ドイツの生活 Mein Leben in Deutschland

毎日の新しい発見を忘れないように。https://xiromi0303.blog.fc2.com/ に引っ越しました。

Erinnerungen

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ドイツ気象局HPで、放射能物質の拡散状況シュミレーションが見られます。
Wetterlage und Ausbreitungsbedingungen in Japan 少しスクロールして3つ目の日本地図をクリック。
ただし、排出された放射性物質の濃度がはっきりわかっていないのでこれはあくまで予想とのことです。

<最近よく思い出す昔のできごと>

今から10年ほど前、社会人学生として大学に通い直し、環境学を勉強していました。3年生の時に「エネルギー
問題を考える」というゼミに参加して、いろいろな発電所を見学に行きました。私が関心を持っていたのは風力
発電でしたが、当時はまだまだその数は少なく、小さな風力発電施設を見るために、電車を乗り継いではるばる
山形県まで出かけて行ったりしました。

いろいろな施設に見学の申し込みをすると、たいていは歓迎してくれます。その中でも一番待遇が良かったのが
原子力発電所でした。「大学のゼミで見学したい」と言うと、なんと観光バスを無料で1台手配してくれました。
参加学生約10名と引率の先生2名のために、大型のバス1台を、です。そして、当日はお弁当を用意しておく
ので、参加人数に変更があったら連絡して下さいとまで。

当日大学に来てくれたバスに乗って私たちは原子力発電所に行きました。到着すると、丁重に歓迎されました。
各種パンフレットやマスコット付きのボールペンなどをいろいろ貰い、お弁当を平らげてから、まずは原子力発電
に関するビデオを見せてもらいました。それから発電所内を見学しました。実際に防護服を試着させてもらったり
もしたように思いますが、細かいところはあまりよく覚えていません。なにしろ私たちは文系のグループですから、
物理学的なことや技術的なことは説明されてもよくわかりません。ただ、「安全、クリーン、安い」の三点ばかり
が強調されるので、その度に私たちはバカの一つ覚えのように「でも大地震が来たら危険じゃないんですか?」
とか「すっごい規模の地震が来たらヤバくないんですか?」などと質問しまくっていました。その度に係のオジ
さんは爽やかな笑顔で穏やかに「あらゆる可能性を想定して設計してあるので安全です」と言い切っていました。

確か、使用済み核燃料の廃棄についてはまだ実施したことがなく、地中奥深くに埋めるという方法が考えられて
いる、というような説明があったと思います。その時も私たちは「でも巨大地震が来たら、危なくないですか?」
とか「地震が起きて容器が壊れて放射能が外に漏れるってことはないんですか?」「地中奥深くってどこの地中
に埋めるんですか」という単純な質問を繰り返しつつ、「発電コストが安いと言うけど、その廃棄のためのコスト
は計算に入っているんですか?」「実施したことがないのに、どうやってそのコストを見積もるんですか?」など
もっともらしく聞いたりもしました。でもなんていったって、数字に弱い文系の学生達ですから、係の人の明るい
笑顔と、桁数の多い数字に上手く誤魔化されてしまいました。

さて、発電所内の見学が終わると、構内をバスで一周してから都内へ戻ってくれることになりました。無機質な
建物を外から見たところで楽しくもないのに、と私などは思いましたが、そのツアーのために女性の係員がガイド
役で乗り込んでくれました。これが1号機、あれが2号機などと説明をしてくれましたが、ふうんとしか思わず、
新興宗教にも似た雰囲気に私は少々うんざりしていました。冷却水が温排水として海に放出されるという場所の
近くを通った時は「水温が温まるので暖流の魚が増えて、良い漁場となっている」というような説明がありました。
文系の私たちは「それじゃぁ生態系が崩れるじゃないか」と単純に考え、ついでに、できればこんなところで
捕れた魚なんて食べたくないよな、と思ったりしました。

