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原発ジプシーたち 原子力発電所での仕事を請け負うホームレスたちは「原発ジプシー」として知られています。この名前は、 病気で倒れるまで、もっとひどい場合には見捨てられて死ぬまで原発から原発へと仕事を探す放浪生活を 表しています。「貧困者の雇用は政府の黙認があるから可能なのです」と人権に関するいくつもの賞を受賞した 樋口健二氏は嘆きます。 日本の当局は50ミリシーベルトを一年間の許容放射線量と定めています。他の国の多くが5年間に100ミリ シーベルトとしているのをだいぶ上回っています。理論上は原子力発電所を管理する会社が上限の放射線を 浴びるまで浮浪者たちと契約します。その後「健康のため」に解雇し、また路上に送り返します。現実は何日か あるいは何ヶ月か後に、同じ労働者が別の名前で雇われます。このような方法でのみ、たくさんの雇用者が ほぼ10年の間に許容量の何百倍も多い放射線量に曝されたということが説明つきます。 長尾光明氏は職場で撮影された写真をまだ持っています。いつもは着ていなかった防護服を着て、病気になる まで5年間働いた(福島)原発の除染作業を始める数分前に撮られたものです。現在78歳で、原発ジプシーたち の間で最もよくある病気、骨の癌を克服するために5年間の治療を受けた後、長尾氏は原発管理会社と日本 政府を訴える決意をしました。奇妙なことに彼は日雇いのホームレスではなく、現場監督として彼らに指示を していた人なのです。「大企業の仕事の背後に悪いことなんて起こるはずないと思っていました。でもこれらの 会社はその名声を人を騙すために使い、健康を害するとても危険な仕事のための人材集めをする。」と長尾氏は 悲嘆します。長尾氏は許容量を超えた放射線に曝されたせいで半身が付随になってしまいました。(注3) 30年以上の間、樋口健二氏は何十人もの原発の被害者にインタービューをし、彼らの病気を記録し、彼らの 多くがどう最期を迎えるか、死を前にしてどうベッドの中で衰弱していくのを見つめてきました。不幸な人たち の苦しみを間近に見てきて、調査もするようになったこの写真家は、恐らくそれだからこそ間接的にホームレス と契約をする多国籍企業名を挙げることに抵抗がありません。東京の自宅にある事務所に座って、白い紙を 取り出して書き始めました。「パナソニック、日立、東芝…」 ヒロシマとナガサキ 労働者の出身や健康状態などの管理をする責任を持たないシステム内で、企業は他の会社を通じてホームレス と下請けの契約をします。日本で起きている一番の矛盾は、核エネルギーの誤った利用がもたらす結果を世界 で一番知っている社会であるのに、このような悪習がほとんど抗議もなく行われているということです。1945年 8月6日、米国はそれまで無名だった町ヒロシマに原爆を投下し、一瞬にして50000人の命が奪われました。 続く5年の間に150000人が放射線の影響で亡くなりました。歴史は数日後にナガサキに2つ目の原爆が投下 されることで繰り返されました。 あの原爆の影響と原発ホームレスたちが受ける放射線量をもとにして、ある研究報告が日本の原発に雇われた ホームレスの労働者10000人ごとに17人が「癌で亡くなる可能性100%」であることを明らかにしました。さらに 多くの数の労働者が同じ運命をたどる「可能性が大」で、何百人もが癌になるだろうということです。70年代から 300000人以上の臨時労働者が日本の原発に雇われてきたことを考えると、藤田教授と樋口氏は同じ質問を せざるを得ません。「何人の犠牲者がこの間に亡くなっただろう?何人が抗議することなく死を迎えただろう?」 「貧しい人たちの犠牲にして、日本の裕福な社会が消費しているエネルギーをいつまで容認するのだろう?」 政府と企業は、誰も原発で働くことを強いられていない、そして雇用者は誰でもその気があれば辞められるという ことを確言し、自分たちを守ります。