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人は突然幸せになったりはしないものだとそう思っています。 突然なりたいものになれたりなんていうことはないのです。 それらの突然に見える出来事には、何らかのきっかけがあり、何らかの努力があり、そして時の運もあります。 結局何のアクションも起こさない人に、何か突然の転機が訪れるなんていうことはありえなくて、ズルズルと変わりのない日常が進んでいくのだと、そう思います。 そして、私はなりたいものなんて見つかりもせず、かといって、一般的な女子高生が興味を向けるような、おしゃれに恋に…といったもろもろの出来事にエネルギーを注ぐこともなく、ズルズルと変わりのない日常を進んでいる典型ともいえるような生き物です。 ですが、やりたいこともわからずに、わき目もふらずにエネルギーを消費することに執心するよりは、はるかに今のズルズルダラダラとした日常の過ごし方の方が、省エネで環境に優しいと思います。 やるべきこと、やりたいことを見つけたときに、これまで省エネしてきた分のエネルギーを使えばいいのです。 しかし、世間では「省エネ、省エネ」と騒がれているのに、私の実践している省エネ活動は、友人たちはもとより誰にもなかなか理解してもらえません。何故でしょう? 省エネ、いい響きなのに…。 省エネ、省エネといっていますが、別に私は燃費悪く走りまわることがかっこ悪いことだなんてこれっぽっちも思っていません。 部活にしたって、勉強にしたって、恋愛にしたって、趣味にしたって、情熱を持って取り組めることがあるということはうらやましくさえ思えます。 しかし、エネルギーを消費して、何か頑張れるものを探しまわるなんて、それこそ怠惰な私には無理な話です。 どこかに頑張れることや、幸せが転がってないかな?なんて思ってしまいそうですが、それでは私の持論である、「突然に幸せなんて訪れない」の方に矛盾が生じてしまいます。 結局私は、これからもズルズルとこのぬるま湯みたいな目的のない日々につかりながら生きていくのでしょう。 でも、時々焦ってしまうこともあるのです。 私はこのままでいいのだろうかと、焦ってしまうことがあるのです。 このまま何のアクションも起こせずに時が過ぎていく。 なにを探すこともなく日々が終わっていく。 そう思うと、やりたい何かが見つかるまでは動かないと決めているのは私自身のなのに、そんな自分に対して焦りを覚えるのです。 なんだかモヤモヤしてしまうのです。 これが世に言う思春期のなんとかというやつでしょうか? そんなことを考えながら、机の上に突っ伏して、窓の外を見上げていたら、いつの間にか眠ってしまっていたようです。チャイムの音で目が覚めました。 幸い先生に見つからなかったことに、内心でほっとしながら、寝込んでしまう前に外したのだと思われる眼鏡を手に取ります。 「よく寝てたな」 隣で忍び笑いを浮かべているのは、クラスのムードメーカーこと芝田君です。 省エネモードの私とは対極にいる、太陽みたいなやつです。 「ほっぺた、よだれのあとついてる」 「…ふぇっ?」 言われてほほのあたりを拭うと、なるほど確かに何やら湿り気を感じます。 いくら省エネ重視で他に頓着をしない私とはいえ、男子生徒にそんな指摘をされてしまえばさすがに恥ずかしくもなります。 今、私、たぶんかなり赤くなってます。 「でもさ、驚いた」 「?」 なにに驚いたというのでしょうか?授業中に爆睡、もとい、よだれを垂らして爆睡するような慎みのない女子高生がいることに驚いたとでもいうのでしょうか? 「笹原、眼鏡外すと結構かわいいのな」 「!?」 わかります。今、私、言うまでもなく赤いです。正直ちょっとテンパってます。 芝田君は私にそう言ったっきり、友達のところへといってしまいました。 かわいい、ですか?よくわかりません。 確かにかわいい子はかわいいと思いますけど、私をかわいいという感性はよくわかりません。 でも…眼鏡を外すだけで、かわいいと思ってもらえるのでしょうか? 多少でも変わっていけるんでしょうか? それは、いいなと思います。 変わりのない日々に焦っていた私です。眼鏡をはずすというきっかけが、何か変化をもたらしてくれるなら、それは素晴らしいことだと思います。 何より、眼鏡をはずしてコンタクトにするだけで、何か変化が得られるのなら…。 省エネ派の私も大満足の楽ちんっぷりですから。 待つだけでは楽園にはたどりつけないということは前から知っていました。 でも、楽園に向かって歩き続けるほどの気力も体力もありませんでした。 それじゃあ、釣り糸を垂らして待ってみるのがいいかもしれません。 変化というきっかけを餌にして、釣り糸を垂らしてみるのです。 ひょっとしたら幸せは、気まぐれに釣針に引っかかってくれるかもしれません。 それは横着な私に、とてもぴったりな幸せさがしの手段のように思われました。 明日から私は楽園への道を探すことにします。
