先日、私のブログに載せた「原子力帝国」という記事に寄せていただいたコメントで、この 「原発奴隷」という記事の存在を知りました。2003年にスペインのエル・ムンド紙の別冊 クロニカに掲載された記事です。 美浜の会のHPにすでに和訳が掲載されていますが、自分で内容を確かめてみたかったので訳して みました。一部取材間違いと思われるところがあったので、注を入れてあります。出典:Mendigos, esclavos nucleares en Japon, Cronica - Un suplemento de EL MUNDO 調査報告/原子力発電所の秘密 日本の原発乞食、原発奴隷 日本の企業は原発の清掃員として貧しい人を集めます。その多くは癌で亡くなっています。エル・ムンド別冊 クロニカ紙はこの信じられないスキャンダルの主人公たちに話を伺いました。 東京特派員 ダビ・ヒメネス 何も失うものがない人のために、福島第一原発にはいつも仕事があります。都内のある公園で、二人の男が 仕事を斡旋するために近寄ってきた時、松下氏は段ボール箱4つで作った住処で眠っていました。特別な能力 は何も要らない、前職の建設現場での日雇いの倍の賃金を払ってくれる、48時間で終わる。二日後、この破産 した元重役だった男と他の10人のホームレスは、首都から北へ200kmのところにある発電所に連れて行かれ ました。そして清掃員として登録されました。 「何を清掃するんですか?」監督者が防護服を配布し、彼らをシリンダーの形をした巨大な金属の部屋に案内 した時、誰かが尋ねました。部屋の内部の温度は30〜50度の間で変化し、湿度もあって、清掃員たちは息を 吸うために3分おきに外に出なければなりませんでした。放射線量測定器はあまりにも上限を超えすぎるので、 壊れているに違いないと思いました。一人、一人と男たちは顔を保護していたマスクを外しました。「ゴーグル のガラスが曇って見えなかったんだ。仕事を時間通りに終わらせないと、一銭も払ってもらえないんだ。」 53歳の松下氏はそう回顧します。「仲間の一人が近づいてきて言った、俺たちは原子炉の中にいるんだって。」 福島原発で働いてから3年後、東京、新宿の公園に、日本語が書かれた黄色い張り紙が張られ、ホームレス たちに原発に行くなと注意を呼びかけました。「仕事を請け負うな、殺されるぞ」と書いてありました。多くの 人たちにはこの忠告は遅すぎました。日本の原発での最も危険な仕事を遂行するために、ホームレスや非行 少年、外国人や貧乏人を募集することは30年以上も習慣的に行われてきました。それは今日も続いています。 慶応大学の物理学教室の藤田祐幸助教授によれば、この30年の間に700から1000人のホームレスが 亡くなり、何千人もが癌に侵されているということです。 完全なる秘密 原発奴隷は日本で厳重に守られている機密の一つです。この国の主要な企業のいくつかが関与していること、 電力会社のために浮浪者を探し、選び、契約する役目を担っている恐るべきヤクザのことを知っている人は 少ないのです。「ヤクザが仲介しているんです。会社はこの仕事1日につき30000円を払う。でも請け負った人 は20000円しかもらえない。ヤクザの手元にその差額が入る。」と樋口健二氏は説明します。彼は、この日本 のホームレスたちのドラマを30年間調査し、写真で報道している日本のジャーナリストです。(注1) 樋口氏と藤田教授は毎週浮浪者たちのたまり場を訪ね回り、起こりうる危険に彼らが遭わないよう、そして彼ら の事例を裁判所に訴えるよう薦めています。樋口氏はカメラで、−彼はこの写真レポルタージュの作者です − 藤田助教授は放射能の影響の研究で、日本政府に、多国籍エネルギー企業に、そして人材募集のネットワーク に挑んでいます。その意図は、70年代に静かに始まり、原子力発電所の操業のために貧しい人の雇用に依存 しているところにまで拡大している悪習を止めることにあります。「日本は現代的な国であり、日のいずる国 です。でもこういう人たちにとっては地獄であるということも世界に知ってほしい。」と樋口氏は語ります。 日本は、第二次世界大戦で廃墟となった国から世界でもっとも進んだ技術大国として、20世紀にもっとも見事な 変化を遂げた国です。その変化は電力の需要を高め、日本という国を世界で最も核エネルギーに依存する国の 一つにしました。 70000人以上が日本全国にある17の発電所、52の原子炉で常時働いています。より技術的なポジションには 電力会社の正規雇用者がいますが、従業員の80%以上が特別な教育を受けていない労働者や、社会の最も 恵まれない層の臨時雇用者です。