ドイツの生活 Mein Leben in Deutschland

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Rentner

私の小学校の先生は今年83歳。11年前に亡くなった私の父とほぼ同じ年代です。父の家は裕福では
なかったので、父の兄弟姉妹(合計何人いたのかわかりません…)はみんな義務教育しか受けていません。
中学を出たら働きに出なければならなかったからです。父も中学を卒業した後、炭鉱で働いていたそうです。
兄弟姉妹の中で唯一勉強好きだった父は、夜間高校に通い、4年間かけて卒業しました。その後、何年か
経って上京し、最終的に公務員になりました。父の姉妹たちはみな准看護婦として働いていました。他の
兄弟はいわゆる単純労働者でした。中には結婚詐欺もどきだった人もいたようです(笑)。

私の同年代の友達の中には親に「女だから短大で十分」などと言われて、4年制の大学に進学できなかった
人が何人かいました。それなのに、父の時代に女ながらに大学に行って、学校の先生になれた人って、相当
経済的に恵まれていたんだろうな、と今更ながら想像します。

私が小学生だった頃、その先生は赤いフェアレディZで通勤していました。その頃はなーんとも思いません
でしたが、今思うと、やはり経済的にかなり恵まれていたんだなぁと…。当時、我が家には自家用車なんて
ありませんでした。

大学を卒業してから定年まで教師として働き続けることは大変なことです。23歳から60歳まで、37年間…。
でも37年間働いて、60歳で引退し、その後23年間、年金生活をしているわけです。あっちの温泉のお湯が
いいだの、どこのバラ園が見ごろだの、と日本各地を飛び回ってはFBに写真をアップしています。83歳で
FBを利用している、というのはすごいなと思います。でも、37年間働いて23年間遊んで暮らせるもの、なの
でしょうか?年金制度が破たんするのも当たり前っていうか、そもそも最初から無理がある気がします。逆に
私の父なんて、払った年金のモトもろくに取らずに逝ってしまったわけですよね。

その先生の誕生日に、昔の同級生は「いつまでもお元気で」とか「これからもますます元気に」などという
メッセージを書き込んでいましたが、私は何も書けませんでした。その先生がどうの、ということではなく、
長い生きをするってことはそれだけ社会に負担をかけることだなって考えてしまうからです。高齢になれば、
もちろん身体のあちこちに問題が出てくるので、フルタイムで若い頃と同じように働くのは難しいです。でも
元気なら、あっちこっち旅行だなんだって遊んでばかりではなく、少し社会に貢献するべきではないかしら。

老後は遊んで暮らす、あるいは働かずに好きなことだけして暮らすことを夢見ている人が多いかと思いますが、
果たしてそれで充実感を得られるものなのでしょうか?人や社会のために役に立っていると実感できること
で自分の存在価値を見出せるもの、じゃないのかな?物価が安い南の国に移住してのんびり暮らしたい、
なんて語る人とかいますが、言葉もわからない国に行って、知り合いもいなくて、病気にでもなったらどうする
の?とか思ってしまいます。南の国でのんびり、は普段一生懸命働いて、休暇で一息つくから、いいので
あって、それが日常になったら、退屈だし、スペシャル感もなくなっちゃいます。

私が考える高齢者を大事にする社会とは、高齢者が遊んで暮らせる社会のことではなく、高齢者がいくつに
なっても参加できる社会のことです。年齢や体力や経験に合わせて、いろいろな仕事ができる社会。
ボランティアでもいいけど、きちんとした報酬を得られればそれが生きがいに繋がっていくし、単なる自己
満足にならないためにも報酬はあった方がいいと思います。学校の先生をしていた人なら、例えば学習塾とか
放課後の学童保育などで活躍できるんじゃないかしら。父みたいに手先が器用な人は、子供たちに竹トンボ
とか折り紙なんかを教えられたかも。私だったらずっとヨガを教えていきたい。あと楽器とかを誰でも気軽に
習える場を作るとか、いつかニュースで見た「注文を間違えるレストラン」的なプロジェクトがもっとあって
いいと思います。






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