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日本にいた頃、船の会社に勤めていたことがあります。船の名前には地名や人名が 使われることが多く、例えば「Hamburg ○○○○」とか「△△△△ Mazellan」という ような名前の船がありました。たいていは知名度の高い名前が使われますが、例えば 「○○ Hoorn」のようにちょっと見ただけでは「何?角って?しかも o が一個多いし」 なんて思ってしまうようなものもあります。そんなマイナーな船に「Hoechst ○○○○」 というのがありました。そもそもなんて読んだらいいのかすら、わかりませんでしたが、 同僚がみんな「ヘキスト」と発音していたので、私もそう言っていました。 この Hoechst(あるいHöchst)は いったいどこにある街なんだろうと思っていたの ですが、なんとドイツに移り住んでから、それがフランクフルトの地区名であることが わかりました。普通はロンドンとか、トーキョーとか、あるいは首都ではないにしても ロッテルダムとかアントワープとか、ある程度馴染みのある有名な街の名前が使われる のに、このヘキストって…。どうやら昔は独立した一つの街だったようですが、今では フランクフルトの一部です。なんでこの地名が船名に選ばれたのでしょうか…。 この地名の発音は全然「ヘキスト」ではなく、カタカナで書くとしたら「フースト」に近い 感じになります。(英語「high=高い」の最上級highestのドイツ語バージョンです)。 マイン川沿いの古い街並みの残る地区ですが、今はトルコ人移民が多く住んでいて、 ちょっとすさんだ感じがします。街には Bolongaropalast と呼ばれる宮殿風の建物が ありますが、それ以外はこれといって見どころもなさそうな感じです。 こちらがその Bolongaropalast です。タバコ取引で成功したイタリア系商人が建てた もので、個人が建てたバロック式建物では最大だそうです。 いろいろ調べてみると、Hoechstはその昔、化学系の会社と焼き物で有名な街だったことが わかりました。化学系の会社というのは、その名もヘキスト A.G. といい、その昔「死の商人」と 呼ばれた化学産業トラスト、イーゲーファルベンを構成していた一社です。戦後、解体されて ヘキスト A.Gは Hoechstの地に再建されました。イーゲーファルベンを構成していた会社には 他にアスピリンで有名なバイエルやフィルムのアグファなどがあります。 さて、焼き物のほうはというと、Hoechst はマイセンの次にできたドイツで二番目に古い窯 なんだそうです。ヨーロッパではマイセン、ウィーンに続いて3番目です。とはいっても当初は 磁器もどきしか作れず、何度も倒産を繰り返し、華やかなマイセンの歴史に比べるとなんとも 地味な感じです。現在はホテルやレストラン向けに注文製造をメインにしているようで、知名度 もマイセンの足元にも及びません。でも磁器のコレクターには意外と幻の窯として、レアもの 扱いされているようです。 Hoechstって何?なんて思っていましたが、実はちょっとした歴史のある街でした。 街角にはこんなお店がありました。
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