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雑学探偵の妄想推理とか……

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さほど遠くない将来……

朝起きて、テレビをつけると衝撃的なニュースが飛び込んできた。ついに石油産出国が、5年後に石油の生産を完全にストップすると発表したのだ。「化石燃料で走るクルマを運転していた最後の世代」のひとりとしては、複雑な気持ちになるニュースだ。

もはや一部の金持ち以外、ガソリンで走るクルマを乗る物好きはいない。若い世代の中には、電気以外で動くクルマがあったことを知らない者も多いだろう。

われわれの若い頃はガソリン車がほとんどで、電気自動車の普及率は1割程度だったと思う。それが徐々に2割、3割と増えだした頃から、いくつかの問題が浮上してきたのだ。

一つ目は航続距離の問題。当時フル充電で走れる距離は300キロくらい。充電ポイントが増えてきていたとはいえ、長距離運転の際には躊躇してしまう。

二つ目は充電時間の問題。ガソリン車の場合、給油にかかる時間はせいぜい5分から10分。電気自動車は早くても30分かかり、ほぼ満タンの充電だったら1時間は必要だ。つまり充電ポイントが混んでいた場合、とんでもなく待たされることになる。「ウチに帰って充電した方がマシ」という声がよく聞かれたものだ。

三つ目はわれわれには直接関係ないが、税金の問題。ガソリン車が主流のときはガソリン税(揮発油税及び地方揮発油税)がかけられ、さらに消費税までかけられていた。二重課税じゃないのかという声にも政府は知らぬふり。「税金は取りやすいところから取る」という分かりやす過ぎるお上の方針だ。ところが電気自動車の燃料は電気なので、電気代しかかからない。電気自動車ユーザーからどうやって税金をむしりとってやろうか……と政府が考えていたかどうかは、私は知らない。

これらの問題は、いかにして解決されたのか。

まず航続距離の問題は、高密度のバッテリーが開発され、フル充電で700〜800キロ走行が可能になって解消された。これは本当に革新的な技術だと思う。ただし残念ながら充電時間の問題は解決されなかった。800キロを可能にする高密度バッテリーをフル充電しようとすると、急速充電器でも半日以上かかってしまうのだ。

最終的に選択されたのがバッテリーのユニット化だ。複数個のバッテリーが取り外し可能になっていて、充電スタンドで充電済みのものと交換する仕組みだ。そうすれば長い充電時間を待たされずに済む。

もちろんこれにはバッテリーとクルマの規格統一が必須であり、当然ながら民間企業と政府の共同事業として進められた。なもので、勝手にバッテリーを転売したり、改造を加えようとすると厳罰に処されることは言うまでもない。

バッテリーのユニット化によってガソリンスタンドだった場所は充電スタンドに変わり、雇用創出にもなった。なおかつバッテリーのユニット交換には「レンタル料」がかかり、これが税金として徴収される仕組みだ。

家庭用の電気自動車用充電器にも計量メーターがつけられ、使用料に応じて税金が課される。違法な変換器を使った一般用のコンセントからの充電は、脱税行為とみなされる。

……とまあ、こんな具合に電気自動車がわれわれの社会に浸透していったわけなのだ。

充電スタンドで洗車してもらっていると、先輩がスポーツタイプのBMWでやって来た。

「やあxxクン、洗車かい?」
「年末ですしね。先輩、いいクルマ乗ってますね」
「いや、このクルマはスポーツタイプだろ? 高性能バッテリーじゃないとマズイんで、維持費が大変だよ」
「昔で言うハイオクみたいなもんですね」
「xxクン、もうその言葉は通じないよ」
「確かに。ちなみに俺は一般タイプのバッテリーなんですが、冬場はちょっと心配ですね」
「そうだな、このクルマでもクソ寒い日に渋滞にはまったときなんかは、ひやひやするよ。ヒーターを止めようか?とか考えるものな」
「ガソリン車に乗れた頃がなつかしい……」
「忘れろ忘れろ、今や博物館か金持ちのガレージの中でしか見られんからな」
「地球温暖化の元凶みたいに言われてましたからね」
「そういえばまた1基、火力発電所の跡地に原子力発電所が建つらしいよ。クルマ社会を支えていくには電気が足りないんだとさ。石油が枯渇しているんじゃ文句も言えないしね」
「昔はあんなに反原発って騒いでいたのに。世の中は良くなっているのか、悪くなっているのか……」
「誰にも未来に関しては確かなことはわからないよ。今をせいいっぱい生きるだけさ」
「言えてますね」



