長距離列車に乗っていたときのことです。通路を挟んだ隣の
席から二人の女性の話し声が聞こえました。ふと見ると
一人は30代くらいの女性、そうしてもう一人は70近いと
思われる老婦人でした。会話の内容が聞き取れたわけでは
ないのですが、老婦人の話し方がずいぶん若々しく、はっきり
していたので、てっきり同年代の女性二人が話しているんだと
思ってびっくりしたのでした。
二人はたまたま隣同士に座った他人のようで、しばらく話した
後、若い方の女性は持っていた本を読み始めました。老婦人は
バッグから小さなノートを3冊出して、なにやら書き始めました。
何を書いているかはわかりませんでしたが、2冊のノートに
書かれていることを参照しながら、もう一冊のノートにまとめて
いるようでした。一つの文章を書き終わると別のノートに斜線を
引いていて、なにやら確認作業をしている風でもありました。
「日記を書いているのかな?それともこの人、作家なのかな?」と
私は勝手に想像していました。
時々この老婦人は隣の女性や前後に座っている乗客と会話を
交わしていました。話している内容がわからないのにこんな
ことを言うのはおかしいかもしれませんが、声や話し方だけ
聞いていると彼女が老婦人だとはまるで思えませんでした。
顔には確かに皺が刻まれているのに、なんだかとっても若々しく
さえ見えました。会話が終わるとまたノートになにやら書いて
います。ドイツ人の筆跡はとても読みにくかったりしますが、
彼女の筆跡は小さくてかわいらしく丁寧なものだということが
遠目からもよくわかりました。
ちっとも年寄り臭さを感じさせないこのご婦人。彼女の若さの
秘訣は、もしかしたら手を使って書くことにあるのかもしれない
と私は思いました。今はパソコンや携帯メールなどで文章を書く
ことが多いので、手で文字を書く機会がとても減っています。
脳の活性化のためにも「書く」という作業はとても大事なのかも
しれません。思い込みが激しくて、影響されやすい私は、次の
日からバッグに小さなノートを入れて持ち歩くことにしました(笑)。
ところで、手を使うことと言えば、昨日、モザイク教室に行って
目地を塗る作業をしてきました。その後、一日ほどおいて乾燥
させ、最後にお目目を入れて出来上がったのがこれです。かなり
不揃いでいびつですが、記念すべき第一作目の完成です。
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