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週刊少年ジャンプで連載中の同名漫画を実写化したギャグ映画。

ジャンプで5年以上連載が続いた作品は過去に40作品しかなく、連載の長期化が進んだ90年代以降で絞っても僅か24作品しかないが、本作はその内の1作である。

アニメ化もされているとは言え、恐らくジャンプ読者でもない限りその存在を知っている者はほとんどいないだろうが、ストーリー漫画以上に連載を続けるのが難しいと言われるギャグ漫画において、5年以上連載している本作は読者から一定の評価を得ている。

そんな本作であるが、実は実写化の発表自体は約2年半前にされており、昨年の夏にキャストとスタッフが発表されるまで1年半ほどの沈黙があったため、ファンだけでなく原作者の麻生周一でさえ実写化は没になったのではないかと疑ったほどである(笑)

監督の福田雄一はシュールな世界観で構築される作品に定評があり、超能力×シュール日常コメディと言うジャンルの原作にはピッタリの人材で、主演の山崎賢人も意外に主人公斉木楠雄にフィットしており、紆余曲折あったと思われる制作であるが、結果的に原作の雰囲気に合ったキャストとスタッフに恵まれたようだ。

個人的には連載中の作品が実写化されることには不満はあるのだが、本作はストーリー漫画ではなくギャグ漫画のため、連載中とは言えそれほど目くじらを立てる必要もない。

さて、本作の概要はと言うと、生まれつき超能力を持っている主人公斉木楠雄が、周囲から目立たないようにひっそりと学園生活を送りたいと望むのだが、その望みとは裏腹に次から次へとアクシデントが起きてしまうと言うものである。

斉木楠雄のアンニュイながらもなんだかんだでクラスメートを放っておけない性格や彼の周りに集まる個性的なクラスメートのドタバタ劇が本作の魅力と言える。

実写化にあたって、最も残念な設定変更は斉木楠雄が普通に喋ってしまっている点である。

原作では彼は一切喋らず、モノローグによって物語が進行していくのだが、映画ではあっさりと喋っており、斉木楠雄のアイデンティティが崩壊してしまっている。

どうやら作者曰く原作でもコマ外では喋っている設定のようで、福田監督はその設定を取り入れたのかもしれないが、原作の読者としては残念な演出に感じてしまった。

もっとも、斉木楠雄役の山崎賢人にモノローグ以外の一切の台詞を喋らせないと言うのもそれはそれで無茶な要求ではあるのだが(笑)

そして、もう一つ残念な点は、ヒロインである照橋心美のキャラ造形である。

原作では超絶美少女設定で、性格も文句なし(と言うのを自覚して演じているため実は腹黒キャラと言う設定だが)でまさに理想的なヒロインなのだが、映画では変顔でツッコミまくるギャグ担当になってしまっている。

実は福田監督は、本作の制作と同時期に、同じく週刊少年ジャンプで連載中の「銀魂」の実写化映画の制作もしており、映画の照橋心美は「銀魂」のヒロインである神楽のキャラにかなり影響を受けていると思われる。

それは何故かと言えば、照橋心美も神楽も演じているのは、千年に一人の逸材こと橋本環奈であり、照橋心美のキャラ改変は福田監督の遊び心と言える。

しかしながら、橋本環奈のファンや原作を知らない者からすればそれは特に違和感のない設定であろうが、原作を知っている者からすれば、照橋心美と言うキャラクターは原作の大きな魅力であり、そこを変更してしまったのは残念で仕方がない。

もっとも、原作を読んでいるうえで本作を観た場合の違和感は上記の二点程度であり、世界観や他のキャラクターデザインに関してはなかなかの再現度であった。

特に原作ではクラス一の馬鹿であり変わり者である燃堂力を演じた新井浩文は、原作と比較しても全く遜色なく、見事な再現度だった(笑)

ただし原作と比較しても遜色ないと言うのは大いに結構なのだが、本作の場合原作云々に関係なく、実は物語そのものがあまり面白くないのである(笑)

原作のエピソードをいくつかミックスして脚本を作ったと思われるが、序盤はそれなりに楽しく観ていられるのだが、後半になってくるとやはり飽きてくる。

きちんとしたストーリー漫画ではないが、それでも丁寧に話を作ってある作品とは言え、やはり根本はギャグ漫画であり、またアニメも1話5分程度で制作されており、そもそものコンテンツとして長時間の内容に耐えうる設計にはなっていないのである。

映画としては97分と言う上映時間はかなり短いが、体感としてはかなり長く感じてしまった。

福田監督の脚本や演出が完璧だったとは言えないかもしれないが、これは監督の力量不足と言うよりはやはりコンテンツとしての限界と考えるのが自然であろう。

それでもゆるーい気分で鑑賞出来ると言う意味では原作と共通しており、良くも悪くも肩の力を抜いて気楽に観れる作品である。


評価 65点

2017年10月30日 劇場鑑賞

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