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小津安二郎監督作品・・"東京物語"
年齢を重ねると食べ物と同じように、映画の好みも変化するようです。
四十代までは、"マカロニ・ウェスタン"に始まり、"007"や"ダイ・ハード"などのアクション映画に夢中でありましたが、50代を迎えた現在、静かに心に染みる映画も好んで見るようになってきました。
最近でも、”麦秋””晩春””お茶漬けの味”"秋日和"など小津安二郎監督作品を立て続けに見て、原節子、佐分利信、東山千栄子、田中絹代、杉村春子森雅之、佐野周二など伝説的名優たちの演技の中で、日常の何気ない物事の中にある人の営みの大切さに感銘を受けました。
特に熊本県玉名市出身の笠智衆さん主演の”東京物語”は印象に残ります。岡山県の尾道から、老夫婦(笠智衆、東山千栄子)が、成長して東京で暮らす子供たち(山村聡、杉村春子)の家を訪れ、子供たちを含めた世の移り変わりを実感するという作品です。 子供たちは、優しく接してはくれるものの、ゆっくりと話す時間も無いほど日々の仕事に追われる毎日であり、老夫婦は、次第に寂しさに似た物足りなさを感じていきます。
それを、笠智衆さんは、”あぁー””おおー”というだけの単一の台詞回しやお茶を飲むなどの小さな動きだけで、得も言えない哀感を表しています。まさに秀逸の演技です。
そんな中、老夫婦の心を埋めるのが、戦争で亡くなった次男の妻(原節子)です。熱海旅行など子供たちのお金を使っただけの”もてなし”ではなく、職場を休んでまで老夫婦の東京見物に同行し、彼女の小さなアパートに招待し接待します。
人の老いとは避けられないものです。その老化の寂しさが広がる過程の中で、その寂しさを少しでも柔らげるものとは、やはり生身の人間との真心のこもった多くの接点ではないかと、少子高齢化、核家族化が進む現代への教示にも写ります。
そんな人々の心象を、言葉による説明ではなく登場人物の小さな所作(動き)に表し、街角や海の波間など風景に同化させた小津監督の手腕に畏敬の拍手を送りたいです。
50才を過ぎ両親を亡くした今となって感じるとは誠に残念なことでありますが、私も残りの人生、少しでも真の慈愛を持って、人々と接していけたらと思ったりしたところです。
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最近、何故か、韓流歴史ドラマに嵌っています・・・!(笑)
2010/11/17(水) 午前 11:02
ほんとに年齢とともに食べるものが変わってきましたね
若い頃は脂っこいものを多く食べてましたが今は食べれません。
映画もkokoさんのように若い頃は洋画専門でしたが今は日本映画もいいものがあります。
歳とともに人とのふれ合いが大切と感じるようになりました。
2010/11/17(水) 午後 11:30
コメントありがとうございました。
あまりにも立派は映画評論であり、哲学的人生観だったり感心しております。まだまだお若いのですから、これからもご活躍を!
2010/12/13(月) 午後 3:25 [ 生きる。 ]