その時です。突然、女性係員さんが大きな声で言いました。

「あっ、皆さん!右をご覧ください。今日も釣りをしている人がいます。     ここはまさに絶好の釣りスポットなんですよ〜。」

平日の真昼間にこれ見よがしに原発付近で釣りを楽しむ男性…

あまりにも不自然でした。「まさか、そこまでやるのか?」と私は目を疑いました。

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おんだなみさん、このゼミでいろいろな発電所を見学しましたが、当時の技術では風力も太陽光もまだまだ補助的な発電量しかなく、ただちに原発を廃止するのは難しい、みたいな結論に至りました。でも10年の間に技術も進歩しているし、日本人が意識を変えて努力すればなんとかなるって思います。だって、命あってのものだねですもんね。

2011/4/2(土) 午後 4:26 xiromin

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はなさん、当時のお話では、大きな地震のことは考慮して安全対策をとっているって話でしたが、今回のは「想定外」だったそうで…。でも想定外では済まされないです。今日も放射能汚染した水が海に流れ込んでしまったとか。漁業や貿易への影響だって深刻です。昨日は東電の人の「海水は人間が直接飲むものではありませんし」というコメントが政治コメディに取り上げられてましたよ。政治系とは言え、こういう状況をコメディに取りあげるのはさすがにドイツ人、ふざけるなって思いましたけど、実際問題としては人間が直接飲まないからいい、ってものではない。そういうところに危機管理の甘さを感じます。
原発なしではやっていけない。本当にそうでしょうか?まずは原発なしでやってみようって思うことが大事じゃないですか?放射能汚染と停電だったら私は迷わず停電を選びます。

2011/4/2(土) 午後 4:32 xiromin

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必ず壊れるを前提に安全を考えるべきでしょうね。風力,水力,火力,地熱・・・。施設が壊れた時のリスクが一番小さく,環境への悪影響の少ないものが良いです。
震災後,広報担当者自身,原発に対してあまり詳しくなかったと新聞で述懐していました。

2011/4/3(日) 午前 0:33 クマ&ノコ

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クマ&ノコさん、確かに風力や太陽光だけでは足りないし、火力はCO2の問題があります。だからって、事故があったら人間の手に負えなくてしかも廃棄物処理の仕方も決まっていないものに安易に頼るのはやっぱりまずいと思います。
本当に安全でクリーンで安いものだったら、バスやお弁当で釣ったり、サクラの釣り人(←としか思えなかった)を雇わなくてもみんなからの支持は得られるはずですよね。

2011/4/3(日) 午前 3:02 xiromin

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こんにちは。訪問&コメントありがとうございます。
ドイツ在住なのですね。
海外から見ると、「日本人の危機感のなさ」に危機感を感じられていらっしゃることと思います。
xirominさんのコメントを勝手にそのまま記事に使わせていただきました。どうぞお許しください。

2011/4/3(日) 午後 11:36 [ どんぐり ]

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どんぐりさん、こんにちは。ご訪問ありがとうございます。
ドイツは特に騒ぎ過ぎだとは思うんですが、問題になっているのは放射能なので、楽観視し過ぎるのはどうかと…。でも何か言うと「風評」とか「デマ」とか言う言葉で片付けられちゃうんですよね。

2011/4/4(月) 午前 0:48 xiromin

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xirominさんの記事はとっても為になります。また、勉強家であることも分かっていましたが、このような原発の広報部が明るく振る舞う様子が手に取るように分かりますね。日本の経済、生活等を観ると原発は無くならないかも。が、日本国は地震国であることは設計上は分かっていたと思うが、後のまつりですよね。これからが真剣ですよね。世界が観てます。

