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シナリオ・「時代劇・・風の拾佐」

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 無謀にも時代劇のシナリオを書いちゃってます。お暇な時に、良かったら、読んで下さい。

 八代将軍、吉宗公の時代、剣の腕は天下無双、でも仲間には臆病で、弱虫を装う、少々、おっちょこちょいの浪人・拾佐が、世の中の悪に立ち向かいます。

主な登場人物・・拾佐(貧乏な浪人)、おせん(小料理屋の女将)
        お清(行方不明の父を探す・目の不自由な少女)
        清太郎(町奉行所同心)、留吉(大工)、甚六(お清の父)
        辰(岡っ引き)、喜助(瓦版屋)


        シナリオ・「痛快時代劇・・風の拾佐(じゅうざ)」・(13)

〇準決勝の場面 拾佐、清太郎、共に勝ち残っている。
 清太郎と対戦者の石川道場師範代、織部勝本が正対している。
留吉「清太郎さん、あと2人勝てば優勝だな。」
辰「旦那ァ、きっとやってくれるぜ。」
おせん「拾さんも、勝ち残ってるってことが不思議だけどね。」
喜助「でも、今度の清太郎さんの相手は強敵だぞ。主催者の石川道場の師範代
  で鬼の織部ってぇ、えらく強い奴だからなぁ。」
留吉「えっ、あの江戸城にも、時々、剣術指南に出かけると言うあの織部か。
  やばいな清太郎さん。」
辰「何言ってやがる。旦那が負けるはずねぇじゃねぇか。旦那ァ、きっと勝つさ。」
〇観客の歓声が高まる。

審判「始め。」
〇何度か、木刀が合わさり、つばぜり合いで清太郎が吹き飛ばされる。
留吉「強い。強すぎるぜ。まさに鬼だ。今までの相手とぜんぜん違わぁ。」
辰「まっ、まだまだ。これからだ。」
織部「少しは、見込みがあるが、踏み込みが浅い。剣の抜きも遅いぞ。」
清太郎「とぁー。」
〇清太郎の飛び込みを、織部が避けて、清太郎の体勢が崩れたところ、清太郎の
 胴めがけて織部の木刀が叩き込まれていく。
〇「キャー」女性観客の悲鳴が響く。
○清太郎の銅に織部の木刀が当たる瞬間、どこからか木刀が飛んできて、織部
 の木刀に命中。織部の木刀を真っ二つに折る。
○折れた木刀の切れ端が、観客席のおせんたちの足元の地面に突き刺さる。
おせん達「ひぇーっ」おせん達、のけぞる。

○清太郎 その場にひざまづく。
審判「一本、それまで」
おせん達、清太郎の側に駆け寄る。
おせん「大丈夫かい、清太郎さん。」
辰「なっ、何でだよぉ。あの木刀さえ飛んで来なかったら、勝負は分らなかっ
 たのに。だっ、旦那が負けるはずがないんだ。」
留吉「そうだ、そうだ、あの木刀がいけねぇんだ。いってい何処のどいつだ、
  こんなことしやがるのは。」
○拾佐、奥で木刀も持たずにつっ立っている。
おせん「拾さん、まっ、まさか、あんたの木刀じゃあ。」
拾佐「すっ、すまーん、素振りしてたら、手がすべっちまったぁ。」
留吉「あちゃー、やってくれるね、拾さん。」
辰「何が手が滑っただよぉ。旦那、拾さんの精で負けちまったじゃないかぁ。」
拾佐「すまん、清さん。」
清太郎「よっ、よせ、みんな、拾さんの木刀が飛んで来なかったら、今頃、俺の
   アバラが2、3本折れてたところだったよ。助かったぜ。」
○清太郎、それでも木刀の残骸で傷つき、少しよろける。
 辰、清太郎を抱きかかえる。

〇一方、観客席に残されたお清に甚六が近づく。甚六の後を三人のやくざ者が追う。

辰「しっ、しっかりしておくなせい。旦那。」
一同「清太郎さーん。」
清太郎「悪いがお清坊の薬代を稼げなかったな。」
おせん「いいよ清太郎さん。よくやったよ。ねぇ、みんなぁ」
一同「おうよ、よくやったよ。」
おせん「それより、辰さん、清太郎さんを休ませておやりよ。」
〇一堂、清太郎を運ぶ。
 途中、おせん、出番を待つ拾佐に耳打ちする。
おせん「拾さん、もういいからね。怪我しないうちに早いとこ負けちゃいなよ。」
〇拾佐、苦笑いしてうなづく。