日本の労働省のスポークスマンは「人々を放射線に曝す仕事があるが、それ は電気供給維持のために必要である」とまで言いました。 ホームレスたちは間違いなく、そのような職に就く覚悟ができています。原子炉の清掃、あるいは漏出があった 場所の除染といった仕事は一日で、建築現場の日雇いの仕事の倍額が支払われます。それにどちらにしても、 建築現場に彼らの仕事はありません。多くは新しい雇用によって、再び社会との結びつきを持つことや家族の 元に戻ることを夢に見ます。一度原発に行けば、彼らの運命が数日後に捨てられる人になることであると気付く のにそう時間はかかりません。 さまざまな犠牲者の証言によると、危険区域に入る際に放射線量測定器を持って入ることが普通ですが、現場 監督に操作されていることがよくあるそうです。もし大量の放射線を浴びたことを知られ、他の人に替えられる のを恐れて、自分で状況を隠すホームレスがいても不思議ではありません。「放射線量が高くても、働けなく なるのを恐れて誰も何も言わないよ。」と東京・上野公園にいたホームレスの一人である斉藤氏は言います。 彼は‘原発のいろいろな仕事’をしてきたことを認めています。 原発で働くための訓練と知識が不足しているせいで、もし従業員たちが適切な指示を受けていたら避けられる 事故が頻繁に起こります。「誰も気にしない。もし誰かがある日仕事に来なくなっても、そのことを尋ねる人が いないから、彼らが使われるんだ。」と樋口氏は言います。労働者が病気になり、原発内の医療センターあるい は近所の病院に行くと、医者は組織的にその患者が受けた放射線量を隠し、「適性」と書かれた証明書つきで 再び仕事場に送り返します。希望を失ったホームレスたちは、日中はある原発で働き、そして夜は他の原発へ と到着します。 この2年間、藤田教授と樋口氏のおかげで、病気になった人たちの何人かは説明を求め始めました。しかし ながら大半の人にとって抗議することは選択肢ではありません。二人の原発奴隷、村居国雄氏と梅田隆亮氏 は、いろいろな機会に日雇いとして働いた後で大きな病気にかかりました。下請け契約会社を操るヤクザの グループの一つが彼らを殺すと脅してきたため、訴訟を取り下げなければなりませんでした。 毎日の輸血 大内久さんは、1999年に日本に警告を放った放射能漏れ事故が起きた時、東海村の原子力発電所の燃料 処理施設内にいた3人の従業員のうちの1人です。彼は許容量の17000倍もの放射線量を浴びてしまい ました。病院で、毎日輸血、皮膚移植を受け83日後に亡くなりました。 労働省は国内の原子力発電所すべてを大々的に検査しましたが、発電所の責任者は24時間前に警告を受けて おり、そのためにたくさんの不正を隠すことができました。それなのに、発電所17か所のうち、たった2か所しか 検査に通りませんでした。それ以外のところでは、従業員の知識不足、従業員を放射線に曝すことへの管理 体制の欠如、そして法的な最低限の医療検査の不履行といった違反が最大25個も見つかりました。それでも、 ホームレスの人材募集は続いています。 松下氏と他の10人のホームレスが案内された福島原発は路上の労働者と契約するその組織的なやり方を 何度か告発されています。慶応大学の科学者藤田祐幸助教授は、1999年に原発責任者が原子炉の一つを 包囲する石棺を再開するために1000人ほどの人材を募集したことを確認しています。福島で働いて2、3 年後、松下氏は「さらに2、3の仕事をした」ことを認めています。それと引き替えに、彼は唯一残っていたもの を失いました。健康です。髪の毛が抜け始めて数カ月になり、その後倦怠感に襲われ、さらに退行性疾患の 症状が出てきます。「ゆっくりとした死が俺を待っているそうだ」と彼は言います。 注3: 原文では「タハツセ」原発の除染作業と書かれている。
(長尾氏が多発性骨髄腫を罹患したことを原発名称と勘違い?)