今年もあっという間に大晦日になってしまいました。今日、本を少し整理していたら講談社ブルーバックスの物理のアタマで考えよう!が出てきたので読んでみると、バッテリーの充電密度が革新的に大きくなっても、充電スピードはそれほど上げられない、なんてことが書かれていました(自分の理解が間違っているかもしれませんが)。その記事にヒントを得て書いたのが上記の(未来での)ヨタ話ですが、テキトーな内容なのでご批判は容赦願います。だいたい電気自動車のバッテリー交換というインフラを作ろうとすると、かなり難しいハードルをいくつも解決しなくてはいけないらしいので、実現するのかどうか……

しかし本当に早い1年だった……
 日曜日の朝、腹がへったので冷蔵庫を開けてみると、食べられるものが何もなかった。
 仕方がないので近所のスーパーへ買い出しに出かけた。普段、買い物はほとんどコンビニで済ましているので、スーパーに入るのはひさしぶりである。

 面倒なのでカップめんでも食べようと思い、何気に陳列してあるものを手にとった。ふと原材料表示の下に、見慣れない表記があることに気がついた。『本品は超加工食品のため、がんのリスクが高まる可能性があります』……なんだこの表示は? 今度は近くにあったチョコレートを見てみると、原材料表示の下に『本品には砂糖が多く含まれるため、摂りすぎは虫歯や糖尿病の原因になることがあります』と書かれていた。

 何だか嫌な予感がしたのでスーパーの中を回り、他の商品も確かめてみることにした。案の定、コーヒーには『本品は焙煎されているため、アクリルアミドが含まれます。多量の摂取はがんのリスクが高まる場合があります』、清涼飲料水には『本品には人工甘味料のアスパルテームが使用されており、摂り過ぎは健康リスクが生じる可能性があります』、菓子パンには『本品に使用されているマーガリンにはトランス脂肪酸が含まれており……』と、最後まで読むのが嫌になってきた。やれやれ。どうやらほとんどの加工食品に、健康リスクについての表示が追加されているようだ。

 すっかり食欲がなくなったので、ミネラルウォーターだけ買ってスーパーを出た。ミネラルウォーターにも『ペットボトルには発ガン性物質ビスフェノールAが使用されているため、消費期限内にお召し上がりください』という表示がされていたが、あえて無視をした。今日のうちに飲んでしまえば問題はないだろう。

 家に帰るとすぐにテレビのスイッチを入れた。モニタには真面目な表情の女子アナが、淡々とニュースを読み上げている様子が映し出されている。
「……昨日より、すべての加工食品に『健康リスク表示』が義務付けられました。政府によれば、消費者保護の立場から国民の『健康』と『知る権利』とを最大限に尊重した措置である、とのことです」
「確かに『健康』や『知る権利』は大事だと思うけれど」コメンテーターがしたり顔で意見を挟む。「いくらなんでもやり過ぎなんじゃないかね。恐ろしくて何も食べられなくなってしまう」
「食品業界からは猛反発があったようです」女子アナが言う。「食品の消費が落ちこんで、景気にも悪影響があるかもしれませんね。健康と景気、どちらを優先させるのかは、たいへん難しい問題ですが」

 ニュースによれば昨今の医療費増加にともなって、できるだけ国民ひとりひとりに健康に対して関心を払ってもらい、医療費を抑え込みたいというのが政府の思惑らしい。リスク表示を見て食欲が減退する人がでるのも計算済みで、国民の肥満防止が期待できるという。

 街頭インタヴューはこんな感じ。

 27歳、男。会社員。「けっこう健康に気を使うほうなんで、選ぶときの参考になりますね」
 33歳、女。主婦。 「これからどんな料理をつくったらいいか……。困りますねえ」
 72歳、男。無職。 「あんなもんを気にしていたら何も食えなくなるわ! ワシは食いたいものを食いたいだけ食うぞ!」

 ニュースによれば、現在は加工食品のみ対象だが、将来的に他の商品にも広げていくという。オープンカーのダッシュボードに『過度の紫外線を浴びると、皮膚ガンのリスクが高まります』、スマホに『電磁波を浴びすぎると健康に悪影響がでる恐れがあります』、テレビに『長時間見続けると、視力が低下する恐れがあります』……と、想像しているうちに頭が痛くなってきた。

