|
無謀にも時代劇のシナリオを書いちゃってます。お暇な時に、良かったら、読んで下さい。
八代将軍、吉宗公の時代、剣の腕は天下無双、でも仲間には臆病で、弱虫を装う、少々、おっちょこちょいの浪人・拾佐が、世の中の悪に立ち向かいます。
主な登場人物・・拾佐(貧乏な浪人)、片山(普請方与力)
大岡忠助(町奉行になる前)、甚六(行方不明のお清の父親)
シナリオ・「痛快時代劇・・風の拾佐(じゅうざ)」・(3)
〇隅田川護岸 相模屋工事現場 人足達が土嚢を肩に担ぎながら行き交っている。
拾佐、人足の一人を捕まえて
拾佐「あんた、甚六てぇ、石工を知らねぇか?」
人足A「じんろくぅ、知らねぇな、そんな奴ぁ。」
拾佐「そんなこと言わずに、教えてくれよ。」
人足A「知らねぇものは知らねぇんだよ。ここじゃ、人がいなくなるのは、別に
珍しいこっちゃねぇよ・・。」
人足B「おいっ、余計なことを言うんじゃねぇ。」
〇この様子を見た普請方与力、片山左内が近づく。
片山、鞭で拾佐の胸を小突きながら
片山「その方、何者だ。近頃、不審な浪人が現場をうろついているとの報せだが、
さては貴様だな。ことと次第では捨ておかぬぞ。」
拾佐「あっいや、こんなりっぱな普請工事なら、いつ大水がきたって安心だと、
感心して見物していたところですよ。」
片山「当たり前だ。公儀の仕事に間違いが有ろうはずがない。今日のところは見
逃してやるが、今度、見かけたら、即刻、召し捕るからな。さぁ分ったら、
早ぅ、立ち去れ。」
拾佐「はいはい、わかりました。公儀のお仕事ね。そりゃあ、おいそれと近寄れ
ないや。」
〇拾佐、その場を離れる。
片山「あ奴、ここで何をしておったのだ?」
人足A「へぇ、石工の甚六の事を聞いてやした。」
片山「何ぃ、甚六だとぉ。」
〇片山、鞭を叩きながら、顔を曇らせる。
〇街中の通り
拾佐、独り言を言いながら歩いている。
やくざA、拾佐を尾行している。
拾佐(独り言)「どうも、何か、ひっかかるな。」
〇拾佐、急に、小走りになり辻を曲がる。
やくざA、慌てて追うが見失う。
拾佐、うろうろするやくざ者の襟を掴み、路地裏に引き込み、壁に押し当てて
拾佐「おや、おめぇは、昨日、神田の小料理屋で暴れてた奴じゃねぇか。」
やくざA「なっ、何でぃ。あの時の腰抜け侍。また、痛ぇ目に合いてぇか。」
〇やくざA、襟を掴む拾佐の手を振りほどこうとするが、びくともしない。
拾佐、そのまま片手でやくざAを持ち上げる。
拾佐「何で俺を付ける。誰の差し金だ。相模屋か?」
やくざA「くっ、苦しい。知らねぇよ。おりゃぁ、ただ、ぶらぶらしてただけじゃなぇ
か、はっ、離しやがれ、この野郎。」
〇拾佐、やくざAの腹を一発なぐる。やくざA、腹を押さえて屈み込む。
やくざA「ぐへっ、ひぃっ、あっ、あっしは、命令されただけでして。どうぞご勘弁を・・。」
拾佐「そうか、やはり、相模屋かぁ。では、甚六と言う名前にも聞き覚えがあるな?」
〇やくざA、顔を背ける。
拾佐「どうやら、知っているようだな。」
やくざ者A「しっ、知らねぇよ。そんな石工。」
〇拾佐、やくざAの腹を殴る。
やくざA「ぐぇっ!」
拾佐「知らないのに、どうして甚六が石工と分るんだ。言わないと、もっと痛い思いを
することになるぞ。」
〇拾佐、襟を締め上げる。
やくざA「ぐぇっー。くっ、苦しい。そっ、そんなこと喋っちまったら、俺が殺されっ
ちまわぁ。」
拾佐「言わないなら、今、俺がお前を殺すぞ。」
〇拾佐、やくざAの腹を殴る。
やくざA「ぐぅーっ。くっそぉ、言うよ、言うから、この手を・・。」
〇拾佐、手を緩め、やくざAの足が地に着く。
やくざA「ちっ、全く、なんてぇ力してんだ。おめぇ、ほっ、ほんとにあの時の腰抜け
侍なのかぁ?」
拾佐「早く言え。」
やくざA「言うよ、もう、どうにでもなれってんだ。甚六は、普請方同心と・・。」
〇言いかけた時、拾佐に向けて小柄が飛び、拾佐、刀の柄で避ける。
拾佐、小柄の飛んできた方向に走り、あたりを見回すが誰もいない。
拾佐、元の場所にかえり、やくざAを見る。
小柄が、やくざAの心臓を貫いており、やくざAが死ぬ。
拾佐、倒れるやくざAを抱え
拾佐「しっ、しまった!おいっ、しっかりしろ、普請方同心がどうした!」
〇拾佐、やくざAを何度か揺する。
背後に人影を察して、振り返る。
同時にやくざAから小柄を抜き、
背後にいた編み笠の侍(大岡忠相)の喉元に向ける。
拾佐「貴様か、この小柄を投げたのは。」
大岡「さすがだな、十郎左衛門殿。」
拾佐「なっ、なぜ俺の名を・・。何者だ、貴様?」
大岡「話は後だ。下手すると、貴殿がこの男を殺した下手人にされるぞ。
まずは、早いとこ、ここから離れよう。さっ、こちらへ。」
〇拾佐、大岡の後に続き、その場を離れる。
次回へ続きます
|