美浜の会の和訳では、半身付随ではなく「歩行が困難」となっている。 |
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環境先進国(?)ドイツにおける様々な取り組み。2011年3月11日以降は「脱・反原発」が中心になっています。
先日、私のブログに載せた「原子力帝国」という記事に寄せていただいたコメントで、この 「原発奴隷」という記事の存在を知りました。2003年にスペインのエル・ムンド紙の別冊 クロニカに掲載された記事です。 美浜の会のHPにすでに和訳が掲載されていますが、自分で内容を確かめてみたかったので訳して みました。一部取材間違いと思われるところがあったので、注を入れてあります。出典:Mendigos, esclavos nucleares en Japon, Cronica - Un suplemento de EL MUNDO 調査報告/原子力発電所の秘密 日本の原発乞食、原発奴隷 日本の企業は原発の清掃員として貧しい人を集めます。その多くは癌で亡くなっています。エル・ムンド別冊 クロニカ紙はこの信じられないスキャンダルの主人公たちに話を伺いました。 東京特派員 ダビ・ヒメネス 何も失うものがない人のために、福島第一原発にはいつも仕事があります。都内のある公園で、二人の男が 仕事を斡旋するために近寄ってきた時、松下氏は段ボール箱4つで作った住処で眠っていました。特別な能力 は何も要らない、前職の建設現場での日雇いの倍の賃金を払ってくれる、48時間で終わる。二日後、この破産 した元重役だった男と他の10人のホームレスは、首都から北へ200kmのところにある発電所に連れて行かれ ました。そして清掃員として登録されました。 「何を清掃するんですか?」監督者が防護服を配布し、彼らをシリンダーの形をした巨大な金属の部屋に案内 した時、誰かが尋ねました。部屋の内部の温度は30〜50度の間で変化し、湿度もあって、清掃員たちは息を 吸うために3分おきに外に出なければなりませんでした。放射線量測定器はあまりにも上限を超えすぎるので、 壊れているに違いないと思いました。一人、一人と男たちは顔を保護していたマスクを外しました。「ゴーグル のガラスが曇って見えなかったんだ。仕事を時間通りに終わらせないと、一銭も払ってもらえないんだ。」 53歳の松下氏はそう回顧します。「仲間の一人が近づいてきて言った、俺たちは原子炉の中にいるんだって。」 福島原発で働いてから3年後、東京、新宿の公園に、日本語が書かれた黄色い張り紙が張られ、ホームレス たちに原発に行くなと注意を呼びかけました。「仕事を請け負うな、殺されるぞ」と書いてありました。多くの 人たちにはこの忠告は遅すぎました。日本の原発での最も危険な仕事を遂行するために、ホームレスや非行 少年、外国人や貧乏人を募集することは30年以上も習慣的に行われてきました。それは今日も続いています。 慶応大学の物理学教室の藤田祐幸助教授によれば、この30年の間に700から1000人のホームレスが 亡くなり、何千人もが癌に侵されているということです。 完全なる秘密 原発奴隷は日本で厳重に守られている機密の一つです。この国の主要な企業のいくつかが関与していること、 電力会社のために浮浪者を探し、選び、契約する役目を担っている恐るべきヤクザのことを知っている人は 少ないのです。「ヤクザが仲介しているんです。会社はこの仕事1日につき30000円を払う。でも請け負った人 は20000円しかもらえない。ヤクザの手元にその差額が入る。」と樋口健二氏は説明します。彼は、この日本 のホームレスたちのドラマを30年間調査し、写真で報道している日本のジャーナリストです。(注1) 樋口氏と藤田教授は毎週浮浪者たちのたまり場を訪ね回り、起こりうる危険に彼らが遭わないよう、そして彼ら の事例を裁判所に訴えるよう薦めています。樋口氏はカメラで、−彼はこの写真レポルタージュの作者です − 藤田助教授は放射能の影響の研究で、日本政府に、多国籍エネルギー企業に、そして人材募集のネットワーク に挑んでいます。その意図は、70年代に静かに始まり、原子力発電所の操業のために貧しい人の雇用に依存 しているところにまで拡大している悪習を止めることにあります。「日本は現代的な国であり、日のいずる国 です。