みぽりんのブログ

原発の恐ろしい事実を多くの人に知ってもらって、未来を変えられれば・・・

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海外の論文が示す津波の前の放射能放出
-福島第一原発1号機-
 
東電や保安院はこの事実を無視している。なぜなら、もしこの事実を認めれば、現在進めているストレステストによって原発の運転再開を図るという路線が、もろくも崩れる。地震による配管の破損という深刻な結果を示しているから。
 
1.モニタリング・ポストが示す津波がくる前の放射能放出
 
 5月19日付ブルームバーグ記事は次のように伝えている。
3月11日午後3時29分に1号機から約1.5キロ離れたモニタリング・ポストで高いレベルの放射線量を知らせる警報が鳴った。大津波が福島第一原発を襲ったのはその数分後で、原子炉の非常用冷却設備を動かすための電源が失われた。東電原子力設備管理部の小林照明課長は19日、ブルームバーグ・ニュースの取材に対し、『モニタリング・ポストが正常に作動していたかどうか、まだ調査している。津波が来る前に放射性物質が出ていた可能性も否定できない』と認めた」。
 
 この情報は、東電が5月16日に公表した運転日誌類の16頁目にある「1号機 当直員引継日誌」に書かれている。その元になったホワイトボード写真は19頁目にあり、次のようにモニタリング・ポストMP3で高高警報が発生したと書かれている。
 
(引継日誌)15:29/15:36 MP−3 HiHi警報発生/クリア(MP−7リセット不可)
 
http://blog-imgs-46.fc2.com/j/p/n/jpnx01/mp3_.jpgこの頃、14:40に地上10mで風速1.9m/sの南東の風が吹いていた(左図)。この状態がしばらく続いたとすると、15:29にMP3がキャッチした放射能は1号機を15:16頃に出たことになる。
 津波がきたのは15:30過ぎとされているので、津波がくる前に放射能が原発から出たことになる。その原発とは諸般の事情から1号機だと考えられるのである。 
 しかしその放射能は燃料の中にあって、燃料被覆管に包まれ、原子炉圧力容器に包まれ、さらに格納容器で包まれている。それがどうして大量に格納容器の外に出たのだろうか。この問題に行く前に、放射能放出の別の根拠を見ておこう。
 
 
2.海外の論文が示すキセノン133の津波前の放出
 津波がくる前の15:00頃にキセノン133が福島第一原発1号機から放出されたという結が、A.Stohl(ノルウェイ大気研究所(NINU))たちの10月20日発行の論文によって示されている。また、この内容は10月27日付ネイチャー・ニュースで紹介されている。
   「福島第一原発からのキセノン133 とセシウム137 の大気中への放出」
Xenon-133 and caesium-137 releases into the atmosphere from the Fukushima Dai-ichi nuclear power plant

 
Stohl たち論文の要約では、次のように書かれている。
 「最初のキセノン133の大量放出は非常に早い時刻、おそらく地震と緊急停止直後の3月11日6時(UTC:日本時間の15:00)に始まったという強力な証拠がある」。
 また、結論でも次のように述べている。
 
「キセノン133の放出は早い時刻に、大地震によって引き起こされた炉の緊急自動停止の間か直後に起こったという強力な証拠がある。この早期の放出開始は、興味深いものであり、地震の間に原子炉に何らかの構造的損傷が起こったことを示唆しているかも知れない」。
 
この最後の点は、論文の「4.2.1 キセノン-133」において、およそ次のように指摘されている。
 
3月11日の日本時間15:00の放出開始は、地震が起こった時刻と一致しており、炉の緊急停止の結果としての希ガス放出によるものであろう。その希ガス放出はこの頃におそらく地震による構造的損傷によって高められたものだろう。また、緊急炉心冷却系による冷水の注入やそれに伴う燃料被覆管への熱応力がこの放出に寄与しているかも知れない。このようにして、放射能が、1号炉の圧力解放弁(引用者注:ベント弁)が3月12日の9:15(日本時間)に開くより前にすでに放出されていた」。
 