〇観客席 甚六、観客を押し分け、お清にたどりつく。
甚六「お清。ちゃんだよ。分るか。」
お清「ちゃーん。今まで何してたんだよぉ。心配してたんだよぉ。」
〇お清、甚六に抱きつく。
甚六「すまねぇ、お清。だが、こんなことしてる場合じゃねぇんだ。ここから、
  早いとこ逃げないと・・。」
お清「待って、まだ拾佐兄ちゃんの試合が・・。」
甚六「それどころじゃないんだ、急いで江戸から、離れないと命が危ねぇんだ。」
〇甚六、お清の手をとり、その場から去る。
 やくざ3人が、甚六の後を追う

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 無謀にも時代劇のシナリオを書いちゃってます。お暇な時に、良かったら、読んで下さい。

 八代将軍、吉宗公の時代、剣の腕は天下無双、でも仲間には臆病で、弱虫を装う、少々、おっちょこちょいの浪人・拾佐が、世の中の悪に立ち向かいます。

主な登場人物・・拾佐(貧乏な浪人)、おせん(小料理屋の女将)
        お清(行方不明の父を探す・目の不自由な少女)
        清太郎(町奉行所同心)、留吉(大工)、甚六(お清の父)
        辰(岡っ引き)、喜助(瓦版屋)


        シナリオ・「痛快時代劇・・風の拾佐(じゅうざ)」・(12)

○ 武家大会 一回戦 拾佐、対戦者Bと正対している。
審判「始め。」
〇拾佐、素振りを続けている。
おせん「まだ、素振りやってるよ。拾さ〜ん、いつまで、素振りやってるんだ
   ぁい。試合始まったよぉー。」
拾佐「たーっ。ありゃ?」
〇素振りをしていた拾佐の手から、木刀が抜け出る。拾佐、手をみつめる。
 抜け出た木刀が、対戦者Bの腹に当たる。
 対戦者B、倒れこみ、動かない。
審判「いっ、一本 それまで。」
留吉「ありゃ。勝っちゃったよ。あんなんで勝っていいのかよ。」
喜助「流派は問わないって、言うことだから良いんだろ。」
おせん「とにかく、勝ったんだから。いいんだよぉ。」
○拾佐、おせん達に手を振っている。
留吉「おいおい、こっちに手を振ってるよ。はずかしいなぁ。皆んな、知らん
  振りしとこうぜ。」
○一同、拾佐から目をそらす。

〇2回戦 清太郎の試合直後。清太郎が勝名乗りを受けている。
女性観客「すてきぃー。清太郎さーん。」
辰「さすがは、旦那だ。いよっ、ニッポン一ぃ〜。」
おせん「この調子だと、優勝できるわね。」
留吉「次、出たよ、出たよ、問題の拾さんが。」
〇拾佐、たすきを引きずるほど長めに結び、素振りをしながら試合場中央に進む。
喜助「また、素振りやってるよ。また、さっきの手を使うつもりじゃないだろうなぁ。」
留吉「いくら拾さんでも、それはないだろうよ。でも、なんだい、あの格好?
  あのたすき、長すぎないか。」
おせん「ほんと、みっともないねぇ。」
〇他の観客からも、拾佐に笑いと野次が飛ぶ。
観客「ワハハハ、この野郎、たすきの掛け方も知らねぇのかよ。教えてやろうかぁ。」

審判「始め。」
〇拾佐、素振りを続け、木刀を飛ばす。
 対戦者C、その木刀を簡単に叩き落とす。
喜助「あちゃー、やっぱりかよ。」
留吉「ばかだねー。同じ手が通用するかい。」
〇対戦者C、ニャッと笑い、拾佐に詰め寄る。
 拾佐、逃げ回る。
 対戦者C、追いかける。
観客から笑いと野次が飛ぶ。
観客「ワハハハ、バカヤロー、しっかりしろ。」
〇逃げる回る拾佐、つまづき転び、後ろの対戦者Cもつられて転ぶ。
 拾佐と対戦者C、団子状態で転がり止まる。
 拾佐の長いたすきが対戦者Cの首に絡みつき、対戦者C、気を失う。
〇審判、納得いかなそうに
審判「いっ、一本、それまで?」
留吉「また、勝っちゃったよ。」
おせん「勝っちゃったねぇ。」
お清「拾佐兄ちゃん、勝ったんでしょ?」

〇拾佐、おせん達に手を振る。
 おせん達一同、嫌々、苦笑いしながら、手を振り返す。
 お清だけ、大きく手を振る。

○観客の隅にいた甚六が、お清の姿を見つける。
 やくざ3人、甚六に気づく。

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 八代将軍、吉宗公の時代、剣の腕は天下無双、でも仲間には臆病で、弱虫を装う、少々、おっちょこちょいの浪人・拾佐が、世の中の悪に立ち向かいます。

