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先週の土曜日に行ったジオラマ展は、想像をはるかに超えた作品ばかりで、なんだったんだろう?という
余韻が残りました。気を取り直して、日曜日はフランクフルトが誇る Städel Museum (シュテーデル美術館)に
マティス&ボナール展を見に行きました(実はこっちがメイン)。
マティスは、多分ジャズと呼ばれる色紙を使った切り絵のシリーズが有名ではないでしょうか。それ以外の
作品はほとんどが初めて見るものばかりでした。
マティス 「ジャズ」より<イカルス> 時代、スタイル的には後期印象派の影響を受けた、フォービズム(野獣派)の画家だそうです。印象派が
有名すぎて、素人にはなんとなくあまり馴染みがないというか、てっきりこの「ジャズ」のような切り絵の画家
なのかと思っていましたが、カットアウトと呼ばれるこの手法を取り入れるようになったのは晩年のこと。
マティスは、線の単純化と色彩の純化によって、作者の個性や感情が伝わる表現を探求し、表現主義とも
呼ばれる近代美術(前衛美術)を切り開いた画家で、ピカソと並んで20世紀初頭の革新的な芸術家の一人
に数えらているそうです(ピカソの方が圧倒的に有名な気がしますが…)。
と、蘊蓄を傾けてみても、芸術センスに乏しい私には、彼の絵を見てもあまり心に響くものは感じられず、
ジャズシリーズを見て、「あぁ、これかぁ」と思った程度でした(情けない…)。でもこればっかりは感性というか
好みの問題ですから。芸術を専攻したわけでもないし、まずは好きか嫌いか、いいと思うか、思わないかと
いう単純な見方でいいんじゃないの?と思っています。
ボナールについては、名前は聞いたことがある程度、ほとんど何も知りませんでした。日本美術の影響を
受けているそうで、そのせいかなんとなく画風に馴染めました。ポスト印象派とモダンアートの中間点に位置
するナビ派の画家だそうです。
マティスとボナールは友人として長い間交流があり、今回の展示では同じモチーフの絵を比較したりして
いました。しかし私の目を引いたのは、そういうことよりも…。
猫が描かれている絵が多いこと。
ボナールという画家は絶対猫好きだったに違いない、と確信しました。
この絵もボナールの作品。左側に犬も描かれてはいますが、なんていうか、猫の描写とは違って表情もなく
単に物体としてしか捉えられていない感じがしました。右下に描かれている猫2匹は、それぞれ猫らしさが
出ています。白いチビ猫なんかは背中を向けてはいますが、どういうしぐさをして目の前の女性を虜にして
いるのかが目に浮かぶくらい。そして目を細めてくつろぐ手前の大猫。いるいる、こういう猫〜。
マティスとボナールの絵を見比べて、私は圧倒的にボナール派になりました。
シュテーデル美術館の常設展にある作品で、私が気に入っているのは Max Beckmann (マックスベックマン)
の絵です。ベックマンはマティスやボナールよりやや後に生まれていて、ドイツ表現主義の画家、という位置
づけです。ベックマンが好きな理由も単純で…、
後ろの建物はフランクフルトの中央駅。
その手前にさりげなく、というかこれ見よがしに黒猫。
フランクフルトの黒猫と言えば、カナ猫ですから
この絵が気に入らないはずはありません(笑)。
こちらもフランクフルト、どこかはわかりませんが
シナゴーグが描かれています。
でもベックマン自身はユダヤ人ではないらしいです。
不自然なポジションにやはり堂々と猫。
正直、そこに猫がいる意味がわかりません(笑)。
わかるのは、この人も猫好きだったに違いない、ということ。
と、なんとも単純すぎる芸術鑑賞の仕方ですね…。友達のお母さんは美大卒で、美術館に行ったら一日中
そこにいても飽きないそうです。私は芸術的感覚が全然研ぎ澄まされていないので、一日いたら絶対に
飽きます。興味のない絵はすっとばします。宗教色が濃い絵はキライです。どこかの美術館に行ったら、まず
そこが所有している有名どころの作品を見るタイプです。たいていは「この絵の何がすごいのか、全然
わからない」と思いながら、とりあえず有名だから見る、という感じです。芸術好きの人にはあり得ない鑑賞
方法かもしれませんが、感覚が鈍いので仕方ありません。それでも美術館に行くのはけっこう好きだし、
こんな風に猫が描かれている絵を見るのはかなり楽しいです。
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2017年10月29日
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