去年の9月から今年の2月まで、チェロの先生がいなかったので独習していました。それまで習ってきたことを
復習したり、YouTubeなどを見て練習しようとしましたが、なかなか上手くいきませんでした。やはり楽器は
きちんと先生について習わなくてはダメなのかなと思い、新しい先生を探しました。
そして2月から半年ほど、新しい先生に習っていたわけですが、この夏にその先生が引っ越してしまって、
またまた「先生なき子」状態になってしまいました。前回の経験から、独学は無理だから、できるだけ早く
チェロの先生を探さねば、とは思っていましたが、気がつけばこの半年間、ほとんど弓の持ち方の矯正だけ
で終わってしまった感もあり、モティベーションは下がりまくり。会社の近くに音楽学校があるので、そこに
習いに行こうと思いつつ、高いレッスン代を払う意味が自分でわからなくもなり…。でもこのままだと、
せっかく始めたチェロを投げ出しかねないから、なんとかしなければ…。
と、あれこれ心の中で葛藤しながら、音楽学校の始まりは9月なのでそれまでは、とりあえずネットでチェロに
関する動画やサイトを見たりしていました。楽器はやっぱり直接習わないとダメ、とは思いつつ、オンライン
レッスンなんかも試しにやってみてもいいかなぁ、などと思い始めていました。一ヶ月30ユーロほどで、
レッスンビデオ見放題、自分の演奏を動画に撮って送ると、先生がそれにコメントしてくれる、なんていう
オンラインレッスンもありました。で、たまたま見つけたのがJonathan Humphriesという人のYouTube
チャンネルでした。Jonathanはアメリカ人のチェリストで、チェロを学ぶための動画をいっぱい配信しています。
とりあえず彼の動画をあれこれ見てから、今後どうするか考えることにしました。動画には、楽譜の読み方や
チェロの構え方、弓の持ち方といった基本的なものから、具体的な演奏技術を教えるもの、そして練習や
演奏する際の心構えのようなトークものもあります。そのトークものの動画の中で彼は、チェロを習うためには
長期的な目標、例えばいつか白鳥を弾けるようになりたい、といったものではなく、もっと「短期間の目標、
数週間、あるいは数ヵ月単位での目標をはっきりさせる」ことが大事だと言っていました。
それを聞いて、ドキッ。そんな目標も持たず、ただダラダラとレッスンを受けていた私…。弓の持ち方が
なかなか治らず、だんだん楽しくもなくなって、ただ惰性で通っていただけ、だったかも。そもそもチェロは
趣味なんだから、「楽しむ」ことがまず大事なはずなのに、なんだか苦行みたいになちゃっていたかも。
何が弾きたいか、何をマスターしたいか、といった具体的な目標なんていっさい持たずに、ただレッスンを
受けていても、上達なんてするわけないですね…。ある意味、目からウロコでした。
そもそも、3年間先生について高いレッスン代を払っていたにも関わらず、弓の持ち方がずっとおかしかった
わけで…。直接習った方がいいのかもしれないけど、直接習っていたって、結局ダメだったってこと。超基本
的なことからオンラインで習うのは難しいかもしれないけど、幸いそういうことは先生について習ったので
これから先はオンラインでもある程度はいけるかもしれない、とJonathanの動画を見ていたら思えるように
なりました。動画は何度でも繰り返し見ることができるし、それよりも何よりも彼の教え方は上手だし、トークも
面白いので、頑張って練習してみよう、という気になります。問題は、正しくできているかを自分ではチェック
できない、ということですが、まぁ、そもそもプロになるわけでもないし、そこの部分は不定期でレッスンを
してくれる先生を、今後探すなりして対応すればいいかな、と。
個人レッスンを受けている時って、先生の視線があるので、なんていうか縮こまっちゃうというか、上手く
弾けないと緊張してしまう、緊張してしまうから上手く弾けない、の繰り返しでした。動画だったら誰かに
見られてる、というのがない分、失敗しても平気だし、伸び伸び弾けて、何度もトライできるというメリットが
あることに今さらながら気がつきました。
今は、とりあえず持っていた教本に載っていた曲と、Jonathanが動画で解説している曲を2曲を練習して
いますが、久しぶりに楽しく弾けています。自分一人だから、超ノリノリになって弾いたりして、それが
楽しい。先生がいたら、ちょっと恥ずかしくてこうは弾けないかもしれない、って考えたら、動画見ながらの
独学も悪くないかも、なんて思えます。結局は自分のヤル気次第。そして、いかにそれを引き出して
もらえるか。先生という存在が重要なのはそこのところなのかもしれません。
Jonathanの動画で、心に響いたものの一つがこちらです。
ちなみに、私は多分普通より手が小さい(指が短い)ので、どうしても指で押さえる位置がずれてしまいます。
位置がわからないからではなく、かなり無理して開かないと届かないからです。そのためにテープで印を
つけていたのですが、今まで習った先生には「もういい加減取りましょう」と言われて、マイチェロこと
お蝶夫人は印ナシでした。でもJonathanの動画で、印は位置を覚えるためではなく、指と指の間隔を身体に
覚えさせるためのもの、という説明がありました。無理なく指が開くようになるまで、印があった方がいいと
思ったので、「4年も習っていたら印は卒業しないとダメですか?」と質問してみました。そしたら、すぐに
返事が…。
If your tapes inspire confidence, then keep them. When they hinder, not help you
progress, it is time to let them fall off. You will know when the time is right, not your
teacher. Everyone of my students have found the right moment, on their own, when
the tapes come off. A good teacher will push you to play with more confidence, tapes
or no tapes, so when that day arrives and the tapes are more nuisance than need,
it will feel right.
というわけで、また復活させちゃいました。楽しく弾けることが大事なので、ね。