最近の気になる出来事

良い世の中なのかな? 悪い世の中なのかな?

シナリオ・「時代劇・・風の拾佐」

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全4ページ

[1] [2] [3] [4]

[ 前のページ | 次のページ ]

 無謀にも時代劇のシナリオを書いちゃってます。お暇な時に、良かったら、読んで下さい。

 八代将軍、吉宗公の時代、剣の腕は天下無双、でも仲間には臆病で、弱虫を装う、少々、おっちょこちょいの浪人・拾佐が、世の中の悪に立ち向かいます。

主な登場人物・・拾佐(貧乏な浪人)
        お清(行方不明の父を探す・目の不自由な少女)
        倉井鯖之介(浪人・相模屋の用心棒)


        シナリオ・「痛快時代劇・・風の拾佐(じゅうざ)」・(8)

〇町の通り 拾佐とお清、とぼとぼと歩く。
拾佐「がっかりするなよ。お清坊。今度は、もっと、マシな先生に診せてやる
  からな。」
お清「ありがとう拾佐兄ちゃん。でも、あたいは大丈夫だよ。あたいの他にも、
  目の悪い人は、世間にいっぱいいるからね。」
拾佐「お清坊、おめぇは偉いなぁ。」

〇人気の無い通り 刀を抜いた5人の黒頭巾の浪人が、拾佐たちを取り囲む。
 拾佐 お清を背後に隠しながら
拾佐「こりゃ、どうやら、人違いでもなさそうだな。今日は、少し腹の虫が悪
  いんだ。すまねぇが手加減しねぇよ。お清坊、俺から離れるんじゃねぇぞ。」
〇5人の浪人が一斉に切りかかる。
 拾佐、浪人の一人から刀を奪い、五人を一瞬に峰打ちにし、奪った刀を投げ返す。
 拾佐、奥で見ていた網笠の倉井鯖之介に声をかける。
拾佐「安心しな、峯打ちだよ。どうだぃ、そこにいる旦那もかかってくるかい。」
○倉井、ゆっくりと拾佐たちに近寄り、刀のつばに手をかける。
倉井「みごとな腕だな。」

○倉井、ゆっくりと拾佐ににじり寄る。
拾佐(独り言)「う〜む、こいつは、少し強いかもね。」
〇倉井、いきなり拾佐の眼前で片ひざをつき、身をかがめると同時に、刀を下から
 振り上げる。
 拾佐、体をひねりながら片ひざをつき、脇差の柄で、倉井の刀を受け止める。
拾佐「逆袈裟か、さては、あの普請方同心を切ったのは、おめぇだな。」
倉井「・・・。」

〇倉井、刀を受け止められたまま、刀の柄の底から小刀を飛び出させ、そのま
 ま刀を回転させ、拾佐に切りかかる。
 拾佐、後ずさりしようとするが、後ろのお清に遮られ、左腕を切られる。
 拾佐の着物の袖が切れて、左腕から血がしたたり落ちる。
拾佐(独り言)「ちっ、何て事をするんだ。着る物、これしかないんだぞ。」
お清「拾佐兄ちゃん、大丈夫。」
拾佐「なぁに、心配いらねぇよ。」

〇倉井、拾佐に詰め寄る。
 背後から男女の大声が聞こえてくる。
大声「誰かぁ、人殺しぃ。誰かきてくれぇ。」
倉井「ちっ、邪魔が入ったか。」
〇倉井、浪人達、立ち去る。

                 次回へ続きます

 無謀にも時代劇のシナリオを書いちゃってます。お暇な時に、良かったら、読んで下さい。

 八代将軍、吉宗公の時代、剣の腕は天下無双、でも仲間には臆病で、弱虫を装う、少々、おっちょこちょいの浪人・拾佐が、世の中の悪に立ち向かいます。

主な登場人物・・拾佐(貧乏な浪人)
        お清(行方不明の父を探す・目の不自由な少女)
        室井隆兼(御殿医)


        シナリオ・「痛快時代劇・・風の拾佐(じゅうざ)」・(7)

