ドイツの生活 Mein Leben in Deutschland

毎日の新しい発見を忘れないように。https://xiromi0303.blog.fc2.com/ に引っ越しました。

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Negative Space

線だけで描くContour Drawing(日本語ではクロッキー)を練習した後は、Negative Space
という技法を習いました。これは、線ではなく影の濃淡で形を捉える、というもの。今まで
ガンガン線を引いていたのに、今度は線は使わずに「横塗り、縦塗り、斜め塗り、重ね塗り」
だけで描かなくてはならないというのはとても難しく感じました。

まずは二人組になってお互いの顔を描きっこしました。私の相手は例のアニメおたくの
スペイン人の若者だったのでまだよかったですが、彼にとって凹凸のない私の顔はさぞ
難しかったことでしょう(笑)。

モノのトーンはすべて違うのだから、濃淡だけで捉えることは可能なはず、と頭ではなんとなく
理解できても手が思うように動きません。気がつくと線に頼ってしまいそうになり、私は悪戦苦闘
していましたが、受講者の中には「こっちの方がラク」とさらさらと描いている人もいました。

顔を描いた後は、教室の真ん中に机を二つ並べて、その上に先生が持ってきたありとあらゆる
オブジェ、ゴム長靴、汚れたぬいぐるみ、ミニバスケットボール、ギター、プラスチックの保存
容器、藤の籠、あやつり人形、スニーカー、ボーリングのピン、合成皮革製のバッグ等々を
めちゃくちゃに置き、それを題材として描くことになりました。これらのオブジェは、一見そこら
へんに転がっていた要らないものを適当に持ってきたようですが、実は全部素材が違います。
鉛筆の濃淡だけでその素材感の違いを出すなんて絶対無理、と投げ出しそうになるのですが
迫力のある先生のことです。気がつくとみんな画用紙に向かっていました。

この練習では大まかな輪郭だけは線で描いてもいいことになっていました。でも描けば描くほど
なんだかめちゃくちゃになっていきました。中央にあった藤の籠だけは念入りに描きましたが
あとはいったい何の物体なのか不明、という誠に残念な仕上がりになってしまいました。

みんなが描き終わると、お互いの絵を鑑賞し意見を言い合います。ま、トホホな仕上がりは
きっと私だけではないはずだし、真っ向からケナす人なんていないので、人に自分の絵を見せる
のも気にならなくなってはいます。でも先生と数人の受講者が私の絵のところに集まって見入って
いたので

「ぎょぇっ、なんか遠近法もバランスもメチャクチャなんだよなー」

と、そこらへんを指摘されるのではないかと少々ドキドキしてしまいました。
ところが先生は、

I like your basket.

と言いました。

へっ????あ、そーですか。
まさか褒められるとは思っていなかった私はきょとんとしてしまいました。

授業の後、これらオブジェを先生の車まで運ぶのを手伝って「じゃ、また来週」と立ち去ろう
とした時、先生はまた

I really liked your basket.

と言ってくれました。

それがそのbasketの絵です。そう褒められるほどのものではないのはようくわかっていますが、
あえて載せちゃいます(恥っ)。この先生の場合、なんていうか持っている(少ない)力を伸ばし、
ヤル気を興させるツボをよく心得ているなーと思うのです。
イメージ 1

I like your basket.

日本語で同じようなコメントをするとしたら「籠がよく描けてるね」とでもなるでしょうか。「あなたの
籠が好きです」とはなりません。せいぜい「君の描いたこの籠、いいねぇ」だと思いますが、それが
英語だと私が絵に描いた籠はただの「籠」ではなく、「私の籠」になる、ということが妙に新鮮に
響きました。

そしてふと、その昔英語が大好きだった頃のことを思い出しました。親に褒められたことがあまり
なかった私はハリウッド映画なんかで、

I am proud of you. とか
I love you, my son.

