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◆CHARLIE HADEN-QUARTET WEST/ Always Say Goodbye/ VERVE 521 501-2 ♪ ♪

 なだらかな坂道、僅かに湾曲したいつもの森閑とした黒い小径をゆっくりと登る。  宵闇が林立し覆い被さる樹木をゆっくり呑みこみ音もなく吐き出している。 その吐息がびっしり降りてきてからみつく。 囚われ人の影が靄のやうに流れていく。 風となって新しい寂寥が二人を襲う。 自分を確かめるためにポケットの中で掴んだ手に力を込めてみる。 遠い日のことが砕けて思惟を駆ける。 ごつごつしたのと優しいのが体温を感じて力を緩める、安堵のためか手に汗はかかない。 黒い小径が絶える頂上でお互いの背を見せて離れるのだが、………を吸う。 『……ね。』 

◆Charles Gayle/ Solo In Japan/ PSFD-94   

 なんだかあたりは薄暗く、淡青色の靄が立ちこめているようだった。     黒い雲が低くたれ込め、靄に覆われ暗い。    天と地の間に雷鳴が轟き渡る。   執拗な繰り返しであり、さっぱりとした退却である。    起承転結は、いつでも明確であり、不思議でさえある。    土砂降りのこう配を、喘ぎながら蒸気エンジンが突き進む。     信じるものに向かって邁進することはなく、ひたすら地を這う。     衝撃と炸裂を繰り返し、どこまでも狂宴を繰り広げる。    不作法な閃光は、事物の偏った面をされけ出す、嫌いだ。     冷ややかな風を呼び、熱いエンジンを優しく宥めてくれる。    “狂気の文明からの偉大な逃走”ではない。    水と風、雷神の楽しい饗宴。    明晰を極めた混沌の渦動に心奪われる。     黒い推進体は景観であるが、皮膚感覚を持った生物である。    推進しつつ、炉でなにか香ばしいものを、焼いていやしないか。    きかなくなったガキのように、いっそうわめき散らす天上の騒音は、懸命のようであり出し惜しみがなく立派である。    なんのためにそれほど邁進するのか?。    とてつもなく重い黒い鉄車を雨に打たれて引きずっているのは、何がそうさせるのか。     動機は、朝日のようにキッパリと新鮮でみずみずしいのか。     情熱は失せてないだろう。    低くたれ込めた天上の轟音と鉄路を邁進するピストンは競わず、牽制せず、意識もせずビーズのような小さい目玉を光らせる、両性類の棲む地平で解け合う。    一体となり水煙を浴び、呼吸し、吐き出し振り返らない。    無辺際に広がるあちら側に、途方もなく吸い込まれる。    黒い鉄に弾けた滴は反射をまき散らす。    もうもうたる水煙は、憤怒の発熱なのか有象無象の飛沫か終演か?。    激しい運動体の後ろ姿は成就の満足からか、静謐で穏やか。    地や草木、石くれを打ち続ける拳を透かして、『カラン…*、コロン…*、……!。』澄明な明るい解放の歓びに満たされた、賛歌が追いかける。     荷馬車のような平穏な安堵が追いかける。   不思議な心惹かれる魅力的な葬列。    熱く冷徹なパラノイヤは、眺めて倦むことがない。

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