結局、この論文の見方を解釈すれば、津波がくるより前に、地震と炉の緊急冷却によって燃料被覆管の破損が起こり、燃料棒内に蓄積されていた希ガスのキセノン133が外部に放出されたことになる。
 
キセノン133の放出状況の評価は次のグラフ(論文のFig.4)で示されている。最初に立ち上がっている(青色の)グラフが、世界各地のキセノン133測定結果から逆モデリング法(時間を逆に遡る方法)によって算出された(a posteriori)放出量である(左目盛)。
最初に立ち上がっている時刻が3月11日6:00(日本時間の15:00相当)になっている。もう一つの2番目に立ち上がっている(赤色の)グラフは、あらかじめ想定した(a priori)放出量である。最後の結論は最初の想定より放出開始時刻が9時間早まっている。 

 バックに見えている色分けは、放出される高さを示している。一番下が0-50m、真ん中が50-300m、一番上が300-1000m の高さの層を示している。ある時点で放出された放射能のうちどれだけの割合がどの層まで吹き上がったかを右目盛から読みとることができる。
この評価に用いられたキセノン133の測定データは、世界15カ所の814のデータで、そのうち13カ所がCTBT(包括的核実験禁止条約)関係である。日本のCTBT関係は高崎と沖縄にあり、そのうちキセノン133は高崎だけだが、結局データの信頼性の関係でそれは用いられていない。それゆえ、ハワイやストックホルムなど海外のデータだけがこの評価に用いられている。
 
3.放射能放出のルート
 このようにして、最初のモニタリング・ポストMP3は15:00過ぎに放射能が放出された直接の証拠を、第二の論文はキセノン133が最初に15:00に1号機から放出されたという包括的な評価結果を提供している。しかし、東電や保安院はこの事実を無視しているのである。
もしこの事実を認めれば、現在進めているストレステストによって原発の運転再開を図るという路線が、もろくも崩れてしまうからに他ならない。なぜなら、この早期の放出は地震による配管の破損という深刻な結果に導くからである。
http://blog-imgs-46.fc2.com/j/p/n/jpnx01/20111119_2.jpg
3月11日14:46に地震が起きてすぐに、制御棒が挿入されて炉は緊急停止し、同時に右図でタービンに蒸気を送る主蒸気管の隔離弁が閉鎖されて、格納容器は密閉状態になった。
また、仮に炉内から蒸気が格納容器内にでたとしても、サプレッションチェンバー(S/C)内の水で冷やされて蒸気が水になるため、格納容器内の圧力は1気圧に保たれる。
それゆえ、格納容器の隙間から放射能が外部に出ることもない。
結局、大量の放射能キセノン133が外部に出るためには、次の条件が必要となる。


 
 
 
 
 
 
(1)燃料棒が地震等で損傷して、燃料被覆管内に蓄積されていたキセノンが原子炉圧力容器内に出る。
(2)圧力容器から格納容器外にでる何らかのルートが必要になるが、それは格納容器経由ではあり得ない。

(3)それゆえ、圧力容器から格納容器を貫いて外部にでている配管が、格納容器外で破損するようなルートしか考えられない。

そのようなルートとして有力なのが非常用復水器 (IC)系の配管である。
左図で赤い配管(蒸気管)は原子炉圧力容器から出て格納容器を貫き、2つある非常用復水器のタンクに高温の蒸気を運んでいる(2つのタンクは断面図)。
 
 
 
 
蒸気はタンク内の水で冷やされて水になりドレン管を通じて圧力容器内に戻る。
他方、タンク内の水は高温蒸気で温められて水蒸気になり、原子炉建屋外の大気中に放出される。
 18:18に運転員が蒸気管とドレン管の弁を開いてこの非常用復水器系を働かせようとしたところ、建屋外に一瞬水蒸気が出たがすぐに出なくなったという。つまりタンク内の冷却用水は一瞬温められて水蒸気になったが、すぐに炉からの高温蒸気が来なくなったことを意味している。
 ということは、蒸気管がすでに破損していてそこから蒸気が外部に出ていたことになる。もっともその破損は配管の完全破断ではなく、弁を開いた瞬間には蒸気を送ることができる程度の破損(ひび割れ)であったと推測される。その破損した時刻は15:00より前、つまり蒸気管は15:30過ぎの津波が来る前に、地震によって破損したことになる。
このようにして、炉内の放射能混じりの蒸気は「シューシュー音」をたてて漏れ続け、17:50には原子炉建屋の入り口を入った付近でも測定器の針が振り切れるほどに充満したのである。
この点については下記URLにある美浜の会HP掲載の見解を参照されたい。
 
