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DCコミックに登場するスーパーヒーローが一堂に集う記念的作品で、DCフィルムズ・ユニバース(以下DCFU)通算5作目の作品。

5作目にもなって何を今さらと言いたいのだが、実はこれまで公式名称だと思われていたDCエクステンデッド・ユニバース、いわゆるDCEUは公式では認めていない名称だと言うのが最近明らかになった。

本作のパンフレットにはDCフィルムズ・ユニバースとの名称が使われており、今後はこちらが正式な名称になるが、すでにDCEUと言う単語が幅広く認知されてしまっている状況で、果たしてDCFUが浸透していくかは疑問ではある。

ユニバースの名称なんてどうでもいいだろ、そう思う者も多いかもしれないが、実はこれは配給のワーナー・ブラザースあるいは制作のDCエンターテインメントのマネージメントの甘さを如実に表している象徴的な出来事なのだ。

昨日、2019年公開の「アベンジャーズ4」(仮題)でマーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)に一区切りが付くことを発表したマーベル・スタジオだが、興行的、また評価的にも文句の付けようがない成績を残しているマーベル・スタジオであれば、何年も経ってから実はユニバースの名称が違ってましたなどと言うはずがない。

今回の名称に関する出来事は作品そのものの評価には直接は関係していないが、本作に辿り着くまでの紆余曲折や今後のユニバースの不透明性などを見れば分かるように、製作側の意見の不一致や統制のなさが改めて顕在したと言えるのではないだろうか。

DCFUのゴタゴタっぷりは本作でも影響を与えていて、例えばこれまでDCFUの中心人物であり本作の監督でもあったザック・スナイダーがポストプロダクションの途中で降板と言う事態を引き起こしている。

降板の理由は愛娘の自殺による精神的なダメージとされていて、これに関しては家族と過ごす時間を優先したザックを尊重すべきであるが、問題はザック降板後の制作側の対応である。

ザックの後任として選ばれたのは、ライバルユニバースのMCUで多くの作品に携わり、「アベンジャーズ」、「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」の監督を務めたジョス・ウェドンだった。

監督を引き継いだウェドンは脚本に修正を加え、さらに全体の15〜20%ほどの再撮影を行ったと言われており、全体に占める撮影の割合が多くないため監督としてはザックがクレジット表記されているが、実際に作品を観てみるとザック特有の作風がかなり薄れていることが分かる。

これに関しては当初円満降板と言われていたザック自身が、ポストプロダクションまで制作していた、いわゆるザック版の公開を求める署名運動に参加していることから考えても、制作側とザックの間に表には出ていないトラブルがあったと推測出来る。

ただし、そもそもザック版などはないとする情報も出回っており、それが事実であれば、ザック版を公開するには作品を新しく作り直す必要があり、そうなればあまりに非現実的な話ではある。

ユニバースの名称問題、ザック・スナイダー降板に関連する一連のトラブル等、相変わらずDCFUはネガティブな出来事ばかりが話題になっている。

とは言え、ザックが手掛けた「マン・オブ・スティール」、「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」(以下BvS)のような重々しく神々しい物語を期待したファンには不評ではあるが、本作はこれまでDCFUに付き纏っていた重すぎるであるとか、暗すぎると言ったネガティブな要素を一掃し、快活なエンターテインメントへと生まれ変わっている。

それがつまり、ファンがザック版の公開を求める署名運動を起こしている理由であり、一方でこれまでDCFUにいまいちのめり込めていなかった映画ファンを引っ張り込めた要因でもあるのだ。

実際のところ、よほどの熱狂的なザックファンでもない限り、本作に対して物足りないと言った感想はあっても、つまらないなどと吐き捨てるような感想は出ないのではないだろうか。

それだけエンターテインメントとして完成されているし、多くのDCFUファンを魅了する作品に仕上がっているはずだ。

しかしながら、DCFU初のスーパーヒーロー大集合作品にもかかわらず、ユニバース最短の120分と言う上映時間の長さには物足りなさを感じざるを得ず、それ故に今回初出のキャラクター背景をダイジェスト的に片付けてしまったのは非常に残念である。

今回初登場のアクアマン、フラッシュ、サイボーグはキャラがよく立っており、存在感ではスーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンと言った強烈な個性を持つメンバーにも決して負けていない。

あれだけ簡易的な描写でさえキャラがしっかりと立っている新キャラであるため、もっと時間をかけて丁寧に背景を描けばより物語に深みが生まれたのではないだろうか。

およそ8割はザック・スナイダーの撮影とは言え、それを最終的に編集したのはジョス・ウェドンであるため、作品の多くから伝わってくるのはザック節ではなくジョス・ウェドン節である。

例えば中盤のマザーボックスを巡るヒーロー同士のやり取りは「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」を彷彿とさせるし、終盤のアクションなどは「アベンジャーズ」におけるNY決戦をモチーフにしているのは間違いない。

さらに過去作品では真面目一色だった既出キャラクターたちがユーモアを交えて会話をするシーンが非常に増えており、これも恐らくジョス・ウェドンによる演出だろう。

つまり良くも悪くもMCUナイズされており、これが理由で新規のファンを掴みやすくもしており、旧来のファンの怒りを買ってもいるのだ。

決してザック作品の脚本が特別優れていたことなど過去にそう多くあったわけではないが、ザックの場合はそれを補うような重厚感のある映像が用意されていた。

それが今回は非常に軽さを感じる映像に変化しており、それ故に元々それほど工夫を凝らしてあるとは思えない脚本がより陳腐な脚本に感じてしまった。

今回の件を受けてファンの間では失って初めて分かるザックのありがたみなどと言われているが、BvSの時は逆に監督を交代しろと散々言われていたわけで、仮にザック版が運良く公開されたとして果たして高評価に繋がるのかは甚だ疑問ではある。

ザックは映画製作の場にはすでに復帰しているが、DCFUには(監督としては)復帰しておらず、今後二者がどういった関係性を築いていくかは不透明だ。

ファンが使っている超濃厚なとんこつラーメンを頼んだのにあっさりした塩ラーメンが出てきたと言った表現だが、これは要するに決して不味いものが出てきたわけじゃなく、予想していたより遥かに薄味のものが出てきたと言う意味で、必ずしもネガティブに捉えるべきではない。

スーパーヒーローが集合と言う側面において、間違いなく過去最強でなければならないヴィランは明らかに力不足であるし、本作最大のカタルシスになると思われていたスーパーマン復活も随分とあっさりとした描写に止まっている。

初出のキャラクターは個性的ではあるが、背景の無さゆえ重みを感じないし、既存キャラクターはキャラ改変されているなど、非常に多くの不満点はあるが、スピーディーな展開で軽快に進んでいく物語は観ていてとても楽しく、これぞ本来のアメコミ映画とも言える作品になっている。

ザック・スナイダー作品に対してよほどの拘りでもない限り、間違いなく楽しめる傑作である。


評価 85点

2017年11月27日 劇場鑑賞

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