 そのうちリスク表示の下に、さらに『この表示を気にしすぎると精神衛生に悪影響がでる恐れがあります』という表示を追加する必要があるんじゃないかと考えて、うんざりしてきた私はテレビのスイッチを切った。



………なんてことを、カリフォルニア州の「コーヒーに発ガン性リスク表示義務づけ」のニュースを見て妄想してしまいました。念を押すまでもありませんが、この話はフィクションです(カリフォルニア州〜は本当)。
とはいえ、コーヒーは3杯程度なら健康に良いって言ってたじゃん! てな感じで、私の妄想が現実化してしまう可能性もゼロではないのかもしれません。
しかし気にし過ぎだよ……お釈迦サマの教えにしたがって、なにごとも「ほどほど」にしておけばいいってことなんでしょうけれど。
やっと博士とコンタクトを取ることができた。博士は世界の裏事情に詳しく、「日本のスノーデン」と呼ばれることもあるという。本名を明かすことはできないが、仮に「W博士」としておこう。

W博士が指定したのは表通りに店を構えた喫茶店だった。博士は神経質そうにタバコを吹かしていた。
「こんな目立つ店でいいんですか?」
「君は心配はしなくていい。それより君の質問はアレだな、昔話題になった『第三の選択』の件についてだったな」
『第三の選択』とは1977年にイギリスで放送されたフェイク・ニュースのことだ。米ソ(ソ連はロシアになってしまったが)が秘密裏に火星移住計画を進めているというものだ。
「温暖化で将来、地球が生存に適さない世界になってしまう。その前にエリートを火星に脱出させようという計画が密かに進行している、というストーリーだったと思います。そのための前哨基地が(アポロ計画を隠れ蓑にして)月面に造られたとも言われていますね。もちろんフェイク・ニュースなんでしょうけれど……」
W博士はタバコを灰皿に乱暴に擦りつけて火を消した。「ミス・ディレクションだよ。誤導だ。人々の目をそらすために意図的につくられた神話だよ」
「? では、本当の陰謀がこの裏に隠されているのですか」
「当たり前だ。だが断じて火星なんぞに少数のエリートが移住するなんてことは有りはせん。マジシャンが右手を示したら、われわれは左手に注目しなければいけない」
W博士は新しいタバコをくわえ、マッチで火をつけた。「考えてみたまえ。たとえ核戦争や細菌戦争で人類が滅びたとしてもだ、それでも太陽系の中で地球がいちばん生命の生存に適していることに違いはないのだ。少々の温暖化程度のことで地球を捨てるか??」
「博士、それでは……」
「海底だよ」W博士は有名な石油会社の名前を挙げた。博士によるとメタンハイドレートの採掘目的で作られた施設のいくつかが、実際のところ海底都市として機能するよう設計されているらしい。
「われわれが火星に注意を奪われている間に、大国が資金を出しあって海の底に人間が住める世界を建造しているのだ」
博士の言葉がだんだん熱を帯びてきている。「まだまだ海底には豊富な資源が眠っている。少数のエリートを養うには充分な量のエネルギーがね」
「1960年、某国某所で秘密の会議が開かれた。もし世界が危機的な状況になった場合、どうすれば人類を再び繁栄させることができるかというのが議題だった。彼らの頭には『地球温暖化による壊滅的な環境の悪化』が念頭にあった」
「当初、地球を脱出して火星に移住という案も出されたが、非現実的として早々と却下された。それよりも海底に都市を作り、地上が生存に適さなくなったら一時的に避難するという案が可決された。著名な学者の見解では『長くとも20年も経てば地球環境は回復し、再び地上に戻れるようになる』という試算が検討された。いささか希望的観測に過ぎるきらいがあるが、地球を捨てるという選択は抵抗があったようだね」

「しかし地球が人類の生存に適さなくなるのは、ずっと先の未来なのでは?」私は博士に疑問をぶつけてみた。話の腰を折られた博士は不機嫌な表情になった。
「温暖化だけでなく小惑星だって地球に衝突するかもしれない。太陽フレアだって巨大なやつが発生したら、どんな影響があるかわからん。どこかのバカな国が核ミサイルを発射するかもしれんし、細菌兵器をばら撒かんとも限らない。過去において様々な種が滅んできた。人類滅亡という事態は、たった今起きたとしても全く意外な出来事ではないのだよ」
「私が得た情報によれば、海底施設は2026年ごろに完成するらしい。単に予定通りなのか、その頃地球に何か良からぬ事態が発生する可能性があるのかは判らんがね」

