルではないのでは?と言う考察もあるようだが)と言う設定が足枷となり、シリーズとしての齟齬が表面化してしまっているのだが、有機的な謎の生命体と無機的な宇宙船のデザインで構成された映像は実に素晴らしく、リドリー・スコットが稀代の映像作家であることを証明している。
その一方で、不妊症のヒロインに対して、あろうことかエイリアンを孕ませ、疑似出産させるシーンの悪趣味っぷりも実にリドリーらしいと言える。
この出産のシークエンスは完全にディテールを欠いており、まさにライブ感だけで成立させたシーンである(笑)
自分としては本作、「悪の法則」、「エクソダス:神と王」と胸糞映画を3本連続で撮っていたリドリーが、「オデッセイ」のような超ポジティブ映画を撮れたことが未だに信じられない(笑)
ちなみに、今年80歳を迎えるリドリーであるが、今年になってすでに2本の監督、5本の製作、1本の製作総指揮を担当していると言う多忙っぷりである。
クリント・イーストウッドと言い、リドリーと言い、ハリウッドのおじいちゃんは実に元気である。
やはり「エイリアン」シリーズ最大の魅力と言えば、人類とエイリアンによる死闘であるのだが、本作においてはその描写が圧倒的に物足りない。
そもそも「エイリアン」として一般的に知られているデザインの生命体は本作では基本的には登場せず、それを模した生命体、エンジニア、感染によって凶暴になった人間が敵として描かれていて、果たして本作を「エイリアン」シリーズと位置付けして良いものなのかどうか疑わしい。
個人的にはプリクエルと言うよりは、「エイリアン」シリーズのスピンオフのような存在として捉えた方が良いのではないかと思う。
本作で最も印象に残るのは、アンドロイドのデヴィッドを演じたマイケル・ファスベンダーの演技である。
まさに無機的に構築されたその演技は観客に対して強烈なインパクトを残す。
デヴィッドに始まり、デヴィッドで終わる作品であり、ある意味で主人公とも言える。
先に述べた出産シーンでのぶっ飛びっぷりが印象的なノオミ・ラパスも好演しているが、全く存在意義が分からず倒壊してくる宇宙船と平行に走ってしまうと言うポンコツっぷりを見せたシャーリーズ・セロンの存在もまた乙である(笑)
まさかの無茶ぶりにもきちんと応えてくれたイドリス・エルバの男気っぷりも気持ちが良い。
あまりに説明不足な物語とエイリアンが登場しないと言う展開に肩透かしを食らってしまうが、こと映像と役者の演技に関しては十分に楽しめる作品へと仕上がっている。
三度「エイリアン」の世界に挑んだリドリー・スコットが、最新作でどんな作品を作り上げたのか大いに期待したい。
評価 80点
2017年9月24日 DVD鑑賞
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エイリアンの前日譚とは知らずに観に行ったもので、途中でずっこけました(汗)。なんだ、こりゃ?
で、「コヴェナント」も観てきてしまいました(苦笑)。
TBさせてください。
[ あきりん ]
2017/9/24(日) 午後 6:18
ホラー・スプラッタージャンルが鬼門>
私も同じです。高いお金を払って、劇場で観たいとは思わない。
2017/9/24(日) 午後 9:34
私もエイリアンの序章とは知らず鑑賞したくちです。
私もこのシリーズは少し苦手で敬遠してましたが、これはこれでよかった。
2017/9/25(月) 午前 6:18
崇高な世界観のリドリー新SF!かと思ったら、ほぼ「エイリアン」かい!
「人類はどこから来たのか」の謎が、まさか冒頭5分で済んでしまうとか。(笑)
人の宇宙船内でエンジニアと巨大フェイス・ハガーの戦いには「怪獣映画か」とツッコんでしまいました。
「エイリアン:コヴェナント」が今作のガッツリ続編で、それにもちょっとビックリ。
2017/9/27(水) 午後 1:24
あきりんさん♪
その状態で鑑賞に臨んだのならそれはズッコケますよね(笑)
最新作も近いうちに鑑賞したいんですが、今週でレイトショーが終わってしまうので最悪レンタル待ちですかね…。
TBありがとうございます!!
2017/9/27(水) 午後 9:01
猫さん♪
まぁこれは悪霊だの悪魔だのが出て来る純ホラーではないので、個人的には一応観れる範囲ではあります。
怖そうなシーンは目を覆ってみてますけど(笑)
2017/9/27(水) 午後 9:07
こころパパさん♪
意外と前日譚とは知らずに鑑賞された方が多いんですね。
公開当時ってそう言う情報伏せて公開されていたのでしょうか…。
仰るようにこれはこれでと言う見方にすれば全然アリな作品だと思います。
TBありがとうございます!!
2017/9/27(水) 午後 9:09
どらごんづさん♪
リドリー・スコットが1作目以降シリーズから離脱していた理由は知りませんが、やっぱりエイリアンに対して愛着あったんでしょうかね(笑)
仰るようにキャッチコピーになっている謎が一瞬で解決してしまう展開には唖然です(笑)
あのシーンは人類蚊帳の外って感じですね^^;
最新作の鑑賞も楽しみです♪
2017/9/27(水) 午後 9:16