ホームレスたちは、原子炉の清掃から漏洩が起きた時の除染、あるいは技術 者が決して近づこうとしない場所での修理作業などの最も危険な仕事のために予約されているのです。 嶋橋伸之氏は、1994年に亡くなるまで、約8年間このような仕事のために使われてきました。この若者は、大阪 の貧しい家庭の出身で、高校を卒業すると、日本で2番目に大きな静岡県の浜岡原発での仕事の話を持ちかけ られました。「何年も気づきませんでした。私の息子がどこで働いているかも知りませんでした。今、息子の死は 殺人だということがわかりました。」母親の美智子さんは嘆いています。(注2) 嶋橋夫妻は、伸行さんを苦しめた血液と骨の癌が原子力発電所の責任であると訴え裁判で勝訴した最初の 家族です。伸行さんは2年間も病床につき、耐え難い痛みの中でその生涯を閉じました。29歳でした。 原子力産業における最初の悪習が発見されても、貧しい人の人材募集はなくなりませんでした。誰の代理なのか わからない男たちが、起こりうる危険を隠してホームレスを騙し、仕事を斡旋するために東京や横浜や他の町の 公園を訪ね歩きます。原子力発電所は毎年少なくとも5000人の臨時雇用者が必要で、藤田助教授は少なくとも その半数がホームレスだと考えています。 日本の街角で、貧しい人が珍しかったのはそう昔のことではありません。今日、そのような人に出くわすことは 難しくありません。原子力発電所は余剰労働力を当てにしています。日本は12年間の経済停滞にあり、何千人 もの給与所得者を路上に送り出しています。経済の奇跡の模範として、また一人当たりの所得で世界で三番目 に裕福な国であるというその地位に疑問が投げかけられています。多くの失業者は、家族を養うことができない という屈辱から、毎年30000人にも及ぶ自殺者の群れの一員となります。それ以外の人はホームレスとなって、 公園を徘徊し自分たちを追い払った社会との接触を失います。 注1: 美浜の会の和訳ではヤクザが取るのが20000円、請け負った人の手元に残るのは10000円。
注2: 嶋橋信行さんは大阪ではなく横須賀の出身。貧しい家庭の出身でもない。 |
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掲示板2chでも賛否両論で叩かれてますが、まさにこの2chで「危険厨」と言われる人達の
主張が現実ですね。危険な現場はホームレスを連れて来て騙して使う。
既に癌で多くの現場作業員が亡くなっているのに未だに「ただちに健康に影響ない」と
国民を騙し続けてる原発利権の歴代国会議員と電力会社と御用学者
鬼畜としか言い様のない、非人間的な奴ら。
ただ国内では下手な事書いたり言ったり出来ません><
2011/6/26(日) 午前 0:47
茶美さん、「危険厨」はきけんちゅうって読むんですか?そんな言葉ができてるんですねぇ…。
日本の豊かさがこういう犠牲の上に成り立っているということが2003年に言われていたわけですよ。その福島原発でこんな大事故が起きてしまって、海外からすれば「あーあ、だから言ったのに」って感じでしょうか。日本国内では脱原発と主張すると推進派に嫌がらせを受けるんですか?なんとも嘆かわしいです…。
2011/6/26(日) 午前 1:25
こんばんは。原発奴隷のこと、☆も知ったのは、福島の事故があってからです。
それまでは、全く知りませんでした。新聞も取り上げませんでした。たぶん。☆は割とお新聞を読むほうなので、、、。ヨーロッパでは原発の作業員は どうなっているのでしょうか? 日本では、高卒の人が 安全神話を叩き込まれて、現場に出されるようですね。もちろん、ホームレスの人々もです。先日、動画を見ましたが、本当に悲惨ですね。人間として生まれて、こうやって、苦しんで死んでいくのかと思うと、、、、そんな職場があるなんて、、、許せないです。日の当たらない職種、、危険極まりない職場、、そういうものを 事実を記事にして報道していかないと、国民は その上に胡坐をかいて、共犯者みたいになって生きていっていることになりますね。知ることはとても大事ですね。 ☆
2011/6/27(月) 午前 1:10
星降る子さん、そうですね。日雇いの人が狩りだされていることは聞いたことがありましたが、これほどまでにひどい状況だとは思いませんでした。30年以上活動をされてきた写真家の樋口さんは今、講演で引っ張りだこだそうです。事故が起きてから知名度があがるなんて複雑なご心境だと思います。
こういう事実を見ない、知らないフリをして、今まで通り普通に生活することが大事と「努力」している人っていったいなんなんでしょうか。今まではそれでも仕方がなかったけど、事故が起きてしまった今、無視し続けることはできません。事故収束のためにたくさんの日雇いの方がかりだされ、命をすり減らしてくれているはずですよね。そういう人たちの実情を知ることは大事なことだと思います。
