宇田川耕一の「天まで昇れ札響通信」

札幌交響楽団の更なる飛翔(昇天ではありません)を願い、ほぼ全てのコンサートをレビュー!

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第24回を迎えた「道銀ライラックコンサート」、指揮は札響正指揮者の高関 健、チェロ独奏は札響首席奏者で、道銀芸術文化奨励賞を受賞した石川祐支がつとめた(敬称略)。
 
「セヴィリアの理髪師」序曲 ★★★★
ラロ「チェロ協奏曲」 ★★★☆
ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」 ★★★★☆
(10点満点 ★=2点 ☆=1点)
 
ロッシーニの歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲で幕開け。高関は昨年の「名曲シリーズ」でもロッシーニの序曲をまとめて取り上げるなど、イタリア物にも強い。軽快なリズムに乗って、ロッシーニ特有の思わず口ずさみたくなるような名旋律が駆けめぐる。これならば、「名曲シリーズ」のような指揮者による解説は不要であろう。
 
ラロの「チェロ協奏曲」はプログラムの解説によれば代表作とのことだが、私は今回初めて聴く曲である。ラロといえば、何といっても「スペイン交響曲」(ヴァイオリン協奏曲第2番)が有名である。「チェロ協奏曲」にも、「スペイン交響曲」同様に、スペインを思わせる明るい旋律や軽やかなリズムが溢れていて、聴いていて楽しい。
 
ソリスト、オーケストラ共に弾き慣れた曲とは(多分)いえないので、そのためか、ところどころに表情の硬さも見られた。しかし、あえてこの曲を取り上げた意欲には敬意を表したい。
 
休憩をはさんで、後半はベートーヴェン交響曲第3番「英雄」。高関は大阪センチュリー交響楽団と2002年頃にベートーヴェン交響曲全集を録音していて、それらのCDは私の愛聴盤である。今回もベーレンライター版に基づくすっきりとした表現で、表面的には大きな違いは無いようにみえる。
 
だが、私は今回の実演から、CDでの演奏を大きく上回る感銘を受けた。CDと実演、あるいはオーケストラの違いもあるのだろう。しかしそれ以上に、均整を保った端正な表現のところどころから、溢れ出るような熱い感興が感じられ(ちょっと意外ではあったが)、そこに大いに共感をおぼえた。
 
 

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