〇翌日 町の通り 拾佐とお清が、あたりを見渡しながら歩いている。
拾佐「瓦版の喜助は言ってたのはこの辺りなんだがなぁ。
  おっと、ここだ。ここだ。看板に蘭学医、室生隆兼と書いてあらぁ。」

〇室生隆兼の屋敷 玄関前 拾佐、門を叩く
拾佐「ごめん、ごめーん。」
〇扉を開け、使用人が顔を出す。使用人、不信そうに拾佐たちを見ながら、
使用人「何だね、あんた等、何の用だい。」
拾佐「この子の目を診てやって欲しいんだ。先生はいるかい?」
〇使用人、拾佐達を下から上に見つめ
使用人「何を寝ぼけておる。御殿医様が貧乏侍の娘など、診るはずないじゃな
   いか。」
拾佐「頼む。見料ならあるんだ。ほら。」
○拾佐、懐から集めた2両分の小銭を差し出す。」
使用人「だめだ、だめだ。先生は忙しいんだ。」
〇使用人が扉を閉めようとした瞬間
拾佐、扉を足で止め、制止する使用人を押し戻して、屋敷内へと入り込む。

〇室井隆兼の屋敷内
使用人「何を、何をするんです。」
拾佐「頼むよ、先生に会わしてくんなよ。」
使用人「人を呼びますよ。誰か、誰かぁ。」
〇拾佐、お清を連れて、構わず奥に進む。
使用人「だっ、誰かぁ。」

〇奥から、室井隆兼が出てくる。
室井「何じゃ、騒々しい。一体、何の騒ぎだ。何者だ、この汚らしい侍親子は」
使用人「はい、この侍が、この子の目をどうしても診てほしいと・・、無理や
   り・・。」
室井「バカを申せ。わしは、かりにも御殿医じゃぞ。貴様等、身の程を知るが
  よい。さっさと出て失せなさい。」
拾佐「おいおい、ちょっと待ちなよ。いくら、御殿医と言ったって、あんた医者
  じゃないか。目の前に患者がいたら診るのが筋じゃないのかい。頼むから
  さぁ、診てくんなよ。」
室井「えぇい、くどい。誰か、誰かおらんか・・。」

拾佐「使用人と同じことを言ってやがる。どうにも、この方が早道かな。」
〇拾佐、脇差をサッと抜いて、鞘に収める。
 室井の蓄えた口ひげの片方がゆっくりと床に落ち、室井、手で口元を確かめ、
 その場に座り込む。
拾佐「先生、そんな事言わずに診てくれよ。頼むよ。」
室井「わっ、分った。わしは最初っから診てしんぜようと思っていたところじゃ。
  せっかちでいかんよ、今の若い者は。さっ、娘ご。こちらの椅子に腰掛けな
  され。」

〇室井、震える手でお清の目を開いて覗き込み
室井「だいぶ、眼球が濁っている。感覚も通じておらんようだし、これほど、
  濁っていては、処置の施しが無いのぉ。気の毒だが、諦めるしかないな。」
〇お清、がっくりと肩を落とす。
拾佐「何か手立てはないのかい、先生。御殿医なんだろう。オランダ医なんだ
  ろう。」
室井「残念じゃが、ここまで病気が進んでいてはどうにもならん。どんな名医
  でも無理じゃろうて。」
お清「もういいよ、拾佐兄ちゃん。帰ろう。」
拾佐「そうかい、お清坊、仕方ないか。俺達は盗人じゃないから、見料はここ
  に置いときますよ。それじゃ、お世話になりました。」
○拾佐、お清、その場を離れる。

                     次回へ続きます

 無謀にも時代劇のシナリオを書いちゃってます。お暇な時に、良かったら、読んで下さい。

 八代将軍、吉宗公の時代、剣の腕は天下無双、でも仲間には臆病で、弱虫を装う、少々、おっちょこちょいの浪人・拾佐が、世の中の悪に立ち向かいます。

主な登場人物・・拾佐(貧乏な浪人)、本間主全(普請奉行・今の国土交通相)
        相模屋伝兵衛(豪商 材木石商)、片山(普請奉行所・与力)


        シナリオ・「痛快時代劇・・風の拾佐(じゅうざ)」・(6)