私は博士に礼を言うと店を出た。そして歩きながら博士の言ったことを考えた。確かに火星に人類を移住させるくらいなら、海底や地下に居住環境をつくった方が安上がりだろう。定期的に地上をモニタリングして、安全が確認されたら地上に戻る。少数のエリート集団が。

このシナリオに納得がいかないのは、自分がそのエリート集団に属していないこと。そして地球に危機的状況をもたらした原因が例えば核兵器の使用だったりした場合、その元凶がエリート集団のメンバーの中にいる確率が高いというところか。

今までの話が全部、W博士の妄想の可能性もある。孤独な科学者の歪んだビジョンなのではないか。

まあ人類は愚かだし、自分も人類の一員だ。あまり暗い未来は考えずに、明るい面に意識を向けて生きていくしかない。いつだって希望は最後まで残っているものだから。





もちろんこの話はフィクションです。W博士の妄想ではなく、私の妄想です。日曜の朝から暗い……
やっと明日の会議に使用するパワーポイントのプレゼン資料がまとまったので、僕は気分転換に自販機で缶コーヒーを買ってくることにした。

廊下を歩いていると、隣の部署の先輩が歩いていた。手に何やら「C」のカタチをした器械を持っている。

「先輩、何ですかソレ?」

「ああこれか?」先輩は後をついてくるよう、僕に手招きをした。

ホイホイと後をついていくと、そこは屋外の喫煙所だった。我が社は、もう何年も前から分煙のために屋内でタバコを喫うことは禁じられている。

先輩はその器械を首にはめるとスイッチを入れた。ヒューという音が聞こえてくる。そしてポケットからタバコを取り出し、口に咥えた。

「これは首にかけるタイプのエア・クリーナーだ。最近買ったんだけどな」先輩はタバコに火をつけた。「副流煙とか問題になってるだろ。ウチも子供がまだ小さいんで、カミさんがうるさいんだ。本当はやめたいんだけどね、喫煙」

「先輩の部署、結構キツいって有名ですからね。タバコやめたらストレスで参っちゃうんじゃないですか?」

「そうなんだよ。ところで『「健康に良い」は体に悪い 高田明和/著』によれば、イギリスで禁煙をした医者がその後どうなったかという調査があったそうだ」唐突に先輩は本の名前を挙げた。

「禁煙したってことは健康になったんですよね、普通に考えれば」

「死亡率は9パーセントほど低下したそうだ」

「やっぱりタバコは体に悪いんですね」

「しかしだ……」先輩は僕の目をじっと見据える。首に巻いた器械が気になって仕方がない。先輩は言葉を続けた。「確かに心筋梗塞・脳卒中・肺がんの死亡率は下がっているんだが、肝硬変や自殺、事故死は増えているんだ。自殺は48パーセント、事故死に至っては84パーセントも増えている」

「え? どうしてですか」

「今までタバコで紛らわせていたストレスが、うまく解消できなくなったのでは?と考えられているようだ。タバコのかわりに大酒を飲んでストレス解消の結果が肝硬変じゃやりきれないよ」

「自殺や事故死ってのも、ストレスでメンタルにダメージを受けた結果でしょうかね?」

先輩は口から青い煙を吐いた。煙は首に巻いた器械に素早く吸い込まれていく。「結局、喫煙を続けた医者と禁煙をした医者の死亡率の差については約5パーセント。これを大きな差とみるか、些細な違いとみるかだな」

「禁煙するには、まずストレス解消法をしっかり確立してからが良いってことですね」

先輩は頷いた。「俺も禁煙したいんだが、その結果が事故ったり自殺ってのは勘弁願いたいよ」

「そういえば、タバコをっている人はアルツハイマー症になりにくいって聞いたことがあります」

「タバコも百害あって二、三利あるわけだな。しかしこんな首輪をしなくちゃならないなんて屈辱的だよ、まったく」

先輩は首の器械をさすりながらニヤリと笑った。「どうだ、お前もつけてみないか? これはタバコの煙だけでなく花粉も吸いとるんだ。春先なんか花粉症の心配をしなくていいぞ。それにインフルエンザみたいなウイルスも吸い取って滅菌してくれるんだ。さらに適度な振動で首回りの血流も良くしてくれるから肩こり防止にもなる。すごいだろ?」

