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小説・・「総理殉職」
40日間抗争で急逝した大平正芳
杉田望著 大和書房 2600円(税別)
今、この本を読み終えたので、早速、印象を書きたいと思います。
大平正芳氏は、1972年の”三角大福の争い”から、田中角栄、三木武夫、福田赳夫に続いて、1978年に第78代の総理大臣に就任し、第79代と歴任、1年半の在任を果たした人です。
というよりも、演説や会見での”アーウー”と言葉が詰まる姿から、何を言っているのか分らない”アーウー宰相”とか、”讃岐の鈍牛”と揶揄された総理大臣と言った方が、ピンと来る人も多いかも知れませんね。
私も、この小説を読むまで、”決断できない人””パッとしない総理”という印象しか残っていませんでした。
でも、”人には歴史あり”と言われるほどに、少しでも、その人物像に触れてみると、自己の印象が如何に”いい加減”なものかを知らされます。そして、それは、往々にして、後になって気づくことが多いですね。
この本は、そのことを知らせる本であり、改めて魑魅魍魎渦巻く政界を垣間見せてくれました。
以下、小説の原文を引用
大平正芳は寡黙な政治家だ。何かにジッと耐えるように物事を考え、決して急ぐことなく自らの政治理念を実践しようと心がけた男だ。華やかさに欠け、行動は鈍牛の如しであった。
マスコミはパフォーマンスでわからせる、わかりやすい政治家を好むものだ。その意味で、大平正芳は、マスコミの受けは悪い。パフォーマンスを嫌うわかりにくい政治家であった。
大平が好み、信条とした言葉がある。
「一利を興すは一害を除くに若かず」
元王朝の名臣耶律楚材の政治家を戒める言葉だ。すなわち、新しい利益になることをするよりも、害になっているものを取り除いたほうがよいという意味だ。大平はパフォーマンス政治を徹底して嫌った。
では、一体、彼は何をしたのでしょう。
池田勇人氏を師事し、裏で支え、支持母体である”宏池会”を結成しました。
”アーウー”の割には、意外と外務大臣の在籍が長く(吉田茂氏に続いて2番目)
、日中国交正常化の立役者ですね。だから、国内での評価よりも、外国での評価が高いとあります。
彼が目指したものは何なのでしょう。
平和維持の考え方として、総合安全保障政策と名づけた、周辺諸国と軍事のみならず経済と外交を絡めた政策の推進。
田園都市構想として、農村と都市の共存共栄の国家戦略。農村に都市の豊かさを、都市に農村の自然の豊かさをというものです。
家庭基盤の充実。やはり、国民の生活の基盤が、最も大事と考えたに違いありません。
今や、政治不信は極限に達し、政治家の言葉には、何ら信頼もできない様相ですが、そんな状態でも、政治に活路を見出さなければ、日本に光明が射すことはないと思います。
それには、やはり良い政治家、資質の高い政治家を選択する必要があり、この本は、その選択のための参考にもなるかと紹介させて頂きました。
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大平元首相:私の印象は’アーウー’と’クリスチャンで物静かな人’でした。(笑い) この人は何を残したのか記憶が無いですよね。 それだけ印象→存在感が無かったみたいでした。(笑い)日本は官僚がお膳だてをしてくれてそれに乗っかっている感じがしました。答弁も官僚の作文を棒読みする人もいましたよね。
2008/6/13(金) 午後 2:26
そうなんですか
表面だけでは分かりませんね。
当時、誰かが言ってましたが顔に似合わず心の優しい人だと言ってました。
我々には、政治家は縁が無いですがこの様な本を読むと面白いかもしれませんね。
2008/6/13(金) 午後 10:05
wikipediaに「アーウー」の割には頭が良かったし、ユーモアのセンスがあったというような内容が書いてあったように思います。
2008/6/14(土) 午前 0:34 [ tenkai ]
この大平首相も印象に残っていないですね。
やっぱり、悪者が印象に残るのでしょうか?
2008/6/14(土) 午後 8:03 [ - ]
昭和の政治家という印象です。確かに今の政治家より優秀な面もあったでしょう。でも、拉致問題も当時の政治家がしっかりしていれば起きなかったのかも?
今の政治家に無いとすれば、この時代の政治家の執念では?
2008/6/15(日) 午前 9:29
この時代の自民党は、振子の原理が働いて、右に左に様々な人物が
それぞれの主張をしていました。
今の自民党は、極右しか残っていません。
このような自民党政治は終わらせるしかないと思います。
2008/6/16(月) 午前 7:56 [ - ]
まぁ、当時の政治家の方が今のそれよっかまだ見どころがあったということでしょうね。当時の角福戦争とか見ても不謹慎かもしれませんがスリルがあったように思えますね。
それに比べ、今の福田X小沢の戦いには何もときめかないし、期待もしてませんね。
2008/6/17(火) 午後 2:50 [ - ]
kenji 様、確かに、私も”アーウー”以外に、何の印象も残っていませんでした。ただ、この本は、水面下での総理の椅子の分捕り合戦の様子が垣間見えて、面白かったです。
2008/6/17(火) 午後 6:31
みのちゃん 様、大平元総理について、”意外だな”と思うところが多くありましたよ。
2008/6/17(火) 午後 6:32
tenkai 様、私もwikipediaを読みましたが、意外と好意的に書かれていますね。
2008/6/17(火) 午後 6:33
Takako yume 様、そうですねぇ、悪いことをすれば、メディアは競って報道しますし、社会問題にも発展しますからねぇ。
2008/6/17(火) 午後 6:35
ピスパ 様、確かに”拉致事件”をおざなりにした責任は大きいですね。
2008/6/17(火) 午後 6:35
秩父雲竜 様、なるほど、今の自民党は、どちらか強い方に、皆で動きますからねぇ。
2008/6/17(火) 午後 6:36
荒〜wildnorse〜鼻 様、そうですねぇ、醍醐味にかけるのですよね。
ちなみに、この本では、三木武夫氏や、福田赳夫氏は、相当、意地悪く書かれています。そんなところも、面白かったです。
2008/6/17(火) 午後 6:39
こんばんわ、kokoさま。コメントのお返事を頂戴する際のHNですけど、今まで通りwildnorseでいいですよ。余計なのをつけてお手をわずわらせてすみませんでした。
2008/6/17(火) 午後 10:40 [ - ]
wildnorse 様、お気遣い、わざわざありがとうございます。
2008/6/18(水) 午前 5:23
外務省の秘匿問題に関しても、最近「大平正芳」さんの評価が上がっていますよね。
大変面白そうな本です。
2010/4/3(土) 午前 11:26 [ dalichoko ]