などと親が子供に言ったりするシーンに密かに憧れていました。「あなたを誇りに思うわ」「息子よ、
愛している」は、翻訳の世界ではありえても、普通の日本語の世界でそんな台詞をはく人はいません。
男女間でだって「愛している」なんて言葉は、文学作品中にお目見えすることはあっても普段、口に
することはないのではないでしょうか?

そういう言葉がすっと言える文化に憧れを抱いていた時期があって、それで私は英語を一生懸命
勉強していたように思います。今はイギリスやアメリカにはまったく興味もなく、かえって毛嫌いして
いるくらいなのですが、久しぶりに「英語っていいなぁ」って思う瞬間を味わいました。

閉じる コメント(36)

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semirさん、この先生、最初は押しが強くてなんか怖いなーって印象だったんですが、引っ張っていく力と持っている力を引き出す力がある先生だなーと思います。勘違いして描いていたりするとさりげなく助言をしてくれたり、題材なんかも身近なものだけどよく見るとちゃんと考えられているようだったり。ホント素敵な先生です♪

2009/11/9(月) 午前 1:14 xiromin

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紫桜さん、この講座は全8回なのであと4回(だったかな?)しかないのが今から残念なくらいです。この間のヨガのインストラクターとはホント、大違いです(笑)。

2009/11/9(月) 午前 1:16 xiromin

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生徒のやる気を引き出してくれる先生ですね。でもxirominさんの籠が本当に素敵に描けていて先生の感性に訴えるものがあったから、すっとその言葉が出たんだと思いますよ。
メキシコ人もTe quieroとかMi amorとかよく言うし、私の友達でメキシコ人の旦那様を持ってる人は「そうやって甘い言葉をささやいておだててくれるところがラテン夫を持つ醍醐味よね。」なんて言う人もいるんですが、うちの主人、そういう意味では全然ラテン系のノリがなく、愛情表現に関しては日本のおっさんと変わらないです。。。

2009/11/9(月) 午前 1:46 Toshiko

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こちらもほめるときはかなりあまーい言葉を使うのでそれに慣れてきちゃいましたけどね・・(汗)日本語の遠まわしの表現じゃもはや満足できないかも・・・(笑)

2009/11/9(月) 午前 4:39 セッチャン

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toshikoさん、旦那様が日本のおっさんと変わらないっていうのに爆笑してしまいました。日本語がおできになるから、日本人っぽくなってしまう部分もあるんでしょうねw。
ドイツ語では「この籠は私に気に入る」という表現をするようで、「君の籠」とは普通はならないそうです。英語特有なのかわかりませんが、なんだかこの表現がなんだかとっても嬉しかったんですよねー。

2009/11/9(月) 午前 6:53 xiromin

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セッチャンさん、日本語でいいなぁと思うのは、「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」とか「大変お待たせしました」などと言い回しで、それを聞いたらこっちの怒りもとりあえずひっこむじゃないですか。私はそういう言い回しを「クッション言葉」と勝手に呼んでいるんですが、西洋の言葉にはそういう相手の立場を思いやる表現がないから、そこでカチンとくることが多いです。
でも好きなものは好き、いいものはいいってはっきり言えるのはやっぱりいいですよねー。

2009/11/9(月) 午前 6:57 xiromin

現在形と過去形、2回褒めてくれるのって嬉しいでしょうね♪
ますますやる気になりますよね、
これからも楽しんでがんばってください。

2009/11/9(月) 午後 9:30 yanyan

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褒めると伸びます。お世辞と分かっていても嬉しいです。まして,本音の世界の人の言葉ですから,素直に嬉しいですね。
実際,デッサンうまいですよ。とても習い始めの人とは思えません。
日本で言うデッサンを「Negative Space」と言うのですね。初めて知りました。技法的には,木炭,鉛筆デッサンと同じようですね。ぼかしたりするのに木炭の場合は,食パンを使っていました。

