Snow_Spring

この想(こえ)をあなたに。。。

童話

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パパもママも大好きだから、

ボクはワガママを言っちゃダメなんだ。

サミシイなんて言っちゃダメなんだ。

ヨノナカには、パパもママもいない子供がたくさんいるんだって。

だから、どっちもいるボクは、それだけでとても幸せなんだ。



・・・でも、やっぱり寂しい時は寂しい。

だからボクはクリスマスに、サンタさんにお願いするんだ。

クリスマスだけは、パパとママと三人で一緒にいられるようにって。



12月24日のクリスマスイヴ。

寝たふりをした僕は、サンタクロースが来るのを待っていた。

窓の外から聞こえてくる、小さなスズの音はきっと

サンタクロースがソリを引いてくる音に違いない。



コンコン。



布団の隙間から窓を見ると、サンタクロースが立っていた。

ボクは急いでベッドから飛び起きて、部屋の窓を開けた。

「メリークリスマス」

サンタクロースはニコニコしながら、ボクにプレゼントをさしだした。

ボクは、首を横に振って、サンタさんに言った。

「サンタさん、ボク、プレゼントはいらないから、お願いを聞いてほしいんです。」

するとサンタクロースは少し困った顔をして、

「どんなお願いだい?」と言った。

「ボクね、明日のクリスマスを、パパとママと一緒に過ごしたいんだ。

でも、パパもママも忙しいから、きっと三人一緒に過ごせないんだ。

だから、明日ボクがパパとママと三人で過ごせるようにしてほしいんだ。」

するとサンタクロースは、背中にかかえた白くて大きなふくろの中から

小さなコマを取り出して、僕の手にのせてこう言った。

「明日、君の願いはきっと叶うよ」と。

「えっ?!ほんとに?」

おどろいたボクを優しい目で見つめて、サンタクロースは大きくうなずいた。

そしてサンタクロースは、

「メリークリスマス」と言って去って行った。



サンタクロースの言ったことは、本当だった。

「おはよう」

ママがいつものように、ボクを起こしにきてくれた。

となりには、いつもはいない、パパの姿があった。

「あれ?パパ、今日はお仕事じゃないの?」

おどろくボクにパパは、

「見てごらん」と言って、窓の外を指差した。

「ああっ!」

窓の外は一面真っ白で、まるでどこかの国へ来たみたいだった。

「この雪じゃ、今日は仕事に行けないよ」

パパはやさしくボクに話しかけてくれた。

ママは、洗濯物が干せないとなげいていたけど、

でも、なんだかうれしそうに笑っていた。

「じゃ、じゃぁ、今日はパパもママも家にいるの?!」

ボクの言葉に、パパもママもうなずいて、

「よし、今日は三人で遊ぼう!」と言ってくれた。

ボクはうれしくてたまらずに、

「やったぁ!」と叫び、ベッドから飛び起きた。

パパが、「何をして遊ぼうか?」とボクに聞いてきたので、

ボクは部屋をぐるりと見回した。

いつも遊んでいるTVゲーム、マンガの本。

パパとママと遊ぶには、何かが違う。

もう一度部屋中を見回してみた。すると、ベッドの上に

サンタクロースからもらった、あの小さなコマがあった。

「そうだ!このコマで遊ぼうよ!」とボクは言った。

パパとママは顔を見合わせて、クスクスと笑ってうなずいた。
















そう言えば、昨夜見たサンタクロースの顔って、

どこかで見たことあるような、ないような。

ま、いっか。

今日は楽しいクリスマス。

一年に一度だけ、ボクのワガママが、家族を幸せにする日。

















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