主な登場人物・・拾佐(貧乏な浪人)、おせん(小料理屋の女将)
        お清(行方不明の父を探す・目の不自由な少女)
        清太郎(町奉行所同心)、留吉(大工)
        辰(岡っ引き)、喜助(瓦版屋)


        シナリオ・「痛快時代劇・・風の拾佐(じゅうざ)」・(11)

〇おせんの小料理屋
 拾佐、おせん、清太郎、留吉、双瓶、辰が食台を囲んでいる。
おせん「薬代残り十両かぁ。ちょっと厳しいなあ。清太郎さん、何とかならな
   い。」
清太郎「悪いが、御殿医への見料代で限界だ。」
一同「ハァー・溜め息」
〇暖簾を分け、瓦版屋の喜助が店に入る。
喜助「何でぃ、又、皆んな、しけた顔してんなぁ。やっぱり、お清坊のちゃんの
  行方は分らずか。」
拾佐「あぁ、それもあるが、今日は金の事だ。俺たち、金のことになると、全
  く、縁が無いもんなぁ。」
おせん「お清坊の薬代に、あと10両必要なんだって・。」
喜助「金ぇ、何でぇ、また金の話か。これだから、貧乏人は嫌いだよ。」
留吉「何だとぉ、じゃあ、喜助。おめぇには、あてがあるのかい。」
喜助「もちろんあるわけねぇよ。そうだ、この話はどうだい。」
〇喜助、食台に瓦版を広げる。

喜助「今度、深川の回向院で武芸大会があるってぇ話よ。何でも、日本橋で売
  りだし中の石川道場が、弟子集めの宣伝に、武芸大会を開くそうなんだ。
  優勝したら、賞金三十両だよ。どうだい、拾さん、ひとつ出てみたら?」
拾佐「さっ、三十両!そいつぁ、いい話だ。」
おせん「よしなって、拾さんが、剣術なんかできるわけないじゃん。武士の魂
   の刀だって質屋に取られてんだよ。怪我するのが落ちだよ。余計に高く
   ついちまうよ。出るんなら清太郎さんだよねぇ。」
一同「違げぇねぇ。」(笑い)
〇おせん、清太郎の顔を覗き込む。

拾佐「何で、始めっから決め付けるんだよぉ。」
清太郎「んー、武芸大会かぁ。勝てるかな。」
留吉「清太郎さんなら、大丈夫。何せ、一刀流の免状者だもんな。」
辰「当たりめぇよ、まぁ、旦那に勝てる奴ァ、この辺にゃいねぇよ。」
一同「そうだ、そうだ」
清太郎「よし、負けて元々で出てみるか。」
おせん「これで決まりだね。」
拾佐(独り言)「ようし、俺もがんばっちゃうとするか。」
〇お清、拾佐の着物の裾をギュッと掴む。

〇深川 回向院 武芸大会 会場。
 四角い試合場を囲んで、観客が座る。正面に、石川道場の道場主と師範代達
 が並んで座っている。

〇武芸大会一回戦 清太郎、対戦者Aと正対している。
おせん「清太郎さん、がんばってぇー。」
〇「キャー、清太郎さ〜ん」他の多くの女性観客からも、清太郎に応援がかかる。
留吉「すげぇ、人気だな。清太郎さんは。」
辰「そりゃ、そうさ、旦那ァ、なったって八丁堀の麒麟児って、評判だからね。」
喜助「うらやましーね、どうにも。」
○おせん、会場の隅で素振りする拾佐に気づき、喜助の肩を叩きながら
おせん「ちょっ、ちょっとちょっと、あそこで素振りしてるの拾さんじゃないの。」
喜助「ありゃ、ほんと拾さんだよ、ありゃあ。勝てるわけないのにねぇ、無茶だなぁ。」
お清「拾佐兄ちゃんなら強いから、大丈夫よ。」
喜助「お清坊が応援する気持ちは分るけどねぇ。拾さんじゃねぇ。」
辰「おい、皆んな、試合が始まるぞ。旦那ァ、頑張れぇ。」

審判「始め。」
〇何度か、木刀を合わせ清太郎が勝つ。
おせん「さすが、清太郎さんだねぇ。この分なら優勝できるよ。」
辰「なんたって腕が違わぁ。さすがは旦那だよ。」
留吉「おうとも。さてと、次は、拾さんかぁ、ありゃ、まだ、素振りやってるよ。」
喜助「拾さーん。痛くないように負けろよぉ。」
拾佐「ちっ、何てぇ、応援の仕方だい。」

