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写真上:北海道・知床峠頂上にて羅臼だけと共に
写真下:紀伊半島・熊野灘の夕景
”旅の思い出”
黄金色に染まる夕暮れ時の暖かい風に吹かれると、3年ほど前に400CCのスクーターバイクで日本一周・一人旅したことを思い出す。
6月に北海道を一周し、日本海側から四国へ、8月に再度北上、中山道を経て青森を折り返し、太平洋側を走破。休憩時間も惜しむように日中500kmとバイクに乗り続け、気が付けば約13000kmの旅となっていた。
熊野灘の夕景や、浅間山の雄大さ、竜飛岬や襟裳岬、納沙布岬など大海原に対峙する灯台の雄雄しさ、白く波が砕け散る三陸海岸や断崖の東尋坊。それに民宿の気さくなご主人方。今でも、写真の中に、その興奮が蘇えってくる。
中でも、北海道・宗谷市から稚内市にかけての道路は印象に残る。地図では、北海道の一番上の小さな窪みの部分であり、湾岸道路なので走るにつれ、水平線から細長い半島が浮かび上がってくる。旅の目的の一つである日本の最北端を行くという実感が湧いてきた瞬間であった。
今、治安の悪化が叫ばれ、モラルハザードが危惧される中、愛国心が取り沙汰され、憲法にまで盛り込まれようとしている。しかし、愛国心とは、教えるものではなく感じるものではないだろうか?日本は小さな島国と言っても、南北に細長く、その色彩は多岐に及ぶ。山があり谷があり川があり、人の営みが、そこにはあった。
私は、この日本に生まれて本当に良かったと思う。バイクツーリング者は、対向するツーリング者に、“安全運転で良い旅を”と願いを込めて“ピースサイン”を送るが、同じように、今後の日本にも“ピースサイン”を送り続けたいと思う晩春の夕暮れ時である。
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