2009/11/9(月) 午後 11:15 クマ&ノコ

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yanyanさん、最初に褒めてもらったときに面喰ってしまって、喜びを上手く表現できなかったから、でしょうね〜。でもなんだか気にかけてもらえたっていうのも嬉しいですw。毎週火曜日が楽しみになってます♪

2009/11/10(火) 午前 0:39 xiromin

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クマ&ノコさん、いやいや、ホントだったらこんなへたっぴぃなのをお見せできないんですけどね〜。日本では中、高で美術を習ったくらいなのでどういうのをなんて呼ぶかとかよくわかりません。これがいわゆるデッサン、なんでしょうかねー。次回は木炭と練り消しゴムを持っていくことになっています。

2009/11/10(火) 午前 0:41 xiromin

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豚もおだてりゃ的な性格の私には、もってこいの先生ですわ〜(笑)
褒められると悪い気はしませんものね。
線だけで描くというのは難しいですよね。絵心のない私はこんなにうまく描けません〜。
直線のものならなんとか絵になるかも〜(笑)

2009/11/10(火) 午前 10:47 silba1103

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シルバさん、この先生、褒め方もさりげなくていいんですよね〜。
この絵は線だけ、ではなくて影の濃淡で描く練習をしたものです。結局線みたいになっちゃってますが、籐の網目が影になっていたのでこんな風になりました。私は全体像をつかむ線だけのクロッキーの方が好きです。

2009/11/10(火) 午後 2:09 xiromin

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あれ、前はトビさんとは英語で話してるって言ってたように思うけど、今はドイツ語なんですね、スゴイ!!

2009/11/10(火) 午後 7:39 くろろん

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くろろんさん、あれ、英語で話していたのはかなり初期の頃だったような。ドイツ語で、って言っても夫婦の会話なんて話題が限られてるので大したことないんですよねー。それに何を言おうとしてるかとかだんだんわかってくるみたいで、直してくれないから進歩もしてませんw。

2009/11/11(水) 午前 5:36 xiromin

すごく上手だと思うな〜!
画家がそのへんにあるものを手ならしにサラサラ〜っとあっという間に描いてしまったような感じ☆影や遠近感もちゃんとあるしね♪
あ、私もI love youなんて普通に言えちゃう英語圏の人に憧れた時代があった〜(笑)でも、今はモネにだけは恥ずかしげもなく言ってるけどね〜(笑)

2009/11/11(水) 午後 5:31 ☆ ポー ☆

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絵はどうしても線で描いてしまいます。難しそうですね。
英語の映画とかドラマのなかで私の英語力はなくても,見てたらそのまま涙が出てくるぐらい感動する場面も日本語になってしまったら半減してしまうのだろうなぁ。

2009/11/11(水) 午後 9:00 Hannah&ミイ

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ポーさん、いやいや、お恥ずかしいw。でもI like your basket(思い切りアメリカンアクセントで♪)と言ってもらえてすごく嬉しかったので載せちゃいました。
英語圏、昔は思い切り憧れてましたー。ポーさんもだったんですね。今はすっかり興味もないけど、やっぱりいいなぁって久々に思いました。

2009/11/12(木) 午前 3:53 xiromin

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はなさん、線で描くのに慣れちゃっているので影の濃淡でモノを捉えるのって難しく思えました。
I love you とか I'm proud of youとかがすっと言える代わりにごめんなさい、や失礼しました、といった言葉はなかなか出ない。いいな、と思う反面むっとする部分もある。日本語もそうなんでしょうね、きっと。

2009/11/12(木) 午前 3:56 xiromin

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立体感と奥行きがすごい出ててすごいです。先生、本当に「いいねえ」って思ったんでしょうね。

2009/11/19(木) 午後 7:34 UNI

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UNIさん、いやー、これまたお恥ずかしい。
他に褒めるところがなかった、という可能性大なんですが、それでも嬉しかったです。ちなみにこの絵画教室、あと2回なんですが、他の受講者の希望もあって引き続き開催されることとなりましたー。わーい♪

2009/11/20(金) 午前 5:13 xiromin


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