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この映画をsenangxsedihさんが紹介していて、
監督が「リンさんの小さな子」の作者、
フィリップ・クローデルであることを知って、
あわてて観にいった。
「リンさんの小さな子」は、昨年読んだ本の中で、
一番、印象深かった本。
静かな描写と、語らない登場人物たちだからこそ、
じわじわと伝わる、それぞれの人の思い。
人生の重みと、拭いえぬ罪の意識と
自分を待ってくれている人、
自分を必要としてくれる人のありがたさ、
人の温もりのかけがえのなさ、
子どもたちの明るい未来への祈り、
そんなものを感じた本でした。
この映画のコピーは、
「15年の刑期を終えたジュリエット。
悲しみに沈む彼女の過去に犯した罪と罰、そして赦し。
人間の心の深淵に迫る、愛と再生の物語」
妹の家族や、友人、仕事の関係者など、
ジュリエットの日々の人と人の関わりが、
静かにじっくりと、
時にはスリリングに描かれている。
役者さんたちの細やかな表情の一瞬一瞬に、
惹き付けられたまま、
最後まで観きってしまった。
一番印象的だったシーンは、
ジュリエットと妹の友人たちとの会食のシーン。
作家の友人が酔った勢いで、
ジュリエットに絡んで質問攻め。
こんな綺麗で知的な姉の存在を、
なぜ妹は今まで隠していたのか?
姉ジュリエットは何者?
いったい、これまで何をしてきたのか?
まったく、作家というのは嫌な仕事だ。
人の秘密を詮索して、自分の作品にしようというのだから。
監督のそんな自己批判を感じつつ、
作品を創造し続けることの意義について、ふと思いを馳せる。
あまりのしつこさに、
ジュリエットは、覚悟して静かにきっぱり答える。
「息子を殺した刑で15年の刑期」
一同に笑いが広がる。
「ジュリエットの方が上手ね。」
そう、知的で美人なジュリエットが殺人を犯すなんて、
火星人に連れ去られて、記憶喪失になるくらいに、
フランスのインテリたちにはありえないことなのだ。
*************
司法修習所の親睦会で、
「自分も犯罪者になるんじゃないか、
彼らの側に立つんじゃないか、と思ってしまうんです。」
といった修習生に、
「そういう人には、刑事裁判官にはなって欲しくないな。」
と答えた検察官がいたという話を思い出す。
罪の意識を感じることと、
罪を実際に犯すことの間には、
きっと隔絶があるのだけれど、
犯罪の事実がジョークにしか聞こえないと言うのは、
何だか不思議。
私は、加害者になる可能性に、いつも怯えている。
*************
ダウンタウンの松本さんも言っていたけれど、
子どもを持って、唯一(?)はっきりと思えたことは、
「この子の未来は明るいものであって欲しい。」
という祈りだったかもしれない。
「未来は明るい」なんて、
暢気な推測はさらさら出来ないけれど、
「未来は明るくあって欲しい。」そんな願いがなければ、
何も始まらないんだから、
せめて、そんな平凡な自分の願いに、
まずは自分が素直に従わなければ、
そんなことを思うのでした。
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犯罪者と一般の人とは紙一重だと思います。
それを意識して初めて善良な市民として、真っ直ぐ歩いていけるのではないでしょうか?
善良とは雪のようなもので、常に降り積もらせて己を白く保つ物のように思います。
『ちょっとなら、まあいいか』が、雪が解けて黒い地面が見えてくるように、少しずつ己を侵食していくのをふっと感じる時ってありませんか。
皆が『まあいいか』で済ませてしまうようになったとき、どうなるか・・・。
確かに、自分たちの今のためにも、子どもたちの未来の為にも少しでもこの世を白く明るくしておきたいです。
2010/2/4(木) 午後 11:05
たかあき様☆
雪の比喩、油断すると跡形もなく消えてしまいそうで、
とっても綺麗ですね。
今朝は、明るい太陽で、ポカポカ・リビングがです♪
何か、良いことがありそうな予感!
2010/2/5(金) 午前 10:46 [ 泣き虫姫 ]
観られたんですね。 印象に残った場面が一緒ですね。
このシーンにはいろんなものを感じることが出来ました。 泣き虫姫さんの書かれた事もそうですし、人を知らずに傷つけてしまうこと、善良とされる人の無意識の悪意(?)とか、優しさとか、いろいろいろいろ。 今回の帰国で4本観て、どれもいい映画でしたが、この映画が一番心にしみました。 同じ映画を共有できてうれしいです。
「自分も犯罪者に、、」と仰った研修生、応援します!
2010/2/14(日) 午後 8:40 [ senangxsedih ]
senangxsedih様☆
おかげさまで、銀座まで出かけて、ギリギリ上映期間に間に合いました!「結末は、感動的であるべきだ」という監督のインタビュー記事の通り、鑑賞後の余韻も、心地よかったです。
「善良」って、本当に複雑ですね。ヒューマニストって、良いところも悪いところも含めて、人間を愛おしいと思う方たちなんだろうなぁ〜。
もうそろそろ、オーストラリアに戻られるのかしら?
私は、今月中に、「抱擁のかけら」も観ようかと思ってます♪
2010/2/15(月) 午前 9:38 [ 泣き虫姫 ]
ひょえ〜!! 「抱擁のかけら」私もみたんですよ〜。
嗜好が合いますね。 泣き虫姫さんの感想、楽しみにしてます。
私は今週金曜にケアンズへ戻ります。 ばたばたしてて、いつブログ更新できるのかな〜。
2010/2/15(月) 午後 0:44 [ senangxsedih ]
senangxsedih様☆
すでにご覧になってましたか!
今週、観にいこうと思っていたのに、娘が水疱瘡のため、ちょっと無理かも。。。
「オール・アバウト・マイマザー」と「ボルベール」を観て、
監督の強烈な色彩と、人間観察と、楽曲選択のかっこよさに惹かれてしまいました。ペネロペは、絶対にスペイン語の映画の方がチャーミング!という気がするし。
ケアンズで落ち着いたら、是非、感想を記事にしてくださいね♪
2010/2/16(火) 午後 0:58 [ 泣き虫姫 ]