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映画「アラビアのロレンス」(1963年 イギリス)
監督 デヴィッド・リーン 主演 ピーター・オトゥール
2012年の夏のオリンピックの開催地は、イギリスのロンドンに決定しました。
しかし、その一方では、世界の火薬庫と言われる中東問題はくすぶり続けたままです。
そして、悲しいことに、ロンドンでは、テロによる連続爆破事件が起こっています。
そこで、今日は、近代において、イギリスが中東に関わった重要な戦争を描いた映画、
アカデミー賞7部門に輝いた傑作、「アラビアのロレンス」について書いてみます。
1914年、第一次大戦、砂漠の利権を狙うトルコ軍はアラブ人たちと激突する。
アラブの独立に燃えるイギリス将校T・E・ロレンスは、ゲリラ隊を率いて獅子奮迅
に活躍し、ようやくアラブ人を勝利へと導く。
しかし、彼を待っていたのは、イギリス軍上層部のアラブの利権への狡猾な策略と
味方と信頼したアラブ人の先進国への寝返りだった。
壮大な砂漠シーンをバックに、英雄T・E・ロレンスの情熱と苦悩、そして挫折を映し出した
万民が認める傑作であります。
第1次大戦下、イギリス政府は、
「バルフォア宣言」で、パレスチナにユダヤ人の民族的郷土を設立することに賛成し、
「フセイン・マクマホン協定」では、アラブ人の独立国家設立を約束、
そして、「サイクスピコ協定」では、イギリスとフランス、ロシアによる分割統治する
協定を結んでいます。
この「3枚舌」外交により、現在の紛争がいっそうの根深さを持ったと言えるでしょう。
そして、現在のイラク戦でも、イギリスは世界のリーダーのように参戦してきています。
この映画では、アラビアの王子(アレックギネス)に、
「青年の血気を借りて事を起こし、平和的収拾は、大人(大国)が
甘い汁を吸いながら行おうということか。」
と、語らせています。
国益を守るとはこういうことなのでしょうか。
甘い汁の前には、国際正義などは、青臭い世迷言となるのでしょうか。
理想を胸に戦った若きT・E・ロレンスは、今は黙して語りません。
今度は、私たちが、その答えを出す番かも知れません。
この映画がイギリス映画により製作されたことが救いかも知れません。
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