|
映画・・「岩下志麻主演・・古都」
1963年 日本 105分
監督 中村登 原作 川端康成 脚本 権藤俊英
出演 岩下志麻 長門裕之 宮口精二
京都の落ち着いた風情を随所に散りばめて、日本人が失くしかけている”奥ゆかしさ”や、”思いやり”を感じさせてくれる作品です。
京都、呉服問屋丸太屋の一人娘の千恵子(岩下志麻)は、何不自由の無い暮らしをしていました。でも、ただ一つ気がかりな事は、彼女が、この家の本当の子ではなく、この家の前に捨てられていた子供ではないかと疑っていることです。
この家の両親は、決して捨てられた子などと明かすことはなく、逆に2人で赤子を盗んできたと嘘の謝罪を繰り返します。
しかし、そんな説明を千恵子は信じようとしません。
そんな中、千恵子が北山の杉林に行った折、自分にそっくりな娘(岩下志麻 二役)を見かけます。そして、祇園祭の宵宮では、その娘に偶然再会。千恵子は、娘が苗子という名前であり、双子の妹であることを知ります。苗子は、山林所で働いていたのでした。
千恵子は、呉服問屋に苗子も一緒に住むように提案しますが、苗子は、姉に迷惑がかかることを気にして断ります。
この映画では、性格の悪い人物は、ほとんど登場しません。皆んな、相手の事を思い、自分に正直に暮らす善人ばかりであります。
この映画を今風に変えれば、姉だけが良い暮らしをしていると”妬み”や、育ての親からの”いじめ”の映画になってしまうのではないでしょうか。
でも、この映画には、ほとんど、そのような邪念は垣間見ることがありません。まっすぐに伸びる北山杉のように凛として、”思いやり”に満ち溢れています。そして、それが、随所にカットインされる京都の町並みと調和して、何とも言えない”奥深さ”を感じさせています。
やはり京都、日本が誇る街であり、”古都”であると改めて思ったところです。
|