〇本間主全の屋敷 奥座敷
 普請奉行の本間主全と相模屋伝兵衛、普請方与力、片山左内が同席している。
 傍に、相模屋の用心棒、倉井鯖之介が座る。
本間「どうだ、まだ、例の石工の行方は掴めんのか?」
相模屋「はい、それが未だ何も・・。なあに、水戸の石工でございますゆえ、
    江戸には身寄りも無いはず、すぐに探し出してご覧にいれます。」
本間「のん気なことを言ってる場合ではないぞ。石工を使って、我らの内情を
  探ろうとした普請方同心は、昨日消えてもらったが、書付は持っていなか
  った。例の書付は、その石工が持っているに違いないのだ。書付が大目付
  にでも渡ってみろ、お主どころか、このわしまで、ただでは済まぬのだぞ。」
相模屋「はい、十分承知致しております。」
片山「それに、甚六のことを探しまわっている浪人まで出てきおったそうでは
  ないか。念には念を入れろよ。」
相模屋「はい、その浪人にも消えてもらいましょう。」

〇侍Cが、奥座敷の障子越しに
侍C「片山様。普請方同心の死体は、ご命令どおり、目付役人にしたてた配下
  の者に引き取らせてございます。」
片山「そうか、よし。後はわしが処理致す。もう、下がって良いぞ。」
〇侍C、下がる。
片山「しかし、あの同心もバカな奴よ。忠義面せずに見過ごしておれば良いも
  のを・・。下手に資材の吟味なぞするものだから、この始末だ。」
伝兵衛「左様で。」
本間「しかし、相模屋も、不正の入札で公儀の仕事を一手に引き受け、工事代
  金を思うがままに吊り上げては私服を肥やしておる。おまけに、手抜き工
  事だ。さらに、邪魔者と見たら、例え普請方同心まで亡き者にするのだか
  ら、相当の悪よのう。お蔭で、こちらは、その後始末に大忙しよ。」
相模屋「滅相もございません。お奉行様。私が悪でしたら、普請奉行の名を借
   りて、その悪から、上前をはねるお奉行様は、一体、何とお呼びすれば
   よろしいので・・。」
片山「これっ、伝兵衛、口が過ぎるぞ。」
相模屋「これはこれは、お許しを・・。(含み笑い)」
○一同 高笑い。

相模屋、横の菓子折を本間の前に差し出す。
相模屋「これは、いつものお奉行様好物の山吹の羊羹にございます。どうぞ、
   ご賞味下さいまし。」
〇本間、折の蓋を扇子でずらし、中に小判が入っていることを確認して、
本間「うむ、相模屋は、わしの好物をよく心得ておるわい。(笑い)」
相模屋「へぃ、今後とも格別のお取り計らいを。」

〇座敷の天井裏 拾佐、この会話を聞いている。
拾佐(独り言)「全く、なんてぇ奴らだ。公儀の金を食い物にしてやがるぜ。そ
       れにしても、悪党の話ってなぁ、どこも同じだなぁ。」

〇奥座敷 傍らの用心棒の倉井、人の気配を察し、刀のつばに手をかける。
倉井「誰だ、そこにいるのは?」
拾佐「しまった。見つかったか!」
〇倉井、立ちあがり、横の襖に近づき、刀で襖を刺す。
 「ぐぇっ。」襖の反対側から、悲鳴が聞こえる。
与力の片山、襖を開ける。

〇天井裏
拾佐(独り言)「何だ。俺の他にも誰かいたのか?」

〇奥座敷 襖ごしに、普請方吟味役 門倉籐衛門が、左腕を抱えうずくまる。
片山「こっ、これは門倉様ではござらぬか。」
本間「何、門倉。普請方吟味役の門倉籐衛門か?今の話、盗み聞きしておった
  な。さては、普請方同心を使い、我らを探索しておった黒幕は、お主だっ
  たのか。」
門倉「話は全部聞いたぞ、主全。天下のご政道を汚す極悪人め。成敗してくれ
  るわ。」
〇門倉、刀を抜くが、すぐ片山に払い落される。
片山「成敗するって門倉様。この屋敷にあなたの味方は一人もいませんよ。」
相模屋「仕方がない、いっそのこと倉井様に消して頂きましょう。」
本間「まぁ待て、まだ内部に内通者がいるやもしれん。門倉に口を割らせてか
  ら、始末しても遅くはない。片山、ひとまず地下牢にでも放り込んでおけ。」
片山「はっ。」
〇片山、吟味役・門倉を引き連れて行く。