でもこういう人たちにとっては地獄であるということも世界に知ってほしい。」と樋口氏は語ります。 日本は、第二次世界大戦で廃墟となった国から世界でもっとも進んだ技術大国として、20世紀にもっとも見事な 変化を遂げた国です。その変化は電力の需要を高め、日本という国を世界で最も核エネルギーに依存する国の 一つにしました。 70000人以上が日本全国にある17の発電所、52の原子炉で常時働いています。より技術的なポジションには 電力会社の正規雇用者がいますが、従業員の80%以上が特別な教育を受けていない労働者や、社会の最も 恵まれない層の臨時雇用者です。ホームレスたちは、原子炉の清掃から漏洩が起きた時の除染、あるいは技術 者が決して近づこうとしない場所での修理作業などの最も危険な仕事のために予約されているのです。 嶋橋伸之氏は、1994年に亡くなるまで、約8年間このような仕事のために使われてきました。この若者は、大阪 の貧しい家庭の出身で、高校を卒業すると、日本で2番目に大きな静岡県の浜岡原発での仕事の話を持ちかけ られました。「何年も気づきませんでした。私の息子がどこで働いているかも知りませんでした。今、息子の死は 殺人だということがわかりました。」母親の美智子さんは嘆いています。(注2) 嶋橋夫妻は、伸行さんを苦しめた血液と骨の癌が原子力発電所の責任であると訴え裁判で勝訴した最初の 家族です。伸行さんは2年間も病床につき、耐え難い痛みの中でその生涯を閉じました。29歳でした。 原子力産業における最初の悪習が発見されても、貧しい人の人材募集はなくなりませんでした。誰の代理なのか わからない男たちが、起こりうる危険を隠してホームレスを騙し、仕事を斡旋するために東京や横浜や他の町の 公園を訪ね歩きます。原子力発電所は毎年少なくとも5000人の臨時雇用者が必要で、藤田助教授は少なくとも その半数がホームレスだと考えています。 日本の街角で、貧しい人が珍しかったのはそう昔のことではありません。今日、そのような人に出くわすことは 難しくありません。原子力発電所は余剰労働力を当てにしています。日本は12年間の経済停滞にあり、何千人 もの給与所得者を路上に送り出しています。経済の奇跡の模範として、また一人当たりの所得で世界で三番目 に裕福な国であるというその地位に疑問が投げかけられています。多くの失業者は、家族を養うことができない という屈辱から、毎年30000人にも及ぶ自殺者の群れの一員となります。それ以外の人はホームレスとなって、 公園を徘徊し自分たちを追い払った社会との接触を失います。 注1: 美浜の会の和訳ではヤクザが取るのが20000円、請け負った人の手元に残るのは10000円。
注2: 嶋橋信行さんは大阪ではなく横須賀の出身。貧しい家庭の出身でもない。 |
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あの日から三ヶ月以上も経つのに、事故を起こした原発は相変わらず放射性物質を撒き散らしているという のに、それでも原発は必要とか、なかったら停電になって困る、とか思っている人がいるのには驚きます。でも、 必要なら必要で、それは意見としてはアリだとは思うのですが、 「脱原発を叫ぶのがそんなにエラいか?」 などと言う人には本当に呆れてしまいます。「エラい」に決まってるじゃないですか。何もしないよりは。自分は 何もしないで、ただ屁理屈を並べるだけで、大切なことは他人任せにしてきた結果でもあるんですよ、この、今 の日本の醜態は。あるいは 「事故が起きてから反原発って言ったって遅すぎる!」 とか。言わないのはもっと遅すぎる。というかもう、いつから原発に反対していたかなんて関係ないです。だって 原発事故は現在進行形でいつ収まるかだってわからないんだから。 「日本に住んでいる日本人がこの問題を考えないわけがない!」 当たり前です。こんな事態になっているのに、これっぽっちも考えない人がいたらその方が驚きです。そういえば いましたよね。小学校で、学級会なんかの時に当てられるといつも「考え中です」って言う人。実は私も当時は その一人でした。でも今回はそんな学級会レベルでは済まされないんです…。 Q:人や動物の命と目先の便利さとどちらが大事ですか?
Q:福島やそれ以外の地方の町や村に、あるいは未来の世代に、核や核廃棄物を押し付けて、
自分だけいい思いをしたいですか?
