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「週刊ダイヤモンド 12/15号」の特集は『楽天VSアマゾン』。2000年代から本格化したネットショッピング業界にあって、2大巨頭となった楽天とAmazon。さまざまな業界を巻き込みながら壮絶バトルを繰り広げているのだ。
 もっともホットなのは電子書籍対決だ。今年10月下旬、Amazonが電子書籍端末「Kindle」の日本への投入を発表。今では予約しても年明けまで待たなければならないほど人気だ。これを迎え撃つのがカナダ・kobo社を傘下に入れた楽天の電子書籍端末koboだ。ダイヤモンド編集部によれば、Kindleとkoboの端末性能もコンテンツもほぼ同じだという。

●Amazonと楽天の巧妙な節税対策!?

 両社を市場規模で比較しよう。両社のサイトの月間利用者数はAmazonが4483万人に対し、楽天は3860万人だ。両社を合わせると、ネット通販利用者の5〜6割にあたり市場を二分している。1997年にスタートした楽天は「楽天市場」というネット上のショッピングモールを作り、出店者に場所を提供。その手数料などを得るビジネスモデルだ。現在、4万店以上の店舗を抱え、登録商品数は1億点を超えた。年間流通総額は1兆円を上回っている。
 一方のAmazonは00年に書籍のネット販売を開始。CDやDVDなどを大量に仕入れて安く売る直営スタイルのビジネスモデルだ。商品数は5000万点超、流通総額は推計7000億円を超える。こうしてみるとビジネスモデルの違いがあるものの、数字は互角だ。
 楽天とAmazon、いったいどちらで買った方がいいのか。特集記事『楽天VSアマゾン ライバル5番勝負 勝つのはどっちだ?』では、(1)使いやすさ、(2)価格、(3)配送、(4)ポイント、(5)顧客満足度という対決で比較している。
 (1)使いやすさ対決は、ディスカウントストアの「ドン・キホーテ」さながらに商品があふれた楽天と、容易に目当ての商品のたどりつけるAmazonを比較して、Amazonに軍配を上げている。
 (2)価格対決は市場内の競合店間で安さを競い合う楽天と、大量仕入れで「価格破壊」を行なうAmazonの両社引き分け。(3)配送対決はAmazonの勝ちだ。店舗の集合体にすぎない楽天では送料がかさむことがある。その一方で、Amazonは安すぎて利益を圧迫しているといわれるほどの、いつでも送料無料のAmazonプライム(年会費3900円)と、中古商品のマーケットプレイスの商品に関しても自社の配送網・FBA(フルフィルメント・バイ・アマゾン)による配送サービスの統一化を図っているためだ。
 (4)ポイント対決は楽天の勝ちだ。Amazonでは一部の商品にしかポイントはつかないが、楽天では楽天カードがあり、楽天カードでは決済金額の1%分がポイントして貯まる。家賃公共料金の支払いなどもポイントがつく。さらに、ポイントが4倍になるキャンペーンや10倍、60倍といった高倍率キャンペーンもある。これらのポイントは楽天のグループ企業で使うことができる。
 (5)顧客満足度対決は、サイトの満足度を聞いたアンケートに基づくものだったが、引き分けだ。楽天の利用者のうち、50%を超える満足度を得たのは高い順で「商品の品揃え」「決済の簡単さ」「商品が届くまでの時間(配送)」「在庫の完備」の4項目、Amazonは7項目で満足度が過半に達した(楽天で紹介した4項目のほかに「送料の安さ」「商品の信頼性」「サイトの見やすさ」)。このアンケートから楽天の利用者はこだわりの商品を探すタイプで、Amazonの利用者は欲しい商品を決めるタイプであることが分かってくる。 今回の対決は、Amazonの2勝1敗2分となった。

 今回の特集のポイントは物流網整備対決だろう。
 店舗の集合体にすぎない楽天では送料がかさむことがある。こうした不都合を解消すべく、楽天は楽天物流による「楽天スーパーロジスティクス」の強化を手掛けている。Amazonの自社の配送網・FBA同様に、在庫管理から梱包、発送までを楽天が行なうのだ。11月からは楽天は店舗への課金制度を変更した。従来は商品代金に対して、「システム利用料」を取っていたが、今後は商品代金に配送金額を加えた金額が対象となる。「売れている商品の売上高と同じくらいの金額が新たな手数料課金の対象になる」(出店店舗)という。
 楽天は10年に建設した千葉県市川市の物流拠点のほかに、13年には兵庫県川西市などに拠点を増やしていくという。
 一方、Amazonは自社で運輸業に乗り出す動きがあるという。最近、佐川急便は同社に大幅値上げを打診。多くの運輸業者がその規模の大きさゆえに、取引を続けてきている。しかし、採算度外視の取引のために、現場が疲弊しているのが現実だ。佐川急便としてはこれ以上不採算事業はできないと、Amazonとの取引を断られることを覚悟で大幅の提案を行ったのだ。
 実際に、Amazonの大量の取引は現場を大きく歪めている。
 日本郵便では、Amazonとの料金は本社のトップ交渉で決まるために、支社・支局レベルではまったく数字が開示されていない。現場では、同社の物流量に追いついておらず、Amazonの郵送を優先する「計画配送」を行なう一部郵便局もあるという。休日中に配りきれない書留や特定記録郵便など(中身はクレジットカードやキャッシュカードだ)の郵便物を後回しにして、Amazonを優先しているのだ。
 だが、こうした取引も限界を迎えつつあるようだ。Amazonは現在、世界ではすでに70ほどの物流拠点を有している。わずか数年間で10数拠点以上のペースで増えている。いずれ、日本でも自ら運輸業を行ない、日本郵便は下請け業者になっていくのかもしれない(特集記事『運輸業界 距離置く佐川と疲弊の日本郵便 いずれAmazon自身も参入か』より)。
 さて、Amazon特集といえば、「週刊東洋経済 12/1号」でも『新流通モンスター アマゾン』という形で特集をしていた。その記事の中では、同社の本社機能は米・シアトルのAmazon・ドット・コム・インターナショナル・セールスであり、日本では法人税は払う必要がないという日本人としては釈然としない事実が紹介されていたが、今回の「週刊ダイヤモンド 12/15号」ではそういった部分は触れられていない。

 一方の楽天に関しても会計関係者の間では、楽天は多くの会社を買収することで「のれん代(時価簿価差額)」を償却しているが、この償却スピードを3年にしており、最終利益は減るものの、税負担軽減効果は大きくなるという巧みな節税対策を行なっていることは有名だ。今回の特集ではそういった部分も触れられていない。
 もし、かりに節税対策対決をしたら、両社は互角だったかもしれない!?

▼ アマゾンが消費税を支払っていないまた法人税を支払っていないことはよく話題になる。
 日本はもう宅配物流に「宅配税」をかけたほうが良い。それを原資として物流会社に従業員の労働環境を改善する施策を求めるべきだ。

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