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 無謀にも時代劇のシナリオを書いちゃってます。お暇な時に、良かったら、読んで下さい。

 八代将軍、吉宗公の時代、剣の腕は天下無双、でも仲間には臆病で、弱虫を装う、少々、おっちょこちょいの浪人・拾佐が、世の中の悪に立ち向かいます。

主な登場人物・・拾佐(貧乏な浪人)
        お清(行方不明の父を探す・目の不自由な少女)
        小川宝船(町医者)、お稲(小川の助手)


        シナリオ・「痛快時代劇・・風の拾佐(じゅうざ)」・(10)

〇突然、一人の侍Dが、玄関から中に駆け込む。
侍D「おおう、小川殿、頼む。すぐに診てくれ。」
〇侍D、小川を、玄関前に連れ出す。拾佐とお稲も後に続く。

〇小川診療院の玄関先
 大八車の上で、一人の派手な服装の旗本が腰を押さえて唸っている。その傍
 らに3名の侍が付き添い立っている。

小川「なんと、せわしないなぁ。一体、どうしたと言うんじゃ。」
旗本「せっ、先生、はっ、早く頼む。腰が」
小川「何、腰か。」
〇小川、旗本の腰を軽く叩く。
旗本「ひぃっ、たっ、頼む。早く。」
小川「う〜む、こりゃぁ、ひどい。少々、高くつくが構わんかな。」
旗本「かっ、金か金なら出す。いっ、いくらだ。」
小川「五両だな。」
旗本「ごっ、五両。そりゃぁ、高すぎる。」
〇小川、旗本の腰をポンと叩く。
旗本「ひぃっ、たっ、助けてくれ。だっ、出す。出すから早くしてくれ。おっ、
  おい、出してやれ。」
〇大八車の傍らに立つ侍D、懐から五両取り出し、小川に渡す。
 小川、お稲に渡す。

小川「それでは、始めるぞ。あんたら、大八車と患者を動かぬように押さえて
  くれんか。」
〇小川、大八車に乗り、旗本に馬乗りになると、力を込めて、3度旗本の体を
 ひねる。
 旗本、激痛に「ぎゃっ」と叫び続ける。
小川「こりゃ、思ったよりひどい。あと、五両上乗せじゃな。」
侍D「何だと、この藪医者。」
小川「あぁ、そっ、それじゃぁ、このままお帰りなさい。」
旗本「ひぃー。やめろぉ。かっ、金を、金を出せ。」
〇侍D、お稲に五両を渡す。
 小川、力を込めて、旗本の体をひねる。
旗本「ぎゃっ」
〇旗本、気絶。回りの侍、一斉に刀を抜く。
侍D「きっ、貴様、当家の主に何をしたのだ。そこに直れ。手打ちにしてくれ
  る。」

〇小川、前に出ようとする拾佐を制して
 小川「何をするって、病気を治してやったのだよ。」
侍D「治したって、性根を失くされたではないか。」
小川「そうだな、それじゃ。この御仁が目を覚まして、病が治ってなかったな
  らば、わしを切りに来るがよい。いつでも、切られてしんぜよう。さっ、
  分かったら、早く帰って、奥座敷にでも寝かしてやんなさい。後は、3日
  も安静に寝ていれば、じき治るじゃろうて。」
侍D「うむ、その言葉確かに聞いたぞ。覚えておれよ。」
〇侍たち、旗本を乗せた大八車を引いて去る。

拾佐「本当に大丈夫なんですか。あれで。」
小川「当たり前じゃ。あれは、軽いぎっくり腰じゃ。それより、運良く十両入
  ったな。拾佐、お清坊の薬代が、あと十両になったぞ。」
拾佐「じゃぁ、今の十両は!」
お稲「だから、うちの先生は日本一の名医と言ったでしょ。御殿医の室井隆兼
  先生は、長崎時代、うちの先生の弟子だったんだからぁ。」
拾佐「はぁ、・・。」
〇拾佐、開いた口がふさがらない様子

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 無謀にも時代劇のシナリオを書いちゃってます。お暇な時に、良かったら、読んで下さい。

 八代将軍、吉宗公の時代、剣の腕は天下無双、でも仲間には臆病で、弱虫を装う、少々、おっちょこちょいの浪人・拾佐が、世の中の悪に立ち向かいます。

主な登場人物・・拾佐(貧乏な浪人)
        お清(行方不明の父を探す・目の不自由な少女)
        小川宝船(町医者)、お稲(小川の助手)


