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7月の中旬。ボクは仕事で志度に行った。たまに記事に登場するT課長も同伴でちょいと企業さんにお願い事だ。まあアポは13:30だから、当然お昼は仕事の後にしてうどん屋でしょ!?という腹で出掛けたのだった。最近東讃のレポートが減ってしまいイカンイカンと思っていたので、この日はまさに「好都合だぜ!」。

思いのほか企業さんでも話が盛り上がり、ちょっとお昼にしては時計ちゃんが回りすぎてしまった。課長もちょっとお腹すいたという表情をしている。

「うどんでいいっすかね?」と当然の如く話しかけると、そこはT課長も心得たもので「○長にお任せします」と即答が帰って来た。この日行こうと思っていた店は志度の名店「源内」だ。「源内」という店の名前は当然さぬきが生んだ天才発明家「平賀源内」から名前を取っている。

平賀源内はさぬき生まれの蘭学者、発明家、で1728年にさぬきで生まれている。丁度「解体新書」で有名な杉田玄白と同じ時代を生き、二人の間にはかなりの交流があったらしい。一説によると獄死した平賀源内の葬儀を杉田玄白が行ったとの話もある。静電気発生器「エレキテル」を発明したことで有名だ。
だから志度には平賀源内記念館なんてもんも建っているそうだ。

さてこの「源内」。結構地元では有名店で、年配の人にきくと「源内」という名前がよく出てくる。ここは国道11号線沿いにあるのでしょっちゅう前を通るのだが、なかなか寄れないでいた。その理由の一つにここは高速コーナーのど真ん中にあるということが挙げられる。

ボクはこのコーナーを「さぬきの“オー・ルージュ”(赤い水)」と呼んでいる。“オー・ルージュ”とはF1好きの人なら当然知っているはずだが、ベルギーGPが行われる“スパ・フランコルシャン”サーキット名物の高速登りこーナーのことで、ドライバーから見るとコーナーの終わりが見えないらしい。ゆえに目の前に壁が現れるとも言われ、最も度胸のいるコーナーと言うことだ。

志度方面から11号線を走ると徳島文理大を左に見て登坂車線が現れる(ここは天野峠って言うらしい)。ここでパワーのある車は追い越し車線を走って、紅葉マークのおじいちゃんおばーちゃんの車を抜き去るのだ。そして「源内」の前の高速コーナーを左にコーナーリングしていき下りに入るという道なのだ。ボクの非力な愛車POLOはこの“オー・ルージュ”が大嫌いで、「だいちゅけちゃん!お願いだから吹かさないで〜」と泣き声を上げる(笑)。

こんなコーナーだから「源内」脇は格好のねずみ捕りポイントとなり、さぬき警察署の白バイがしょっちゅう隠れている難所なのだ。そんな「源内」を今回初めて訪問した。

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疲れたPOLOが写ってます。敷地では孔雀を飼っており一部だけ上野動物園状態(笑)。時間も三時近かったので駐車場はがらがら、そしてボクとT課長は魅惑の「源内」ワールドに入っていくのだった。

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名前がジジ臭いのでやっているのは年配のおじいさんかと思いきや、店内に入ると「いらっしゃいませ〜!」と築地のお寿司屋を彷彿する若い板前(?)さん達が迎え入れてくれて、外からみた印象と中に入った印象はまるで違う。どかっとカウンターに腰を下ろした二人はメニューに目をやり「何にしよっかな〜?」と考えていると、「北の旅人症候群」(※)に罹っているボクは「“ざる”行きませんか〜」と“ざる”をT課長にも押し付けた。

(※「北の旅人症候群」・・・麺の喉ごしや硬さや味を満喫するため締めた冷たい麺を食べずにはいられなくなる病気の一種)

課長も「ざるにしましょう・・・」と言うことで、厨房を見渡すカウンター席で魅惑の“ざるうどん”を待つことにした。「やっと『源内』のうどんが食べられますね〜」と、大興奮のボクを見て「○長が行ったことのないうどん屋ってないんじゃありませんか〜」とT課長。「いやいやまだボクなんてほんの駆け出しですよ・・・。香川県には信号2,000個に対してうどん屋900店舗ですから・・・」と四国新聞に載っていそうなネタを披露するボク。

そうこうしている間に、うどんが出来上がった。うおー!光ってる!

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サイズは“大”を注文したので、つけ出汁が二つ運ばれてきた。さすが一般店。よーし食べるぞ!と意気込むも・・・うどんが長ぁ〜い!お猪口に入らないよ〜うどんが!

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前にも記事で書いたのだが、蕎麦は“ずずっ!”って一気にすすり上げるのが粋だから凄く出汁に浸しやすい長さになっているが、さぬきうどんはそんな粋などお構いなしに長い。だから“ざるうどん”なんかを食べる時は適当量を箸につまみ、釜揚げうどんを釜から揚げる要領で、お猪口にバケツリレーの様に麺を移していかなければならない。ボクもこの妙技をマスターしたつもりだったが、ここのうどんは更に長く、移しても移してもうどんが途切れない!

あれよあれよと言う間に、お猪口の出汁が溢れそうになり緊急事態!うおー!と、うどんをざるに戻そうとすると、つけ出汁に入った出汁の付いたうどんまでざるに戻ってしまうではないかぁ!きたならしい〜!ごめんなさい〜!うどんの「ポロロッカ現象」だ!隣を見ると課長も同じ事態に陥っている。

恐るべし!さぬきうどん!

うどん自体はとても上品なうどんで、お腹が空いているのも手伝ってどんどん喉からお腹に流れ込んでいく。ずずず・・・あああ!逆流!ずずず・・・まて〜うどん!でもうま〜い!すする勢い余って鼻の方にうどんが逆流!うどんの「川中島合戦状態」。あ〜“ざるうどん”は熟練が必要だな。

麺は東っぽく少し柔らかめかな?断面はエッジとは正反対の青函トンネルの断面の様に楕円形。だからするする喉に入る麺だ。次回訪問時には是非“かけ”あたりで「源内」の出汁を堪能してみたい。お値段は一般店なのでちょっと高め。

満足した中年サラリーマン二人はまた“オー・ルージュ”を下って志度に入っていくのだった。下りはPOLOも絶好調!愛車を労わらねば。

<お店紹介>
「源内」さぬき市志度天野峠1597−10
営業時間 10:00〜20:00
月曜定休

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