 

「原発・放射能」書庫の記事一覧

閉じる コメント(18)

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なるほど。津波前に放射の漏れを起こしていたとなると、やはり老朽化が進行していたからだったのか?
それにしても政府の対応はこんなに杜撰ばものだったのか。
転載させていただきます。

2011/11/19(土) 午後 10:38 [ waterdrinknoumin ]

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戴きます。ポチ

2011/11/19(土) 午後 11:23 [ 短足おじさん ]

津波以前に膨大な放射能が拡散したことは、五井野博士が「ザ・フナイ」8月号等で指摘してますが、1号機は想定600ガルに対し、実際の揺れは南北方向460ガル、東西方向447ガル、上下方向258ガルだった。にもかかわらず、最初の地震で細管が破断してしまった為によるもの。これがバレると全ての前提を見直さなければ(見直せばなおさら)再稼働など出来ません。だから何が何でも隠そうとしているのが日本の売国奴官僚と原子力ムラでしょう。

2011/11/20(日) 午前 6:16 Bontaka

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その可能性、考え込んでいました。当事者があまりにも資料を出さないので、イロイロ勘繰ることになります。
マスマス出さないでしょうね。

2011/11/20(日) 午前 7:38 [ - ]

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waterdrinknouminさん
地震に非常に弱いのが原発なんですよね。
かといって、今から作り変えることもできない、
どうしようもない放射性物質を吐き出す
建物が残ってしまいました・・。
転載ありがとうございます☆

2011/11/20(日) 午後 4:02 [ みぽりん ]

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短足おじさん
隠蔽はとどまることをしらず、
おもしろいことに、私たちは
海外からの情報で知ることも多いですよね。
いつまでたっても事故収束しないし(でも、収束したかの
ように見せかけ続けていますが)
いつまでひどいことが続くんでしょうねぇ。

2011/11/20(日) 午後 4:06 [ みぽりん ]

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Peterpanさん
情報ださないし、出しても、隙あれば
隠したいみたいですね。
こないだの黒塗りのマニュアルも、
あきれましたし、
黒塗りを取って提出したにもかかわらず、
また、黒塗りにさせてほしいと、
こなだい要望していたのを知ったとき、
さらに呆れ返りました。

2011/11/20(日) 午後 4:09 [ みぽりん ]

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Bontakaさん
>これがバレると全ての前提を見直さなければ(見直せばなおさら)再稼働など出来ません。だから何が何でも隠そうとしているのが日本の売国奴官僚と原子力ムラでしょう。
ほんとうに隠し通せると思っているんでしょうか・・。
詳細な情報、ありがとうございます。

2011/11/20(日) 午後 4:12 [ みぽりん ]

みぽりん様,こんにちは。
いつも情報の掲載ありがとうございます。
事実を知るたびに,胸が痛みます。
どうやったら,原子力村を崩壊させられるのか…。
どうやったら,放射能汚染を少なくできるのか…。
悩ましいところですね。
第一,ドジョー内閣じゃ,救いようがない感じですもん。
かといって,かつての自民じゃ,もとの黙阿弥だし。
黙ったまま,泣き寝入りしたくはないですね。

2011/11/21(月) 午後 5:17 恋夜姫(れんやひめ)

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恋夜様
こんばんは。
福島の人たちを避難もさせないで、
除染する方向で、信じられない事態が
進行中です。
除染しても、まだ大放出中ですからね・・。
>どうやったら,原子力村を崩壊させられるのか…。
原子力ムラに勝てるリーダがでてきてくれないかな。
>どうやったら,放射能汚染を少なくできるのか…。
放射能汚染を少なくする、減らせる、無くせる
技術が出来ることを祈ります。
ドジョウは、もうダメダメですね。

