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私は法学部だったから、
社会学の教授である橋爪大三郎を知ったのはわりと遅かった。

きっかけは、
サークルで主催した講演会の講師に彼を選んだことだった。

テーマは大学改革。
国立大学の独立行政法人化なんかが騒がれていた。

当時はさほど重要問題だとも思っていなかった。
私が卒業してからのことだし。

橋爪大三郎の語る大学の姿は魅力的だった。

入学したら勉強しなくても卒業できるトコロテン式はやめる。
授業料は高くてもかまわない。
その替わりに、奨学金制度をしっかり充実させる。
管理システムに馴染みやすい「良い子」ではなく、
自分でしかり考える子を評価する。

大学名ではなく、在学中の活動を通して個人を評価できるように、
そんな趣旨だったように思う。

現実の大学改革の結果はどんなものだったのだろう。
実感として、何かが変わったのだろうか?








さて、ここからは、純粋な読書ノート。

この本の目次は、

 第1章 社会科学はこうして学ぶ
 第2章 日本国憲法はどこが美しいか
 第3章 マルクス主義はどうしてダメになったか
 第4章 日本国憲法はどこがいかがわしいか

地元図書館でこれを見たとき、
「社会科学」という題名で、なぜ日本国憲法を語っているのか、
社会学者が、日本国憲法をどのように語るのか、
いろんな???が頭の中を廻った。



第1章では、戦後の知識人が行動力・責任・国際性・先見性、
どれをとっても明治維新のリーダーに比べ没落していると批判する。

これからの時代、外国の知識をコピーしたって、
どうにもならない。
独創性が要求される時代になっている。

しかし、
いかにして、独創性を身につけるか、
それは、人に教わることではない。
ただ、そのヒントとして、
まず、戦後の日本社会をしかっりと見直そう。
それには何といっても憲法の生い立ちをしっかりと考えよう!
それがこの本の構想だったようである。

第2章の立憲主義思想の説明は本当に面白い。
法学部で聴く憲法よりも断然面白い。
こんな授業を高校の授業で聞きたかった。
大学でももっと勉強すればよかった。
心からそう思う。

この2章で描かれた宗教・国家・人との関係が、
マルクス主義の理解、日本国憲法の理解の伏線になっている。
かなりラフな文体で書かれているけれど、
構成的に無意味な記述は無い。

とはいえ、
第3章・第4章と、
マルクスの思想→マルクス主義→社会主義革命→共産党→学生闘争
と進むにしたがって、なんだかしんどくなってくる。

マルクス主義者として、学生時代を送り、
運動が失敗に終わるのを見届けた、
橋爪自身の反省・批判・懺悔・後悔・絶望・憤怒。
そんなものがあまりに凝縮されている。

私が、ニュースの意味がわかるようになったときには、
ベルリンの壁は崩壊していたし、
ソビエト連邦なんてのも無くなって、
中学時代に使っていた地図帳は、
補ていの資料がいっぱいで使いづらかった。

はっきりいって、
マルクスを皆が読んでいた時代があったなんて、
とても信じられない。

学生運動なんてものが、
本当にあの安田講堂でなされたなんて、
10年前まで、映画かなんかの世界の出来事かと思っていたぐらいの
常識知らず。

この本を読んで、はじめて、
母が、私の入学時に、
「ミン○イとかジチ○イとか、かかわっちゃダメよ」
と何のために言ったのかがわかった。

80年代の教育方針にしっかり乗って、
政治的無関心を堅固に身につけていた。

いまでも、政治は胡散臭いと思う。
なるべく遠くで生きていたい。
でも、そういう態度が良いのかどうか。。。

でもやっぱり今の私には無理。
考えると気分が悪くなる。
空気がよどむ。
出口の無い中を歩き続けるのはいや。

1989年に書かれたこの本の問題意識は、
きっと今でも何にも変わらないくらいの重要性を持っている。
憲法改正が騒がれる中、
きっとしっかり理解しなければいけないこと。

でも、やっぱり拒絶反応が出てしまう。
これって、ジョージ・オーウェルが「1984年」で描いた自己防衛?

閉じる コメント(4)

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難しいですね・・・。僕は全ての人間を秩序立てる単純にして簡潔な公式が見つかればよいと思っています。誰もが納得出来るような。どの政治も宗教も綻びが大きすぎます。なにより経済が最悪ですね。生体をモデルに新しい体制を考えて、次のステップを踏み出すべき時期に来ていると思います。穏やかに、しかも焦らずに。人間はそのために頭があるのでは?・・・ここまで言うと、僕はなんだか怪しいやつみたいですね。^^;

2006/10/3(火) 午後 11:05 たかきたかあき

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◎たかあきさま◎最後まで付き合ってくださってありがとうございます。「生体をモデルに新しい体制を考え」る。生体って、なんともとらえどころがない気がします。捕まえたと思った瞬間にすり抜けていくような。。。

2006/10/4(水) 午前 11:14 [ 泣き虫姫 ]

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私はベルリンの壁が崩壊したニュースを憶えています。ソ連の崩壊も。天安門事件も・・・・。イラク戦争も、パレスチナ紛争も、アフリカの気持ち悪い争いも、同時多発テロも。こうやって書いてみると、原因と結果とその続きみたいですね。日本の流れも見ています。ただ見ているだけだけど、絶対、ずっと見ていてやると思ってるところ。憲法改正、1度手放したら、もう二度と手にすることは出来ない記述がありますね。

2006/10/4(水) 午後 1:48 [ ama**risu*ire ]

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◎スミレさま◎私も「ずっと見ていてやる」に参加します!できれば、もう少しなにかしたいところではあるけれど。。。スミレさんは、ソフトだけど、やっぱり本当に芯が強いですね♪

2006/10/4(水) 午後 2:48 [ 泣き虫姫 ]


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