答えは明白だと思うのに、それでも「考え中」で、屁理屈を並べて自分を正当化する人たち。かといって原発賛成!とも言えない人たち。今でも何万人もの人が避難生活を強いられているんです。酪農ができなくなって 自殺に追い込まれた人がいるんです。土地や海が汚染されて農業や漁業ができなくなる人がいるんです。 それでも言いますか?「考え中」って。「脱原発って叫ぶのがそんなにエラいか」って。 私が思うに、そういう人は自分の今の生活を変えたくない人。それが「ステキ!ペット生活」だか、「便利! オール電化ライフ」だか知らないけど、とりあえず自分の家が福島や他の原発の近くにあるわけじゃないから 「考え中」。福島の人たちのことは本当に気の毒だと思うけど、自ら余計なことを言って不便になりたくない から「考え中」。 脱原発を叫ぶのは「エラい」んです。「考え中」よりは!!核武装すべきだとかって暴言を吐いちゃう人間だって、 自分の意見をはっきり言う、という点では「エラい」んです。考え中を装って行動しない人よりは。 関東の人間が福島原発の電気の恩恵をこうむって、福島やそれ以外の東北の人に大迷惑をかけているの だから、福島のために、そしてこんな悲劇を繰り返さないために、未来の日本のために、みんなができることを するべきではないでしょうか。一人の人間ができることは限られています。その一つが「脱原発を叫ぶ」ことだと 私は思います。 「言うのは簡単だけど、脱原発をするのはそう簡単じゃない。」 だったらとりあえず言ってください。叫んでください。「脱原発」って。簡単だから。脱原発を実行するのは、 そうです、簡単なことではありません。小さな原発を解体するのでさえ25年もかかるそうですから。だから こそ、今すぐにでも取り掛かる必要があるんです。 |
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私は、主にインターネットでしか日本の情報を得ることしかできません。どうやら少し前から「断捨離」なる 言葉が流行っているようで、雑誌やテレビでも特集されているようです。断捨離とは、それを提唱された方の HPによると 不要・不適・不快なモノとの関係を、 文字通り、断ち・捨て・離れ、 引き算の解決方法によって停滞を取り除き 住まいの、暮らしの、身体の、気持ちの、人生の、 新陳代謝を促す・・・ことだそうです。ウィキペディア には 断=入ってくる要らない物を断つ 捨=家にずっとある要らない物を捨てる 離=物への執着から離れると書かれていました。 私はその著書を読んでいないし、特番も特集号も見ていないので、あくまでインターネットから得た情報に 対する個人的な感想なのですが、どうも「捨」にスポットが大きく当てられているように思えました。断捨離を 実践=まずは要らないモノを捨てる、みたいな。もしそうだとしたら「捨離断」と言った方がいいように思えます。 まず捨てて、執着をなくし、今後は要らないモノを断つ、ということで。 そもそも当たり前のことに思えるのに、こういうのが流行るところがなんとも日本らしいとも思います。3月11日 以降、被災地のことを思って、あるいは将来不安を感じて自粛をするのは、私には人間として当然のことに 思えるのですが、あちこちで「自粛をすると経済が停滞するから良くない」と言われています。流行っている この「断捨離」を実行したら、要らないものは買わなくなるから、それだって経済の停滞につながると思うの ですが、そういうことは誰も言いません。なんか、おかしいですよね。 私はケチでセコいので、消耗品以外のものを買う時はとことん考えて買います。先日、箒を買いましたが、 選ぶのに2ヶ月以上かかりました。一度買ってしまったらそれは捨てるか、人にあげるかしない限り目の前から 消えないからです。たとえ自分の目の前から消え去っても、形や持ち主を変えてそのモノはずっと地球上に 存在し続けます。上手く貰い手が見つかればいいけど、自分が要らないモノは基本的には他人も要らないかも しれない。ゴミは増やしたくないので、モノを買う時はそれを一生使う覚悟で買います。 断捨離は「捨てる」だけでなく、断と離の部分も実践できてこそ意味のあることです。本にどう書かれているか わかりませんが、「捨てること=いいこと」と捉える人が増えるんじゃないか、この言葉が流行ることで「捨てる」 という行為に抵抗がなくなりはしないか、すごく心配になります。そうやってなんでもかんでもそんな簡単に 捨ててしまっていいのか?