〇天井裏 拾佐、思案顔。
拾佐(独り言)「やはり、ここが悪党共の巣という訳か。どうも、しみったれて
       ていけねぇな。どれ、ここは一先ず、退散して大岡殿にでも知
       らせておくとするか。」
〇拾佐、天井裏を離れる。

                      次回に続きます

 無謀にも時代劇のシナリオを書いちゃってます。お暇な時に、良かったら、読んで下さい。

 八代将軍、吉宗公の時代、剣の腕は天下無双、でも仲間には臆病で、弱虫を装う、少々、おっちょこちょいの浪人・拾佐が、世の中の悪に立ち向かいます。

主な登場人物・・拾佐(貧乏な浪人)、清太郎(町奉行所・同心)
        辰(清太郎付きの岡っ引き)、喜助(瓦版屋)
        本間主全(普請奉行・現代の国土交通大臣)


        シナリオ・「痛快時代劇・・風の拾佐(じゅうざ)」・(5)

〇大川端 死体現場
 十人ほどの野次馬が集まっている。
 清太郎 死体の上に被された菰(こも)を十手で持ち上げる。
清太郎「こいつぁ、ひでえや。」
拾佐「右わき腹から左肩口への逆袈裟か。相当の使い手だな、こりゃあ。」
清太郎「ん、この仏の顔には見覚えがあるぞ。」
拾佐「何だい、清さん、知り合いかい?」
清太郎「こいつは、確か本所六間堀に住む木場作之進という普請方の同心だ。
   南伝馬町の剣術道場で会ったことがある。」
拾佐「えっ、普請方の同心だって・・。」
○喜助 情報を書き込む。
喜助「死体は、本所の普請方同心木場・・。」

〇野次馬をかき分けて、2人の侍が近づき、清太郎と拾佐を乱暴にどかして
侍A「ここから先は、目付配下の我らが扱う。町方の出る幕ではないわ、
   下っておれ。」
拾佐「こりゃあ、下町で起こった事件だぜ。町方に手を引けたぁ、どう言う
  事だよ。」
辰「そうだ、そうだ。」
侍B「貴様、御上の言うことに盾つくのか。怪しい浪人者め、ひっ捕えるぞ。」
清太郎「お待ちを、私は南町奉行所同心、池田清太郎と申す者。この者は、
   私の連れで、決して、怪しい者ではございません。」
侍B「そうか、とにかく邪魔だ。下がっておれ。」
〇拾佐、清太郎に手を引かれて引き揚げる。
喜助「何だよ、あの役人、威張りくさりやがって・・。」
辰「旦那ァ、あいつらに、あんな事言われて悔しくないんですかい。」
清太郎「そりゃぁ、辰、俺も悔しいが、御家人は、俺たち町方の支配違いだ、
    仕方あるまい。」

〇拾佐、人ごみを抜け出した時、木陰から現場の様子を伺う網笠の侍Cに気づく。
拾佐(独り言)「ん、何だ、あの侍。」
〇侍C、拾佐に気づき足早に離れる。
拾佐「おっと、ちょっと用を思い出したんで、俺はここで失礼するよ。」
○拾佐、清太郎たちと分かれる。

○町中の場面 拾佐、侍Cを尾行している。

〇侍C、普請奉行、本間主全の屋敷にはいる。
拾佐(独り言)「大岡殿が言っていた普請奉行の屋敷か。何だか、見えなかっ
       た糸が見えてきたって感じだな。ついでに、ちょっと、中の
       様子でも覗いてみるとするか。」
〇拾佐、あたりを見回し、ジャンプして屋敷の塀に飛び乗り、腰に下げた手
 ぬぐいで、ほっかむりをし、屋敷内へと消える。

