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いくらなんでもこれは多すぎる…… 実際、多数のごく普通(要するに精神的な疾患や、脳に異常がない)の人が、エイリアンに誘拐されたという「確固たる記憶」を持っているようです。
「なぜ人はエイリアンに誘拐されたと思うのか スーザン・A・クランシー/著 林雅代/訳」において、著者はエイリアンに誘拐されたという人々から聞き取り調査(繰り返しますが、精神的な疾患や脳に異常がない人が対象)を行っています。
結果、調査をした人々に限って言えば、それらの体験は「入眠幻覚」か「精神療法による偽の記憶」である可能性が高いそうです。
「エイリアンによる誘拐」は、ほとんどの場合就寝中に起きており、日本でなら金縛りにあい、幽霊を目撃するところを、アメリカ人はエイリアンに遭遇するようです。お国柄の違いでしょうか。
さらに精神療法などで催眠術にかけられたりすると、容易に生々しい感情をともなった偽の記憶が頭の中につくられてしまうそうです。特に本人がエイリアンに誘拐されたと思いたがっている場合には。
一般の人においても「感情を伴った強い記憶」というのは、実は不正確な場合が多いそうです。私の場合でも、とても驚いたりしたときの記憶なんかは、あとで確かめてみると実際よりもオーバーに覚えていたりして、あらためて驚いてしまったりすることがあります。人間の記憶というものはかなりいい加減なものなんですね。まあ私の記憶が特にいい加減なだけかもしれませんが……
ところで著者が大学院生の頃、ある問題が世間を賑わせていました。それはセラピストによって子供時代に親から性的虐待を受けたことを「催眠術によって思い出した」人たちが、こぞって親を相手に訴訟を起こすという現象です。実際に有罪になった親もいました。
ところがあまりにも件数が多いうえに、証拠は催眠による記憶だけ。中には「私は子どものころ黒魔術の儀式で祭壇に載せられ……」という荒唐無稽(いくらアメリカでもそんなにたくさんの悪魔崇拝主義者はいないそうです)な証言が増えてくると、「これって本当にあった記憶なのか?」と疑いだす人もでてきます。
研究により(もちろん本当に性的虐待を受けた人もいたのでしょうが)、現在では催眠によって記憶を取り戻した人の大多数が、セラピストの誘導で誤った記憶を植え付けられてしまったと考えられています。
テレビドラマでは催眠によって過去の記憶が呼び覚まされ、それがきっかけで事件が解決する、なんてストーリーがあったりしますが、現在アメリカでは催眠による記憶は証拠として認められていません。
著者も恩師に依頼され「催眠によって回復された子供時代の性的虐待の記憶が、偽の記憶である可能性」の研究を始めたのですが、世間から「おまえは性的異常者の味方か!」と猛烈なバッシング。実際には中立的な立場で記憶の研究をしていただけなのですが。
あまりの中傷(友だちにはランチに誘ってもらえなくなり、同僚には「この研究をしていると仕事に就けなくなるぞ」と忠告を受けたり)にショックを受け、研究を中止。「もっと安全に偽記憶の研究ができないものか」ということで閃いたのが「エイリアンによる誘拐の記憶」の研究でした。確かに常識的に考えて、エイリアンに誘拐されたという記憶は、偽の記憶である可能性が高そうです。
ところでなぜ一部の人々は「エイリアンに誘拐された」という記憶を、後生大事にしているのでしょうか。頭がおかしいと思われてしまうというリスクがあるにもかかわらず。
著者によれば、こういう「特別な経験」の記憶は、本人のアイデンティティの支えになっている可能性があるようです。人間関係でうまくいかないのも、仕事を効率よく片付けられないのも「エイリアンに誘拐されたせい」というわけです。言い訳としてどうかと思いますが、本人が納得してさえいれば問題ないのでしょう。
さらにエイリアンに誘拐されたと思うことで「私は選ばれし人間」と考えることもできます。その思いを糧に、つらい日々を過ごすことに耐えられるというわけです。このへんは宗教的体験とも似ているところがあるようです。
私はエイリアンに誘拐された記憶もないし、幽霊も見たことがない……あまりスペシャルな記憶がないんですが、何を支えに日々を乗り切っていけばいいのか……
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お久しぶりです!
帰してもらえるなら、1度エイリアンに誘拐してもらいたいっすよね(^-^)
2018/5/10(木) 午後 11:19
コンニチハ。
エイリアンに誘拐された人は、体に長い針を差し込まれたり、異物をインプラントされたりしているそうなので、オススメはできませんが……
2018/5/13(日) 午後 1:46 [ ヒガシ ]