眼鏡をはずすなんていうちょっとした変化をきっかけにして。 |
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この焦燥感はよくわかります。もちろん私は女子高生ではありませんが(笑)
ふとしたきっかけ、外からやってくる何か、そんなものが自分を動かしていくのだろうな、というようには感じていました。だからその時が来るまでは焦らないで待つ。ルアーを作るのもいいかもしれませんね。。
2011/4/28(木) 午前 7:12
何かしなくちゃいけないのかな、でも変化する必要なんて特にないんだけどな。
オクテさんは「焦らない私はおかしいのか」と焦りますね。
ほんの小さなことなんだけど、兆しなんですね。
なんだか懐かしい教室の風景を思い出しました。
いただいて行きます♪
2011/4/28(木) 午前 8:54
怠惰を省エネと言い切るイマドキ娘も、変化のきっかけは王道的なのね。
若干の安心を感ずるおばちゃんでした。
2011/4/28(木) 午前 9:31 [ pala ]
>ドンティーさま
私もよくわかりますw幸い今はいろいろやることがあってあたふたしてますから、なかなか昔のように焦りを感じたりはしていませんが。
外からやってくるきっかけを捕まえられるかは自分次第。仮に引っかかったとしても、今度は釣り上げるのが一苦労かもしれません。
2011/4/28(木) 午前 10:45 [ もふもふしっぽ ]
>たんぽぽさん
怠惰に過ごしている自分に焦りを感じるなら、きっと自分が何かしなくちゃいけないと感じているのだと思います。故に彼女は何かを始めようと思ったのでは?という自分の描いた登場人物に対する考察。
現状の怠惰に焦りを感じないのであればそのままでもいいのだと思います。その後どうなってしまうのかはわかりませんが。
2011/4/28(木) 午前 10:48 [ もふもふしっぽ ]
>ぱらさま
怠惰を省エネと私も言い切りたい!!
…ではなくて、結局私が王道の展開にしか持っていけなかったというところでしょうか?現実は「このままでいいか」で止まってしまうことも多いと思いますよ。
結局のところ、全てはきっかけ時の運。それなら意味不明なきっかけより、わかりやすい王道展開がいいかなあ?なんて思ったわけです。
2011/4/28(木) 午前 10:50 [ もふもふしっぽ ]
かわいいですね、このお話は。
待つだけでは楽園にはたどりつけない。
それなら私も、釣り糸を垂らしてみましょうか・・・
もう遅いか^^;
2011/4/28(木) 午後 2:33 [ あんず ]
読んでいてついニヤけてしまいましたw
私、やってくる”きっかけ”に期待してしまって自分から動かず同じ繰り返しの日常過ごしちゃってますね。自分の文章力の未熟さと共に痛感というか^^;
動くことも大事ですよね、私も昔はそうして生活に充実さを注いでいたのに。昔していたことでも思い出してみようかな。
★
2011/4/28(木) 午後 7:35 [ OMEGA ]
白い黒猫です
すごく、ヒロインの気持ちに共感してしまいました。
それに人間って、ほんのちょっとのきっかけで幸せになれるものですよね!
2011/4/29(金) 午前 1:17 [ 白い黒猫 ]
>あんずさま
きっかけを転機に何かを変えようという気持ちは、いつもってもいいんじゃないですかね?
とかえらそうに言ってみます。
2011/4/29(金) 午前 7:34 [ もふもふしっぽ ]
>OMEGAさま
動く動かないもそうですし、気持ちの持ち方一つで、いろいろなものが違って見えたりするような気がします。
なにを持って転機とするか。それは自分次第。
2011/4/29(金) 午前 7:35 [ もふもふしっぽ ]
>白い黒猫さま
共感いただけるよな内容になっていればありがたいことです。
きっかけで幸せになれるというか、きっかけをもとに幸せになるというか…。最終的に幸せか否かを決めるのは自分なんじゃないかなぁ・・・と思っております。
2011/4/29(金) 午前 7:37 [ もふもふしっぽ ]