2011/4/4(月) 午後 8:21 zenmasui

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zenmasuiさん、原発を見学する前までは漠然と「危なそう」って思っていましたが、実際に見学してみて、相変わらず技術的なことはよく理解できませんでしたが、新興宗教バリとも言える怪しい歓待に不信感がいっそう募りました。バスも弁当もサクラの釣り人もおかしすぎます。
原発なしでやっていく方法はきっとあるはず。少々不便だろうが、夏暑かろうが、放射能汚染よりは断然マシです。どっちにしても今後、日本製品を外国に買ってもらえなくなったら、今までの発電量なんていらなくなるかもしれませんし…。
原発20キロ圏内にある遺体が収容できないなんて、そんなの尋常じゃないです。地震や津波ですらお手上げなのに、わざわざ手に負えないものを自分達で作るなんてやっぱり変ですよ。

2011/4/4(月) 午後 8:59 xiromin

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xirominさん、私も今回の事があるまでは、原発の事は全く気にもしてなかった。正直。
でも、いろんな情報収集して行くうちに、原発以外の電力に関してもっと勉強しようという気持になり今、それらをひとまとめにして時間かけて理解していこうとしてる。

人が作った物が、人の手に負えず一人歩きして世界を滅ぼしたなんて事になったらしゃれにもならない。
っていうか、今は現実味があるから恐怖を身近に感じる。。。

2011/4/6(水) 午前 4:34 くみっぺ・93

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くみっぺさん、私は実際に見学に行って、新興宗教にも似た怪しい印象を受けて、それでかえって原発に不信感を抱きました。原発については技術や物理学的なことがわからなくてもいいと思う。人が作ったものが人の手に負えなくなる。それだけで、そんなもの要らないって言えると思います。
それで電力がまかなえなくなろうが、経済が滞ろうが、命あってのものだね。便利な生活をして物質的に豊かになったって、身体が放射能にむしばまれちゃっちゃ意味ないから。本末転倒。そんなの普通に考えれば誰だってわかりそうなものなのに、国だか電気会社だかのPRに上手く信じ込まされちゃってるんだよね。

2011/4/6(水) 午前 5:04 xiromin

原発事故は人災、というのがよくわかりますよね。東電の体質というのも問題なんだと思います。はじめに水の問題、それから野菜、魚、そしてすべての日本の食品の輸入拒否、日本人旅行者もすでに差別を受けているそうです。明るいニュースはほとんどありません。これからの若い人たちが心配です。

2011/4/6(水) 午前 10:28 juliandtail

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想定外という言葉は使ってはいけませんね。
特にこういう命に関わる大事な施設は、想定外を想定するくらいの慎重さが必要です。
今回の地震で、頭の良い一流大学を出たお偉い方々が、ほんとうに必要なものは何かを
勉強しなおしてもらいたいですね。
原子力はCO2を排出しないから、地球環境にはとても良い物質だと思うけど
扱い方を間違ったら地球規模で大惨事になる。
今回、ほんとうにこのことを勉強して貰いたいと思う。
凡人の私が考えてることくらい、頭の良い方々は考えてるでしょうけど、も!(笑)

2011/4/6(水) 午前 10:55 silba1103

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JUNさん、こんにちは。原発推進派の怪しさは実際に原発に見学に行ってみるとよくわかると思います。私たちのグループは、あの釣り人はサクラだったに違いないっていう結論に至りましたから。
こんな事故が起きてしまったらその始末にものすごい費用がかかるというのに、しかもその影響は農業、漁業、工業そしてなにより人々の健康にまで及ぶというのに、そんなことも計算に入れずに地震国にボコボコ原発を建ててしまってきたのはどうしてなんでしょうね。「安全、クリーン、安い」ではもう騙せません。

2011/4/6(水) 午後 4:13 xiromin

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シルバさん、原子力はCO2を排出しないから良い…。そのこと自体が政府の思惑にはまってると私は思います。CO2はそれが温暖化を引き起こす、と言われているだけで人体に害を及ぼす物質ではありません。それと放射能を撒き散らす原発と同じレベルで議論することがそもそもおかしい気がします。
CO2を減らすには、ぶっちゃけ節電しかない。でもそうすると電力会社の収益が減るから、実は彼らは節電なんかしてもらっちゃ困るんです。それは北電さんの発言でもわかりますよね。だから問題を上手くすり替えて「原子力=クリーン」とかいう意味不明な宣伝を今までやってきたんじゃないでしょうか。人体に影響を及ぼすものを吐き出すものがクリーンって、どういうこと?って思いませんか?

