神戸の南京町の広場の一角に、ひときわ行列を成す豚まんの有名店がある。
大正4年創業の「老祥記」である。何しろ、「豚まん」という呼び名の発祥の店でもあるらしい。
何度も南京町には足を運んではいるが、いかんせん、粘り強く行列をなして何かを購入するということが
苦手な性格ゆえ、いつも横目に見つつも素通りしていた。その豚まん、都内で人に会った際、うわさに
上り「神戸に行ったら、是非食べてみて!」と太鼓判を押された。
そして今回は炎天下、覚悟を決めてその戦列に加わることにした次第である。
広場に待つこと約20分くらいだろうか、店員の誘導に従い店内に入る。15席ほどの狭い店内。行列のほと
んどは、持ち帰り客と見られる。僕は6個購入。(1個 80円也)
豚まんと聞いて、横浜中華街のそれを思い浮かべることなかれ。あの冬場、コンビニで売り出される
肉まんを1.5倍くらい大きくしたような、出来合い、冷凍食品的な味のものとは全くサイズ、食感、味が
異なる。
こちらの老祥記の豚まん、サイズは一般の「肉まん」に比べ小さめだが、手づくりの皮は歯ごたえがあり
モッチリ、中国人の職人がせわしなく一個一個手で包んでいる中のアンがまた独特で、口に含むと旨味を
含んだ肉汁が「ジュワ〜ッ」と溢れ出る・・・。
そう、この味は中国の街の路上で蒸篭(セイロ)で蒸して売られている「肉包 ロウパオ」そのものなの
である。 ちょっと小腹が空いたときに、仕事をしながら、歩きながら、軽く摘まめるそんな
「中国小吃 (中国式ファーストフード)」である。
いかんせん、このお店、神戸以外には無くご当地、神戸でしか味わえない。
あの万里の長城のごとき行列を並び、手に入れた希少性からくる喜びは味わいと共に至福さえある。
●南京町 老祥記
神戸南京町広場
定休日:月
営業時間:10:00〜18:30
http://www.roushouki.com/
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