        シナリオ・「痛快時代劇・・風の拾佐(じゅうざ)」・(9)

〇大声の白衣の男女が駆け寄る。
 町医者、小川宝船と助手のお稲である。
拾佐「お蔭で、助かりました。」
小川「なんじゃい、真昼間から大太刀回りとは物騒じゃな。まぁ、物騒な方が、
  わしは儲かるがな。」
拾佐(独り言)「又、医は算術の口か!」
小川「何じゃと、ちゃんと聞こえとるぞ。」
〇小川、拾佐の左腕の傷口を診る。
 拾佐、小川の手を払い。
拾佐「助けてもらって悪いが、さっき、御殿医とかに見料代払って、今は無一
  文なんだ。治療代なんか出ませんよ。」
小川「ほうっ、それは困ったな。」
〇小川そのまま拾佐の左腕を掴み手当てし、その後、お稲が包帯を捲く。
 拾佐、美しいお稲に見とれる。

小川「それで御殿医の隆兼には、何を診せに行ったのじゃな。見れば、あまり
  賢そうでない面構え。頭でも、診せに行ったのかな?」
○お稲、「クスッ」と笑う。
拾佐、ちらっと、お稲の顔を見て、小川に振り向き
拾佐「くっ、口の悪い医者だな。このお清坊の目を診せに行ったんですよ。」
小川「ほう、どれどれ、こっちへ来てごらん。」
〇小川、お清の目を診る。
小川「ふぅーむ、そうだな。どうだ、わしの家は、すぐそこじゃで、ついて参
  れ。」
〇小川、お清の手を取り、そのまま歩き出す。
拾佐「おい、ちょっと待って下さいよぉ。」
〇拾佐、小川たちの後につづく。

〇小川の診療所の前
拾佐(独り言)「なんと、さっきの御殿医の屋敷とは、えらい違いだ。」
〇拾佐、お稲に聞こえ、きまづい表情。

〇診療所の中。家の中には、貧しい身なりの患者が十人ほどいる。
小川「みんな、待たせたな。拾佐とか言ったな。その辺の空いてるところで待
  っててくれ。」
〇小川、待っていた患者を一人づつ診察する。
小川「これは、肝の臓が少し痛んでいるぞ。薬を調合しておくから、後でとり
  に来なさい。」
患者A「先生、今日もお代は大根でいいかねぇ。」
小川「大根か、そりゃあ、ありがたい。ぜひ、頼むよ。じゃ、次は誰じゃ。」
患者B「先生、この子をお願いします。咳が出て、体がとても熱いんです。」
小川「ふぅーむ、風邪だな。心配いらん。暖かい汁物で飲ませて、今夜は早め
  に寝かしなさい。ニ日もすれば良くなるわい。薬は後でな。」
患者B「先生、すまないが、あたいのところは、何もないんだ。近頃、稼ぎが
   悪くてね。」
小川「そうか、仕方ないな。出来た時でいいよ。」
〇拾佐、小川と患者のやりとりを聞いて
拾佐「へぇ、こんな先生も世の中にはいるんだ。」
お稲「そう、うちの先生は日本一の名医なんですよ。」

〇小川、患者の診察を終え、お清の目を診る。
 押入れを開け、奥から厚い本を取り出しては、ページをめくり、注視する。
小川「やはり、そうか。」
拾佐「どうです?治りますか?」
小川「うむ、間違いない。この薬を使えば治る。この子の目は、眼球の表面に
  幕が出来ており、球体にも濁りがある。そのために、見えにくくなってお
  るのじゃ。その幕を溶かし、球体を洗浄する薬があれば治す事ができるの
  じゃが。」
お清「えっ、あたいの目、治るの!」
拾佐「その薬ってなぁ、何処にあるんです。」
小川「それが長崎から取り寄せねばならぬ。しかも、貴重ゆえ、代金がニ十両
  ほどはかかるだろう。」
拾佐「やはり、金かぁ。」
小川「拾佐とやら、悲しいことだが、金が幅を効かす世の中なんじゃよ。仕方
  の無いこともあるわな。」
拾佐「ニ十両ですね。ようし分りました、用意しましょう。だから、お清坊の
  目を必ず治して下さい。」
小川「うむ、やるだけやってみよう。これは、その薬がくるまで、目を洗顔す
  る薬が入っておる。1日3回三十倍に薄めて目を洗いなさい。」
〇小川、お清に鉄の小容器に入った薬を渡す。
 お清、大事そうに手でさすり、胸元にしまう。
拾佐「お清坊、良かったな。きっと治るぜ。」

〇突然、一人の侍Dが、玄関から中に駆け込む。

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