2011/4/6(水) 午後 4:21 xiromin

うーん、そんなことがあったのですか。
良い漁場ですかー(爆)

温暖化っていうのも金儲けのための大ウソであるという話もありますよね。

2011/4/7(木) 午後 1:02 yanyan

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yanyanさん、環境問題を追及していくと、結局は人間が謙虚になって、生活レベルを下げていくしかないんじゃないかって、ディープエコロジーの方向になってしまうんですよね。温暖化でCO2がよくない、だから原発、という持っていき方にどうしても無理を感じます。なんか見えない力にみんな踊らされている気がして。サクラの釣り人、絶対変でした。

2011/4/7(木) 午後 1:35 xiromin

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はい、言われてみればそうですね!私は政府の思惑にハマったか(笑)
節電を推進しない電力会社は、今やっと節電を心がけようという報道をしています。
言われなくても自発的にやった世間に対して肩身が狭かったのでしょう。
原子力はクリーンだとは思っていません。北電にいた友達にそそのかされて
泊原発を見に行った時、これは危ないものだと感じたから。
当時は説明を聞いても、なんだかよく分からなかったけど、使い終わったら
どうやって廃棄するんだろう?ヘタすると人体に凄い影響があるぞ。
と、漠然と思ったことを覚えてます。

原子力をクリーンと断言できるほど、電力会社は研究をしてきたんでしょうかね。

2011/4/9(土) 午後 7:20 silba1103

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シルバさん、斉藤和義も歌ってます「ずっとウソだったんだ」ぜって。使い終わった後の核廃棄物、どうやって処理するつもりでしょうね。私の記憶では当時はシベリアとか人の住まないところに押し付けることも当時は考えていたように思います。最近は廃棄処理場の候補となる自治体を募ってるらしいです。どちらにしてもそういうコストも計算せずに安いとか言うのっておかしいし。
下手しなくたって人体に影響あります。人間の手に負えないものはやっぱりマズイと思います。

2011/4/10(日) 午前 0:05 xiromin

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トラバ ありがとうございます。
そんな原発の汚染水で温まった海の魚、恐いですよね。
それにしても、的を得た質問にも笑顔で 答える係員、、矛盾に長年気が付かずに
笑顔で安全神話と、廃棄物の問題も軽く流すなんて、、麻×彰×の率いる宗教みたいですね・・・。それにしても、、科学者も マスコミも、一部の人を除いて、全く 知らん顔してたんですよね。。。文系の☆は 不気味としかわかっていなかったです。
今、情報網の大切さ、、ウイキーリクスなどの大胆さと存在の大きさを感じます。☆

2011/6/19(日) 午後 10:09 星 降る子

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星降る子さん、コメントありがとうございます。ホントまさに新興宗教のようでした。原発で発電するとこれだけ安い、みたいな説明を受け、ゼミ生の一人が廃棄までのコストを含むべきとかなり突っ込んだら、帰り際に係員がバスに乗り込んできて、そうするといくらになります、とかって必死に説明していました。私達は環境学部の学生ですから、安かろうが高かろうがそんなことには騙されないというのに。
みんな不自然にフレンドリーだったし、バスや弁当まで出してくれたり、釣り人まで(爆)。それだけで十分この原子力村全体がおかしい、というのがなんとなくわかりました。その仕組みがはっきりわかったのが「原子力帝国」の記事でした。

2011/6/19(日) 午後 10:43 xiromin


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