2011/6/27(月) 午前 3:23
内緒さん、よくわかりませんが、肖像権の問題とかがあったのでしょうか?でもインターネットの内容をプロバイダーが勝手に消せるようにはなっているらしいですしね…。
被災地の報道については、取り乱している人や悲惨な状況を映さなかったのは一種の配慮だと思いました。あんな惨事だったのだから、みんなが落ち着いて耐えていたとは思えないのですが、テレビに映し出される人はみな忍耐強く冷静な印象でした。それが海外には忍耐強く礼儀正しい日本人として映りましたから、まったくマイナスではなかったかとも思います。プライバシーの問題もありますから、難しいですね…。
2011/6/27(月) 午前 3:24
「危険厨」はきけんちゅうって読みます。
どうしょうもない奴って意味で〜厨とか〜塵とよく書かれてます
原発がらみで危険厨は原発は危険なので廃止で、安全厨は原発推進派です
↓2chニュース速報板
http://hatsukari.2ch.net/news/
2011/6/27(月) 午前 8:55
おぼろげには想像していたけどここまでシステム化されていたとは!先日小出先生の講演の動画を見たばかりです。「原子力は最先端の科学技術と思われているが実は除染など労働者の手作業である」と。危険な場所の危険な作業をいくばくかのお金と引き換えに生身の人間にさせると言うのがとても野蛮で先進国とは思えませんね。怒!
2011/6/27(月) 午後 3:36 [ ref*e*_sign ]
茶美さん、ありがとうございます。日本語は新しい用語がたくさんできては使われなくなるので、だんだんついていけなくなってますw。
私は原発廃止派なので「危険厨」というわけですね。
2011/6/27(月) 午後 4:22
ref*e* signさん、生身の人間に、しかも貧困層の人を集めて危険を説明もせずにさせるなんて、信じられないことです。日本はロボット研究では高い技術を誇っているのに、「踊る美少女ロボット」とかオタクの道楽としか思えないものを作ってばっかり…。いくら美少女だろうが、上手に踊れようが人間にはかなわないんだから、人間ができないことをするロボットを研究すべきなのに。そういう研究をしているのが公的機関だったりするので呆れる一方です。
2011/6/27(月) 午後 4:26
すごいですね。海外からのレポートをこうして翻訳して頂き感謝申し上げます。
転載させていただきたいです。
2011/6/27(月) 午後 5:21 [ 孫のために ]
マミティさん、転載可に設定を変えました。でもできれば、この記事に対するマミティさんのご意見、あるいは関連した内容をマミティさんのブログで記事にして、TBという形にしていただくともっと人の目に触れるのではないかなーと思います。
いずれにしても、できるだけ多くの人に、原発の問題点について知ってもらいたいと思うので、TB、転載、コピペなんでもOKです。
よろしくお願いします。
2011/6/27(月) 午後 5:41
拝読させていただきました。
英文メディアで樋口健二氏のインタビューが出ていたことは知っていましたが、エルムンド紙クロニカからの
和直訳を読んだのは、これが初めてです。
遅まきながら転載させていただきます。
2011/6/28(火) 午後 1:51
亜州さん、転載よろしくお願いします。
こちら、「原子力帝国」に比べると取材が甘いと思われる部分もありますが(けっこう間違いと思われる記述あり)、そのようにスペインでは報道されたということでできるだけ原文の内容にしてあります。
2011/6/28(火) 午後 4:15
原発奴隷,原発ジプシーに触れることは,長く日本のタブーとなっていましたが,今回のメルトスルーで解禁のようですね。
全てが表に出ることに意義があります。
2011/7/18(月) 午前 1:41
クマ&ノコさん、ドイツではどうやら東欧からの労働者を使っていたようです。どこの国でも多かれ少なかれ似たような状況のようで、こうやってだんだん真実が表ざたになれば、脱原発は自然の流れのように思います。
2011/7/18(月) 午前 3:46
遅まきながら拝見してビックリです!。
今回の福島第一原発の3基の原子炉の事故のうち3号炉の核爆発は世界では既に周知の事実なのに未だに日本のマスゴミは水蒸気爆発と嘘をついています(ーー;)。
通常の作業から嘘の安全神話で固めて国民を謀って来た日本政府!!。
遅まきながら私もこの記事を転記させて頂きます。
一人でも多くの人にこの危険な原発と言う物の運用問題を考えて欲しい。
2011/11/4(金) 午後 1:29