2011/11/21(月) 午後 9:34 [ みぽりん ]

ブログにご訪問ありがとうございます。メッセージありがとうございました。本当に毎日凄まじい情報ばかり、多くの人に少しでもこの真実を知って欲しいですね。また、色々情報を教えてください、参考にしてます。

2011/11/24(木) 午前 10:42 [ みきてぃ ]

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みきてぃさん
こちらこそ、ありがとうございます。
>多くの人に少しでもこの真実を知って欲しいですね
報道に気を付けていてもうっかり
騙されそうになりますが、
多くの人に酷い事実を知ってもらえるよう
頑張っていくしかないですね。
こちらこそ宜しくお願いします。

2011/11/24(木) 午後 0:11 [ みぽりん ]

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こんにちは。今回の記事、原発の構造的欠陥(耐震設計不足)をよく説明なさっています。公開された、福島原発の日誌にも311午後の部分で、機能停止と給水停止等が報告されているようです。

2011/11/28(月) 午前 9:09 [ 蓬莱島山人 ]

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蓬莱島山人さん
こんにちは。福島原発と同型の原子炉は、
配管破損すると、冷却できなくなり30分で炉心溶解にいたる、
ということが事故前から把握されており、
リアルなシュミレーションのアニメが作られていたようです。
http://blog.goo.ne.jp/jpnx02/e/64212ec9991ec42b8478efa1651d35d5
対策を取らなかったことと、
同じ型の原子炉に対して、今回のような問題がなくなるように
対策を取ろうとしていないことが腹正しいかぎりです。
>福島原発の日誌にも311午後の部分で、機能停止と給水停止等が報告
そのようですね、
情報を隠すためなら、コンピュータアクセスして
数値改ざんまでしている東電ですから、
何が正しいか、わかったものじゃないです。

2011/11/28(月) 午後 0:22 [ みぽりん ]

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これだけの検証がされていくと東電や政府にまともに答えてほしいですね。
転載させていただきます。

2011/12/18(日) 午前 11:39 [ - ]

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おんびらさん
先日の野田首相の収束宣言も、
あきれましたね。
やはり、すべての事を信じたらだめだと、
つくづく思います。
最近の枝野さんの発言も驚きましたが・・
12月6日衆議院震災復興特別委員会での暴論 枝野氏「二度と起こしてはならないと希望はするが、現に福島で事故が起きてしまった以上、今後も起こらないとは言い切れない。したがって、福島のような事故は発生し得るとの前提で原発再稼働を進めていく」

世の中どうなってるんでしょうね。

>東電や政府にまともに答えてほしいですね。
ほんとに嘘ばかりですからね。まともになってほしいです。

2011/12/18(日) 午後 8:53 [ みぽりん ]

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野田首相収束記者会見、素人の国民ですら信じていません。海外からこのように立証させるとは情けない…この程度の知識で海外に原発を売り込もうとしているのです。海外で同じ事故が起きたなら…恐ろしい事です。責任放棄をするのでしょうね。

2011/12/19(月) 午前 8:25 [ yuu*a2*miki** ]

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yuu*a2*miki**さん
こんにちは。
原発輸出には罠があって、
問題がおこったときに、どこまでを補償の対象とするか、
を取引の際に決めているはずです。

日本は外交が不得意だからか、無知だからかしらないですが、
日本に不利な条件で取引を行う可能性が高いです。

例えば、原発買うには多額の資金が必要ですが、
買った国が支払えなくなったときに、
ローン返済機構のような会社が担保する、
という内容だとして、
この借金返済元がどこになるかといえば、
日本になるカラクリになっている、

裏のカラクリを気付かなければ、
日本は上記のような契約をしてしまうでしょう。

最終的に、原発輸出をして問題があったとき、
損をするのは、国民なのです。

しかも、世界の人を苦しめることにもなる、
こんなひどいことはやめさせなければなりません!

2011/12/19(月) 午後 0:36 [ みぽりん ]


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