日本語には「もったいない」という言葉があります。家にずっとある使っていなかった モノを捨てる前に、あるいは他人に押し付ける前に、もう一度なんとか活用してみることだって大事だと思います。 モノを粗末にするとバチが当たる ― 昔はそんな風に言っていましたよね。 どちらにしても、「断捨離」をみんながマジメに本気で実践したら、それこそ日本経済は停滞しまくります。 入ってくる要らないモノを断ち、モノへの執着から離れれば、必然的に購買力が落ちますから。でもそうする ことで、本来の日本人の姿が取り戻せると思います。今の日本はモノに溢れすぎて、何が必要か、何が大事か がわからなくなってしまっているから。 そして、この「断捨離」、原発にも当てはめることができます。こちらは是非実行しましょう。 \(*⌒0⌒)b
断−これ以上建設しない 捨−いまある原発は廃炉にする 離−原発がなければ困るという思いこみから離れる |
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Der Spiegel 'Der Atomstaat' 原子力帝国 Teil 2 より 産業と役所の癒着 すでに20年も前に、点検が近づくと原発で働く人々がどう合図を送るかを彼は知っていました。それがあると、 急いで従業員が、浸水した熱交換器をぴかぴかに磨き、その後姿を隠します。点検者はヤラセに気づいても、 それを無視しました。「私達の管理はたぐい稀ないんちきです」と飯田氏は言います。 伝説的なのは、天下りという独特の名前を持っている産業と役所の個人的なつながりです。天から下に降りる という意味のこの習慣は、役人が省庁で勤め上げた後に巨大電力会社での有利な地位に移るというものです。 東電の副社長のポストは何十年もこの天下り役人用に予約されています。石原武夫という男性は元通産事務 次官で、原子力政策のコーディネーターと見なされています。1962年に彼は東電に雇われ、取締役、そして 副社長になりました。 1980年に元資源エネルギー庁長官増田実は東電に移り、そこで同じ経歴を辿りました。1990年と1999年 にも高級官僚が続きました。4月にある共産党の衆議院議員が、「これを世間では指定席というのではないか」 と内閣に質問しました。スポークスマンは答えました。「指定ポストと言わざるをえない。」 発電所現場では、これらのことは大して重要ではありません。現場で働いている大半が下請けやその下請けの 出向社員や日雇い労働者です。しかも優れた専門家も東電から来ているわけではなく、日立や東芝、あるいは 米国GE社といったメーカーから来ています。 傲慢で無能な東電の技術者たち 東電の管理職が自分達の原子炉についてあまり知らないことをこれらの専門家は知りました。「東電の人間は 官僚主義で、たまにやって来てはやることを指示していくだけ」と福島にある下請け会社で4年間働いていた 佐藤つねやす氏は言います。 東電の技術者は傲慢で無能ときています。スガオカ氏が改ざんスキャンダルを公に報告した時、東電は独自の 分析や独自の重大な内部の欠点を認めました。東電の技術者は「原子力の知識に関しては、自信過剰だった」 とも言っていました。だから「安全が保証されている」と信じていた間は、東電は問題を政府に報告しません でした。 しかしながら、ことの結末は、東電も原子力安全保安院をもこういった認識を改めさせることはありませんでした。 このスキャンダルは、福島第一の相当古い原子炉1号機の運転期間延長をさらに10年延ばすのに、何の影響も 及ぼしませんでした。それどころか、発電所の点検実施間隔の規則を13ヶ月から16ヶ月にまで延長すること さえできました。 「東電は今まで脱原発活動家の提案を実行に移したことがあるのか」と東電のスポークスマンに質問をすると 彼はこう言います。「質問の意味がわかりません。」 原子力産業反対者の扱い 大事故後もこの会社はジャーナリストを騙し続けようとしています。ここ10週間、放送局や新聞社のレポーター が東電本社の1階に泊まり込んでいます。彼らは記者会見で、正確だと思われる生データの山を手に入れます。 この関連のない多数の計測値を与えられたところで、彼らはどこから始めればいいのでしょう。極端に少ないこと がよくあり、そうかと思えば、後で完全に違っていたことが判明したりするようではなおさらです。 東電の人間はデータについて話すのが好きです。責任というテーマは避けたがっています。天下り?政党への 寄付金?学者への資金援助?