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小川洋子の小説は何冊か読んでいて、
とても好きな作家の一人だけれど、
「ベストセラーになった」からという理由で、
読むのを避けていた小説。
寺尾聡が主演だからという理由で、
映画なら見てみよう!という気になった。
この映画、私の知っている小川洋子の作品世界と違って、
なんだかとても健全な気がした。
私は、記憶が80分しか続かない、という設定から、
「ひそやかな結晶」で感じたのような、
忘れてしまったことすら忘れてしまっている、
あまりにも美しく、悲しい痕跡を。
数式を愛する博士という設定から、
「夜明けの縁をさ迷う人々」のような、
この世では存在し続けられないほどの純粋さを、
一人でイメージしていた。
言葉にすると崩れてしまいそうな、繊細で大切なものを伝えている、
という印象は、もちろん変わらないのだけれど、
博士はちゃんと、現実世界の中にとどまっていて、
愛されるべき存在だったのに驚いたのだ。
それが、映画化の上で、加工されたものなのか、
原作自体の健全さなのかが知りたくて、
急いで原作も読んでみた。
読んでみた感じは、
確かに原作の方が、博士の外見、挙動さらには居宅の異様さ、危うさは、強いものの、
(だって、寺尾聡は、どう頑張っても、私にはかっこいいおじ様に見えてしまう)
思いのほか健全だ、という印象だった。
映像化できない、繊細な表現から、
博士の悩みや、周囲の人々の心のちょっとした動きは、
確かに原作の方が身にしみてくる。
ほんの少し、トーンが暗い分だけ、
博士を取り巻く物語の美しさは、より一層キラキラとして見える。
でも、映画は映画で、本当に素敵だと思えた。
原作の雰囲気を大切にしながら、
ほんの少しだけ明るく、
ほんの少しだけ分かり易く。
映画を見た後には、
もっと優しくなりたい、と自然に思える、
そんな映画だった。
(原作を先に読んでいたら、違っていたかもしれないけれど。)
「子どもをそのまますべて受け容れる」
そんな気持ちが、
危ういまでの美しさではなく、
健全な、包み込むような優しさで、
作品世界を充たしていて、
そんな小川洋子作品もまた、とても魅力的だった。
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僕もベストセラーは避けがちです。^^;
好き嫌いは良くないですよね〜。( ̄∇+ ̄))
確かに寺尾聡が出てるんなら観てみたいかも・・・。
2010/6/10(木) 午後 11:31
たかあき様♪
是非見てみてください!少し懐かしいような、とても綺麗な映像で、優しい気分になれますよ♪
監督は、黒澤監督の助監督を長年していた方らしいです。「博士の〜」がステキだったので、同監督&寺尾聡主演の「阿弥陀堂だより」も見る予定です☆
2010/6/11(金) 午前 7:07 [ 泣き虫姫 ]
「健全」な箇所も、ベストセラーになった要因でしょうか。 何かとても普遍的で大事なものをみせてもらった気がする読後感でした。
小川さんの小説は、この「博士〜」しか読んだことなかったのですけど、6月の帰国時に「夜明けの〜」を購入して持ち帰りました。 いずれ時間ができたらゆっくりと味わいたいと思ってまーす。
泣き虫姫さん、寺尾聡さんがタイプなんだー。 もそっと毒のある岸辺一徳さんはいかがでしょー?
2010/7/17(土) 午前 10:07 [ senangxsedih ]
senangxsedih様♪
「夜明けの〜」の感想をいつか読めるのを、とっても楽しみにしています♪
寺尾聡さんの作品は、「乱」「阿弥陀堂だより」ぐらいしか見ていないのですが、じんわりと温かみのあるステキな役者さんだなぁ〜、と思いました。
でも、見た後に、強烈にこの人好き!って、思うエネルギーで言えば、「いつか読書する日」の岸部さんのほうが圧倒的☆☆☆「木村家の人々」の鹿賀丈史さんとか、ちょっと怪しい(妖しい?)ぐらいの方に惹かれてしいます!岸部さんの印象は、テレビドラマのほうが強いのですが、お勧め映画がありましたら、ぜひ教えてください!
寺尾さんと岸部さんって1947年生まれで、ベース弾いてて、今は役者業が中心に、って所まで似てるんですね!
2010/7/19(月) 午前 10:27 [ 泣き虫姫 ]
「いつか読書〜」は見てないのでどんな岸辺さんかわからんけど、きっととても素敵なんですね! うれしー。
私も岸部さんの映画は詳しくないです。 お勧め映画をお答えできなくて残念! でも、彼のかもしだす雰囲気がとっても好き。 俳優さんとしてみていて、とてもわくわくぞくぞくします。
あー、お二人はグループサウンズ世代なんですね。 共通項、気づきませんでした。
2010/7/19(月) 午後 3:16 [ senangxsedih ]