                      次回へ続きます

 無謀にも時代劇のシナリオを書いちゃってます。お暇な時に、良かったら、読んで下さい。

 八代将軍、吉宗公の時代、剣の腕は天下無双、でも仲間には臆病で、弱虫を装う、少々、おっちょこちょいの浪人・拾佐が、世の中の悪に立ち向かいます。

主な登場人物・・拾佐(貧乏な浪人)、おせん(小料理屋・女将)
        大岡忠助(町奉行になる前)、甚六(行方不明のお清の父親)
        お清(父を探す目の不自由な少女)、清太郎(町方同心)


        シナリオ・「痛快時代劇・・風の拾佐(じゅうざ)」・(4)

〇柳橋の料亭ニ階
拾佐「先ほどは、助かりました。まさか、伊勢の山田町奉行、大岡忠相殿とはな・・。
   5年前、紀州城で会って以来だな。」
大岡「加納十郎左衛門殿、久しぶりです。紀州藩剣術指南役の貴殿が、5年前に
  突然、お役ご免を願い出て、家督も弟君に譲られ、一人で旅に出られたこと
  は、噂に聞いていたが、この江戸で、貴殿に会えるとは思わなかったぞ。風
  のような身のこなしと剣捌きで、風の拾佐と剣客に恐れられた貴殿が、何故、
  突然、藩を出られたのだ。」

○拾佐、杯を口に運びながら
拾佐「いや、別に大した意味はないんですが、5年前に、藩主であった吉宗公が、
  将軍として紀州城を出られた後、気が抜けてしまって、ぶらりと一人旅でも
  したくなったという訳なんですよ。」
大岡「そう言えば、吉宗公が幼少の折、貴殿の父君、加納五郎佐衛門殿に預けら
  れて以来、吉宗公と貴殿は、いつも一緒だったものな」
拾佐「まぁ、昔のことです。貧乏浪人の暮らしも、やってみると、これで結構
  面白い。ところで、あなたは、あそこで何を・・?。」

大岡「実は、内密に相模屋を探っておったのだ。」
拾佐「えっ、あなたも相模屋を・・。伊勢の町奉行である、あなたが、どうして
  江戸の相模屋を?」
大岡「実は、拙者、この度、上様より、江戸の普請奉行に推挙されてな、それで、
  普請方にはいる前に、悪い噂のある今の普請奉行と相模屋の関係を探っておっ
  たという訳だ。」
拾佐「悪い噂?」
大岡「うむ、ここ数年、公儀の普請事業の請け前を相模屋が一手に独占しており、
  普請奉行との関係を怪しむ声が上がっているのだ。して、貴殿は、何故、狙
  われたのだ。」

拾佐「俺は、相模屋に働いていた甚六という石工を探してただけなんだ。五日も
  前から家に帰ってないらしくて、その娘が必死で探してるもんでね。」
大岡「何、貴殿も相模屋との関連か。では、もしかしたら、その甚六という石工、
  何か相模屋の秘密を握っているのかも知れんな。しかし、気をつけろよ。相
  模屋には、普請奉行の本間主全がついているからな。と言っても、どんな相
  手が束になろうが、貴殿に歯が立つとは思えんがな(笑い)。」

N「普請奉行と言うのは、現在の公共工事の土木部門を統括する長官のこと。
  今の国土交通大臣といったところでしょうか。
  だから、相模屋てのは、工事の請負業者てぇことになりますね。」

〇夕暮れ時 おせんの小料理屋
 拾佐、おせん、清太郎、双瓶、留吉、お清が、食台を囲んでいる。
おせん「どうだい、お清坊のちゃんの行方は分ったかい。」
清太郎「すまぬが、まだ何の手がかりもない。」
留吉「俺も、あっちこっちあたってみたんだが、気の利いた話は、全く出て来ねぇ。」
拾佐「俺もだ。しかし、皆んな、気をつけた方がいいぜ。」
清太郎「気を付けた方がいいって、何か?」
〇拾佐、傍にいたお清を気遣って
拾佐「いっ、いや、ちょっとそんな気がしてな。」
双瓶「何んだよ、脅かすなょ、拾さん、相変らず臆病だなぁ。」

