汚染されたものは大人が引き受ける 小出裕章週刊金曜日 2011年6月10日 850号 特集記事 (記事名のみの記載)
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記事概要
・放射性物質は東京方面、福島県内、宮城方面、そして米国にまで流れ、汚染を広げている。
地球の陸と海すべて、そして全ての生きものが汚染されており、安全で大丈夫な食べものはもうないと思うしかない。
・被曝は微量でも危険だが、感受性は年齢によって全く違う。細胞分裂が活発なときに被爆すると遺伝情報が狂ってしまい、後にガンになる可能性が高まる。成長が止まるまでの間の被曝は大変危険。50歳を超えるとほとんど影響はない。
・すべての食べものを測定し、汚染度が高いものは年寄りが食べればいい。子供は汚染度が低いものを食べる。大人は、特に私の世代を中心として、原子力をここまで許してきた世代としての責任がある。
・政府は基準以下なら安心と言うが、それは間違いだ。連続的に危険が分散しており、どこかで基準を決めることはやるべきでない。
・日本では一般の人は年間1ミリシーベルトという決まりがあったのが、今回20ミリシーベルトまで我慢しないといけなくなった。子供もそれに含まれるが、それは認めることはできない。子供を守るために、汚染度の低いところで子供たちが遊びながら楽しく数ヶ月過ごせるようなサマーキャンプのようなものを作る必要がある。
・消費者が、汚染されている福島の農産物や近海の海産物を拒否したら、福島の農業、漁業は崩壊してしまう。日本は一次産業を崩壊させ、工業を発展させることを中心として進んできたが、原発はその象徴だ。その象徴である原発が事故を起こした今回、一次産業を更に崩壊させる選択をするべきでない。
・知恵を働かせて子供を守り、大人はあきらめて食べるべきだ。
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目に見えない放射性物質には、距離という尺度は必ずしも通用しないのだ。日本環境学会元会長の畑明郎氏は、「15歳以下の子供や妊婦にとっては」と前置きした上で、次のように断言する。
「福島から100km以上離れた東京の新宿区や東村山市の土壌からも放射性セシウムが検出され、3月には幼児の基準値を超える放射性ヨウ素が浄水場から検出されました。東京はすでに安住できる土地とは言い難いのです。また、福島第一原発から1000km圏内は、大なり小なり汚染されています。5月10日には、京都の日本海側にある舞鶴市の椎茸からも微量の放射性ヨウ素が検出されている。収束が見えない以上、汚染が全国にさらに拡大して行くことを危惧しています」
欧州放射線リスク委員会(ECRR)のクリス・バスビー教授は、事故発生当初から「東京から避難したほうがよい」と警鐘を鳴らしていた。
「ECRRのリスクモデルを元に計算すると、フクシマから200km圏内で今後50年間に約40万人の人が、がんに冒されるだろう。東京にも晩発性障害で相当数の患者が出ると考えている」
自分や家族の安全を考えた時、首都・東京を去るという選択すら現実感を持って迫ってくるのだ。




