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大人になってチェロを習い始める(日本)人というのは、意外にもけっこういて、そういう人たちが情報を交換
するサイトもあります。私もメンバー登録をし、時々そのサイトを覗いたりしています。メンバーは約70人で、
海外在住の人も数人います。たいていはピアノやバイオリンなど他の楽器をやっている、あるいは過去に
習った経験がある人で、楽器といえば小中学校でリコーダーを習っただけ、楽譜もろくに読めない、という人
の方が少数派のようです。他の楽器が演奏できる人だと、チェロを習い始めて3年くらいで、すでに人前で
「白鳥」を演奏したりすることができるようです。
様々な練習の方法とか、チェロ用の弦や松脂はどれを使ったらいいかとか、あると便利なアクセサリー情報
などが得られるのは大きなメリットなのですが、ついつい他の人のレベルと比較して、不必要に落ち込んで
しまうというデメリットもあります。だからこのサイトはあまり頻繁には覗かないようにしています。そもそも他の
楽器の演奏はプロ並みかもしれない人とでは、スタート地点が違うんですけどね。そうわかってはいても
やっぱり「3年で白鳥」なんていうのを知ってしまうと、「それに比べて私ったら…」と思ってしまいます。
どうやら日本では、チェロを習う、というとスズキと呼ばれる教本を使うのが定番のようです。私は、と言えば
最初の3年ほどは「Cello mit Spaß und Hugo(フーゴと楽しくチェロ)」という子供向けの教本を使っていました。
イラスト満載の、昨今ありがちな「楽しくないと続かないしね」的なゆとり重視の教本で、短調な基礎練習の
繰り返しという感じではありません。一巻、二巻と終え、三巻目に入ろうというところで、最初の先生との
レッスンは終了してしまいました。それなりに楽しく続けられはしましたが、二巻をかなり飛ばし飛ばしに
やったせいもあって、気がついたら基礎力がほとんど養われていませんでした。
スズキは8巻くらいまであるらしいのですが、あるメンバーさんが「3巻まで終えたところでドッツァウアーに
入りました、とサイトに書き込みをしていました。ドッツァウア―?響きからしてドイツ語っぽいです…。
さっそく調べてみると、そのドッツァウア―というのは、
「J.J.F.ドッツァウアーの「113の練習曲集」は世界中でチェロを学ぶほとんどの人が使うエチュード。」
だそうです。モダンな装丁の日本語版もありますが、オリジナルはこんな感じ。
おぉー!!いかにもドイツっぽいこの地味な表紙。「これをやったら基礎力がしっかり身につきます」感を醸し
出しているではありませんか。それに比べて私が使っていた「フーゴと楽しく…」はこんな感じ。(第三巻は
ほとんど手をつけていません)。
これはどう見てもドッツァウア―を始めた人と差が開きそうな感じ、ですよね。他人と比べたって仕方ない、と
いうのは頭ではようくわかっていても、これじゃヤバいんじゃないかと気持ちが焦ります。なにしろ「世界中で
チェロを学ぶほとんどの人が使うエチュード」です。なんとも格式高そうなドッツァウアーが羨ましく思えて
なりませんでした。
さて、最初の先生は日本に帰ってしまったので、2月から新しいドイツ人の先生にチェロを習っています。今の
ところ教本は使わず、先生が選んだ曲の楽譜をコピーさせてもらって、練習しています。先週、二ヶ月以上
かかって、J.A. Hasseの「Bourree」という曲を終わらせました(←聴くに堪えられるレベルで通して弾けるよう
になった、という意味)。先生自身も8歳の時にこの曲を発表会で弾いたことがあり、曲名で検索すると子供
のチェロの発表会などの動画がいくつか出てくるので、どうやらヨーロッパでは定番の曲のようです。 Bourreeと並行して、途中からJohann Melchior Molterの「Konzert für Violoncello und Orchester in C-Dur」
という曲も練習しています。多分これも先生が習ったことがある曲なのでしょう。これもやってみましょう、と
楽譜を見せてもらった時、正直「えー、絶対無理でしょ」って思いました。「フーゴ」と比べると、楽譜が
どう見ても細かすぎるし、途中からわけのわからない記号が出てきていてチンプンカンプンでしたから。
でもゆっくりやれば少しずつできるようになっていくんですね。わけのわからない記号というのはハ音記号の
ことで、楽譜のところどころでヘ音⇔ハ音に切り替わっています。見ただけでささっと頭も切り替えられる、
なんていうのは一生かかっても無理そうですが、どのポジションでどの指を使えばいいか、一つ一つ書いて
もらい(あるいは自分で書き)、それを身体に覚え込ませればなんとかなります(といっても聴くに堪えられる
レベルにはまだほど遠い)。そのチャレンジングなところがけっこう楽しかったりもして、練習に力が入ります。
ちなみにこの「Konzert für Violoncello und Orchester in C-Dur」はプロが弾くとこんな感じです。
最初の曲Bourreeが終わったので、新しい曲を始めましょうということになり、これはどうでしょうと先生が
見せてくれたのがなんと、あの ドッツァウアーでした!!!まさに上の写真にある地味で厳かな表紙。
おぉー!!いかにもドイツっぽくて、味気の無い練習曲が満載されていそうな見てくれです。思わず、私でも
ドッツァウアーをやれるんですか?などと聞いてしまいました(笑)。
コピーしてもいいし、楽譜本を買ってもいいですよ、ととりあえず先生のを貸してもらいました。羨ましかった
ドッツァウアーを手にすることができ、なんだかとっても嬉しくて足取りも軽やかに家に帰りました。これはもう
買うしかないでしょ、密林で14.80ユーロなり。と思ったんですが、ドッツァウア―さんは19世紀の人なので、
もう著作権がどうの、とかないらしく、ネットから丸ごと無料でダウンロードできました。とりあえずその都度
印刷して使うことにします。でもやっぱりいかにもドイツっぽい表紙の楽譜本が欲しくなっちゃうかなぁ(笑)。
頑張るぞー、ドッツァウアー!!!
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