お清「皆さん、迷惑かけてすいません。」
留吉「なぁに、ここんとこ仕事がなくて暇持て余してんだ。お清ちゃんは、汚い所だけ
   ど、心配しないで、ここでじっと待ってな。」
おせん「おや、きたない所で悪かったわね。」
留吉「しまった。つい口がすべっちまった。」
おせん「何さ、あんたなんかごみ溜めのような所に住んでるくせにさ!」
留吉「何だと、おせん、ごみ溜めたぁひでぇじゃねぇか。大体ねぇ・・。」
拾佐「おいおい、もう、よしなって。お清坊が困ってるじゃないか。」

〇暖簾を潜り、瓦版屋の喜助が店に入っくる。
拾佐「おぉ、喜助か。何か分ったか?」
喜助「あっしもね、拾さんから仔細を聞いて気付けてはいるんだが、これと言った
   情報もねぇな。」
拾佐「そうか。」

喜助「その代わりと言っちゃあ何だがよぉ、お清坊にとって、いい知らせを持って
   来たぜ。」
おせん「えっ、いい知らせって?」
喜助「実は、長崎でオランダ医学を学んだ先生が、御殿医として江戸に来てるらし
   いんだ。その先生に診せれば、お清坊の目が治るかも知れねぇって話よ。」
お清「あたいの目が治る!見えるようになるの?」
喜助「そうさ。何しろオランダ医学だからね。」
拾佐「そいつはいいや。じゃあ、明日一番に、その先生に診せに行くとしようや、
   なぁ、お清坊。」
留吉「それがいい。銭は急げだ。」
喜助「それがねぇ・・。ちょいと厄介な事が・・。」
留吉「なんだよぉ、ひっかかるなぁ。」

喜助「その先生、御殿医だろ、診るだけでも、見料がニ両ほどかかるって噂なんだ
   よ。」
拾佐「何でぃ、金の事かい。金の事なら心配いらねぇよ。」
留吉「さすが、拾さん、2両持ってるのかい。」
拾佐「俺が持ってるわけないだろ、そんな大金。皆で出し合おうって、言おうとしたの
   よ。」
おせん「バカだねぇ、そんなこったろうと思ったよ。じゃあ、はい、これは、あたしの
    分だよ。」
〇一同、お金を懐から出し、食台に置く。おせん、お金を両手で数えながら、
おせん「まだ、半分にもならなりゃあしないよ。清太郎の旦那ぁ、も少し、何とかなら
   ない!」
清太郎「仕方ないな、ほらよ。」
〇清太郎、残金を食台に置く。
拾佐「よしっ、これで、お清坊の目が冶せるぞ。」
お清「すいません。でも、これ以上、迷惑かける訳には・・。」
おせん「何、言ってんだい、お清ちゃん!この人達のお金は、どおせ、すぐに右か
   ら左に消えちまうお金なんだから、たまには、良いことに使ったって、罰は
   当たらないよ。ねっ、だから、明日、その偉い先生に目を診てもらいに行っ
   てきなよ。」
喜助「そうともよ、それにその先生、また、いつ長崎に帰るか分らねぇって話だしよ。」
お清「皆んな、ありがとう。」
〇お清、深々と頭を下げる。一同、肩を叩いて喜ぶ。

〇暖簾をかき分けて、岡引の辰が飛び込む。
辰「てぇへんだ、旦那。」
清太郎「どうした、辰。甚六が見つかったか?」
辰「そうじゃねぇんで、侍の死体が大川端に浮かんだんでさぁ・・。」
清太郎「何ぃ、死体だってぇ、そいつぁ、大変だ。」
喜助「なんとまぁ、死体だって、そいつぁ大変だ。どれ商売、商売と。」
〇清太郎、辰、拾佐、喜助、勢い良く店を出る。

                         次回に続きます

全4ページ

[1] [2] [3] [4]

[ 前のページ | 次のページ ]


.
xxr*t9*5
xxr*t9*5
男性 / B型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

標準グループ

Yahoo!からのお知らせ

過去の記事一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
お米、お肉などの好きなお礼品を選べる
毎日人気ランキング更新中!
ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事