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雑学探偵の妄想推理とか……

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曲芸師ハリドン。

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曲芸師ハリドン ヤコブ・ヴェゲリウス著 菱木晃子訳」は、表紙のイラストが気に入ったので買ってみた本です。
作者はスウェーデン人で、本中のイラストも自分で描いています。いわゆる児童文学なのでしょうが、独特のムードの漂う作品で、なんとも味わい深い作品です。
この先はネタバレありなのでご注意ください。

ハリドンは曲芸師(一輪車が得意です)。ちょっと醜い顔の少年です。彼は誰も信用しないし、誰も好きになったりしません一緒に暮らしている「船長」以外は
ある日いつものように街頭で芸を見せてお金を稼いだハリドンが家に帰ると、「船長」が外出していました。彼は「船長」を待ちますが、いつまでたっても帰ってきません。いやな予感がしたハリドンは、「船長」の行きつけのジャズバーに様子を見に行きます。店の女主人はハリドンに食事を与え、「船長は帰ったわよ」と言います。
ハリドンはとても心配になります。「船長は僕をおいて遠くへ行ってしまったのではないのか?」というのも、「船長」は現在は船乗りではなく、いつか船に乗っていろいろな国へ旅をしたいという夢を、いつもハリドンに語っていたからです。
ハリドンは「船長」を捜して夜中の街をさまよいます。そこで子犬と出会い、警察と出会い、ギャンブルに狂った人間と出会い、犬を捕らえる者と出会います(他にも何人か遭遇します)。ハリドン少年は「船長」を見つけることができるのでしょうか

児童向けの本なので、あっという間に読み終えました。主人公の乾いた心や、寒々しい夜の街で起こる出来事が印象的です。こういう寓意的な話は結構好みです。

私的な解釈ですが、この物語は「信用」とか「信頼」がテーマになっているのだと思います。そして誰でも信用していい訳ではなく、「権力を振りかざす者(警察)」「欲深い者(ギャンブル狂)」「悪意をもって近づく者(犬の捕獲人)」には気をつけよ、と言っているのでしょう。

もうひとつのテーマが「ふれあい」「思いやり」だと思います。主人公は過酷な環境で生きてきたために他人を全く信用しません。「船長」は以前に劇場の経営に失敗していて心に傷をかかえています。そういったなかで、信頼関係がお互いの傷を癒していくのでしょう。

ハリドン少年ですが、今回の冒険で彼の中の何かが少し変わったのだと思います(良い方に)。ラストは、ほっとした気持ちになります

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