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喉に異常を感じ、耳鼻咽喉科の医院で診てもらった結果、喉に腫瘍があるとのことで紹介状を持たされ、国立の医療センターへ行った。
名前を呼ばれて診察室に入って直ぐ、部屋全体から何か落ち着かないものを感じた。 椅子に腰を下ろして医師に面したときに「ああ、これか」と思ったことは、
・ 机の上いっぱいに書類が広げられている。
・ 壁際の書棚は書籍が乱雑な雰囲気で押し込められている。
・ 足元の使用済み品の容器は投棄したものが溢れている。
等等・・・・。
大病をしたことは無いが、歯科、眼科および行きつけの内科の医院には定期、不定期に行くことがあるが、こんな風景・雰囲気の診察室にお目に掛かった事は無いと思う。
兎も角、診察さえ確かなら風景・雰囲気は二の次の事と思いながら診察を受けることにした。
最初の問診から実際の診察に移ったあたりから、私の「???」がまた始まった。
医師が、次の作業に入る際に、頻繁に探し物をするのである。 極めつけは、鼻から喉へカメラを入れた時であった。 部品か用具かわからないが、看護師さんに何かを持って来るよう指示し、看護師さんが急ぎ足で何処かへ去った。
看護師さんが中々戻って来ないのである。 その間医師は鼻から入れたカメラを構えたままじっと待っているのである。
何分待っただろうか。 業を煮やした医師はいったんカメラを抜いた。 看護師さんが戻ってこないので医師一人である。 また探し物か何かで看護師さんの手が必要になったようで、「すみません! 誰か来て!」と大きな声を出したりし始めた。
看護師さんが何かを持って戻ってきた。 どうやら腫瘍部分からサンプルを採取したかったようで、再度カメラが鼻から挿入された。 ところが、採取は満足できる状態では出来なかった様で、口から直接採取する事になってやっと診察が完了した。
最後に、採取したサンプルを入れた透明の容器を手に取った医師が「アレッ!」と声を出し、容器の中を眺め始めた。 堪りかねて私は「サンプルが無いんですか?」
と聞いてしまった。 「そうではない」というご返事だったので、私の質問は余計なことだったと自分に言い聞かせた。
何とも後味の悪い診察だった。
現役時代に仕事の関係で通産省によくお邪魔したことがあり、その頃の通産省のオフィスのあらゆる所が書類の山だったことを思い出した。
「こんな状態でよく仕事が出来るなあ・・・」と云うのがその時の感想だった。
国立病院の職員は医師を含め全て公務員なのかどうか知らないが、現在住んでいる町の区役所の職員の応対がそうだし、通産省の事務職員の対応もそうだし、そして今回の医療センターの職員もそうだが、応対の中に「温か味」を感じる事が中々無い。 これは、民間企業の世界に行った時には全く感じない肌合いである。
民間人と公務員の間には、何かしら基本的に対立するものがあるように思えてならない。
それは恐らく民間人は「法律の欠陥から苦しめられている」立場であり、公務員は「法律を盾にして生きている」立場だという違いであろう。
夜が遅くなりました。 この続きは明日にします。 おやすみなさい。
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