こういった複雑な質問について、東電のスポークスマンは似かよった答えを 返します。「ノーコメント」と。 テレビのジャーナリスト 上杉隆氏は、巨大電力企業の東電が、好ましくないことを報道された時、いかに敏感に 反応するかということを語る一人です。日本で彼は人気のテレビ・ラジオ司会者です。彼の番組は政治的ですが おもしろいです。彼はたいていいつだってご機嫌のゴルフ好きの43歳です。上杉氏は福島原発事故まで、 原子力とはあまり関わりがありませんでした。 ただ、彼はかなり長い間、大手新聞社の同業者に対して反感を持っていました。上杉氏にはジャーナリストの 多くが、報道する大臣たちの単なるPRエージェントにしか思えませんでした。福島原発の大事故の後、上杉氏 も東電のロビーに泊り込みました。原子炉で何が起きているか知りたかったからです。 3月15日午後1時に彼はTBSの生放送中継に出演しました。彼は、明らかに放射能は3号機から来ていて、 外国ではそのことが報道されていることを伝えました。「実際、自明のことでした」と彼は言います。しかし 放送終了後、彼の上司がやってきて、彼に解雇を言い渡しました。それ以来上杉氏はTBSで働いていません。 TBSの番組編集部のスポークスマンは、上杉氏と仕事をしないということは前から内部で決まっていたと言って います。東電からの圧力はなかった、と。 上杉氏は信じないでしょう。その後他のテレビ番組でもトラブルがあったからです。「朝日ニューススター」では、 上杉氏が彼の番組に原発批判者をゲストに招待した後で、電力会社協会がスポンサーを打ち切りました。 どちらにしても電力会社のスポンサーは取りやめたいと思っていた、というのが番組側は言っています。東電の スポークスマンは上杉氏のようなジャーナリストに圧力をかけるというのは「ありえない」と言っています。 不都合なことを暴露したり報道したりするものは脅される そうこうしている間に日本政府は、福島について「間違ったニュース」をインターネットから削除するようインター ネットプロバイダーに求めました。国民を不必要に心配させてはならないからです。「これはエジプトや中国 より酷い」と上杉氏は言います。「公共の秩序とモラルを害するもの」はすべて取り除かなければならない のです。 原発反論者のロバート・ユンクは、原子力産業が反対者をどう扱うかについて、一つの章を割いています。 その表題は「脅される人たち」です。 不都合なことを語る東電の内部の人、不都合なことを報道する上杉隆氏のようなジャーナリストたちが 脅されます。 前福島県知事だったあの上品な佐藤栄佐久氏もその犠牲者の一人だと言われています。佐藤氏は原子力と いう権力に対抗しようとしました。彼は他の原発を持つ県の県庁と同盟を結び、反原発枢軸をつくりあげよう としました。 地方の政治家である佐藤氏は、新しい日本のエネルギー政策を考案するために世界中から専門家を福島に 招待しました。彼は恐らく最も影響力のある原発反対者でした。2006年にいきなり政治生命を断ち切られる までは。 彼は汚職の罪で逮捕されました。訴えによると、彼と彼の弟は福島県の仕事をしている建設会社から土地を法外 な値段で買ったとされています。 裁判では佐藤氏は有罪となり、、東京の控訴審で刑は軽くなりましたが有罪判決は覆されませんでした。佐藤 氏は今、無罪を主張して最高裁で闘っています。 東京の元検察官は、佐藤氏の弟は土地買収で利益はあげていないと言っています。さらに、この元検察官は 彼自身が18ヶ月の禁固刑を宣告されています。彼は別の高級官僚の捜査で、証拠物件を改ざんしました。 しかし誰が、佐藤氏のような原発反対者ではなく、この大惨事の責任者達を逮捕するのでしょうか。菅首相が 先週の水曜日(5月18日)に公表した説明はそれでも希望が持てるものでした。首相は、安全保安院を解体 し、日本の電力供給会社の地方独占を廃止し、エネルギー政策を「根本から」見直すことを発表しました。 グリーン・アクションの活動家、アイリーン・美緒子・スミス氏はそんな約束は信じていないでしょう。こんな大事故 に対して、いつもの日本的なやり方をしていることが彼女には恐ろしく思えます。「事故を調査する委員会が設立 されます。そこにはいままでとまったく同じメンバーが座ってるのです。」 Der Spiegel 'Der Atomstaat' - Ende
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