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デイヴ・エガーズによる同名小説を実写化したサスペンススリラー。

「ハリー・ポッター」シリーズで世界的知名度を得て、ソフィア・コッポラの「ブリングリング」で一女優としての道を歩み始め、「美女と野獣」で女優としての地位を高めたエマ・ワトソンであるが、残念ながら本作で大きく寄り道をしてしまったと言わざるを得ない。

監督のジェームズ・ポンソルトは今年9月に開催されたエミー賞(テレビ界のアカデミー賞と言われる)でも話題になった「マスター・オブ・ゼロ」において2つのエピソードを担当するなどドラマ界ではそれなりの実績を残しているが、映画の世界ではほぼ無名の存在で、現時点でエマ・ワトソンがポンソルトの作品に出演したことによって大きなアドバンテージが得られる様子はない。

また作品そのものもテーマが非常に不鮮明で、制作側の意図がよく伝わって来ない。

SNS又はそれに準ずるツールの可能性と危険性を表裏一体として描いた作品だが、本作で描かれているようなことはSNSを日常的に使用しているユーザーにとってみればごく常識的な範囲の描写でしかない。

本作で描写された程度のSNSの危険性を認識出来ていないのは、例えば本作を観ながら上映中にスマホを何度もいじってしまうような愚か者だけである(実際に自分の回にいたのだが…笑)

SNSは街の風景とよく似ている。

普通に表通りを歩いていれば危険な目に遭うことはまずないだろうが、一歩裏に入ればそこには全く別の世界が広がっている。

SNSもそれと同じで、ごく普通に使っていれば非常に有意義で有効的なツールなのだが、入り口を間違えれば途端に危険な世界へと引きずり込まれてしまう。

SNSの話に限ったことではないが、ツールを使用する際はそれの利便性と危険性をユーザーがよく知っておくことが大切である。

さて、エマ・ワトソン演じる主人公メイは、そんなSNSの可能性と危険性を示すアイコンとして描かれている。

それはつまり、物語に都合が良いようにだけ動くキャラクターと言う意味であり、人物としての魅力には明らかに欠ける。

SNSってなんて素晴らしいの!、SNSってなんて危険なの!と言った非常に分かりやすいキャラクター設定がされており、これが物語の安っぽさに繋がっている。

一貫した行動理念がないため、感情移入が出来ず、メイ・ホランドと言う人物の一挙手一投足に大して興味が持てない。

ただし、それさえもある程度補ってしまえているあたりにエマ・ワトソンの女優力あるいはスター性が垣間見えるのだが、前述のように本作がエマにとって女優としてのステップアップに繋がったとは到底思えない。

さらに不可思議なことに、本作には名優トム・ハンクスまで出演しているのだ。

説明不要の超大物だが、数年後の本作の立ち位置、自身の役柄を考えた時に、何故トムが本作のオファーを許諾したのか全く見当もつかない。

最初はきちんとトム・ハンクスだと認識していたのだが、徐々になくなっていくあまりのオーラの無さに、終いには「あれ、本当にトム・ハンクスだったよね?」とエンドクレジットで再度確認してしまったほどである(笑)

エマ・ワトソンとトム・ハンクスの貴重な共演は、ケミストリーを高め合うどころか互いの持ち味さえ発揮出来ず、何とも消化不良のまま終わってしまった。

すでに触れたとおり、SNSって凄いよね、けど怖いよねと言うごく平凡な切り口の物語には何の魅力も感じ取れず、演出としても際立ったものはなかった。

一点、面白いと思ったのは、SNSによって会社を完全に管理すると、何故週末出勤しなかったの?、何故会社のイベントに参加しなかったの?と言った、まさに日本の社畜社会を彷彿とさせる現象が起きていたことである(笑)

良くも悪くも他人に不干渉な現状が、SNSで管理することによって社畜社会へと変化すると言うのはなかなか興味深い現象であった。

最後に、本作の全米公開時点で、主人公メイの父親を演じたビル・パクストンが亡くなっており、エンドクレジットで追悼の意が示されているが、公開後には母親を演じたグレン・ヘドリーまで亡くなっており、作品内で夫婦役を演じた役者が同年に2人とも亡くなるという何とも珍しい出来事があったことを記しておく。


評価 60点

2017年11月16日 劇場鑑賞

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