「いや、遠慮しておきます」僕は首を横に振った。「そんなのつけていたら、人目が気になってストレスになっちゃいますよ。やっぱりストレスが悪いって結論になっちゃうんですかね?」

先輩は少し悲しそうな目をしながら煙を吐いた。「タバコを喫ってストレスを防ぐ代わりに健康を犠牲にするか、禁煙してストレスを我慢しても健康をとるか、それが問題だ」
 日曜日の朝、コーヒーを飲みながら、ふと『そういえば、しばらく洗車してないな』と思いついた。多分、一カ月以上前にクルマを洗ったきりだ。

 久しぶりに洗車するか……だが今は一月、自分で手洗いするのは厳しい。かといって洗車場へ行っても、洗車機のブラシが凍っているだろう。

 まあ、クルマの洗車は午後からにしよう。ぬるくなってきたコーヒーをすすりながら、テレビのスイッチを入れる。モニタには真面目な表情の女子アナが、淡々とニュースを読み上げている様子が映し出されている。
「……総理は2020年までに『児童運転』を実現させるよう、指示を出しました。関係省庁は対応に追われています」

 児童運転? なんだそれ。なんか聞いたことがあるような、ないような。もしかしたら私はまだ布団の中にいて夢を見ているんだろうか……

「……児童運転は、低年齢のうちから運転技術を学ばせ、高い運転スキルを身につけさせようというものです。小学生低学年のうちからクルマの運転に慣れさせることにより、将来的に事故件数の減少が期待されています。もちろん決められた敷地内での運転とし、公道を走ることはできません」
「確かに子どものうちからクルマを運転させていれば、そりゃあ上手になるだろうけれど」コメンテーターがしたり顔で意見を挟む。「絶対、親のクルマを勝手に乗り回すガキ……児童が現れると思うんだが」
「政府の発表によれば、自動車メーカーに働きかけて、クルマのハンドルに指紋認証機能をつけて、子どもが勝手に運転できなくする方式を採用させるようです。なおクルマの内部にカメラを取り付けて、顔認証システムにすべきだという意見もあるようです」

 ニュースによれば、英語教育だけでなくクルマの運転技術も低年齡のうちから始めたほうがいいらしい。社会に出る頃には運転はプロ並み、即戦力になるというわけだ。

 また「交通ルールや道路標識などをしっかり覚えさせることで、交通事故が減少する」という狙いに関しては、ただ教えても興味を示さないから、運転をさせることによって児童の学習意欲を引き出そうということらしい。

 ところでこの案、某大手自動車メーカーのゴリ押しではないかという噂がネットなどに流れているようだ。幼い頃からクルマに親しませることによって、深刻な若者の「クルマ離れ」を解決しようというのが狙いだという。

 将来クルマを買ってくれる客の創出、そして学校に納入する、軽自動車よりも小型規格のクルマの制作。低迷を続けているクルマ業界の活性化につながることは間違いない。

 そして例によって、児童運転に関するいっさいを取り仕切る民間団体ができる。そこに官僚のお偉いさんが天下りをするという図式が見え隠れしている。

 あくまでもネットに流布している噂だが。

  解説者の談話では「クルマに関しては何重にも税金が取れるので、ドライバー人口が増えることは政府にとっては好都合なのだろう」だそうだ。

 テレビでは国会議事堂の前で行われたデモの様子も映し出されている。「児童運転反対!!」と書かれたプラカードを手にした市民らが、口々に「クルマは凶器だ!!」「子どもを洗脳する気か!!」「天下り反対!!」などと叫んでいる。

 街頭インタヴューはこんな感じ。

 27歳、男。会社員。「本当なの? 今の子どもはうらやましいね」
 33歳、女。主婦。 「うちの子どもが暴走族にでもなったらどうしましょう?」
 72歳、男。無職。 「ガキのうちからクルマの運転なんぞさせたら、ろくな大人にならんわい!」

 やはり児童運転に関しては、賛否両論のようだ。どうせやるなら運転マナーをきっちり教育してほしい。暴走行為をするドライバーにはなってほしくない。

 しかしクルマの洗車は面倒だ。いくら暖冬とはいえ少々寒い。コイン洗車で済ますとするか……。



……相変わらずバカバカしいクオリティの低いネタでスイマセン。念を押すまでもありませんが、この話はフィクションです。
しかし「自動運転」が現実の世界がすぐそこまで来ているというのは、本当に信じられません。技術の進歩って本当に凄いですね。早く自動運転のクルマに乗ってみたい……

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