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今回はアメリカ軍の主力ミサイルで世界でも使用されているミサイルAMRAAMの後継のお話。
現在、AMRAAMは最新型のAIM-120Dの開発が進められている段階ですが、その後継ミサイルについて検討が行われています。
それがJoint Dual-Role Air Dominance Missile (JDRADM、統合2用途制空ミサイル)です。NGM(Next-Genaration Missile、次世代ミサイル)ともよばれます。
これは、中射程AAMとしての機能はそのままにマルチモードシーカーとすることでHARMの後継としても使おうという野心的なプランです。
しかし、2012年には計画のキャンセルが決定、2013年の概算要求において開発資金の要求が削除され計画は頓挫しています。
しかし、一部筋によれば研究はつづけられているとされています。
レイセオン/ボーイングレイセオン/ボーイングは2010年にDARPAと次期ミサイルの開発契約を結んでいました。
要求されたのは次のようなものでした
・マルチモードシーカーにより航空機、巡航ミサイル、SAMなどに対応
・F-22やF-35に内装できること
いうものです。
とくに3つの目標に対処することからTRIPLE TARGET TERMINATOR (T3)などと呼ばれているようです。
ラムジェット推進を採用したのは射程を延ばすためでしょう、特にHARMの後継をかねる本ミサイルにとって射程は重要です。近年ではS-300やS-400といった強力なSAMが登場しHARMじゃ射程が短すぎて相手をするのが難しくなってきています。そのためラムジェットを使うのは必然の流れといえるでしょう。
F-22やF-35に内装できるという点も重要なポイントです。現在あるHARMはウェポンベイに内装できず、外部パイロンに装備されることとなりせっかくのステルス性が失われてしまいます。本ミサイルによりARM内装が可能になればそのステルス性を生かし敵のレーダー網を察知されることなく破壊できます。 ロッキード一方ロッキードは、国防省と手を組み独自のコンセプトで後継となるミサイルを開発しています。それがCudaです。
このCudaミサイルについては、アシナガバチ氏が記事を書いてます。
「Lockheed Martin社がステルス機搭載用に謎のCudaミサイルを開発中」(アシナガバチの巣作り日記) それによると
・全長は70インチ(1.78m)
・致死性が高く、コストが安い
・マルチモードシーカー
・超高G機動
・360°カバー
・多様な経空脅威(敵機や無人機)に対処可能
・F-22Aでは搭載量を2倍の12発に、F-35Aでは3倍の12発に
と見た感じではSDBの空対空/対レーダーミサイル版といえるでしょう。
しかし、このCuda、HARMやAMRAAMの後継とするには無理があります。
というのも
ミサイルのサイズから推測される推進薬量が、AMRAAMには及ばないからです。
これがAMRAAMとの比較図です。見てのとおり、全長は半分です。これでは必然的に搭載できる推進剤の容量が少なくなります。また、前方にサイドスラスターがあるためその容積分より少ないと思われます。
仮に燃料消費が少ない推進システムを開発したとてもさすがにこれは無理があると考えられます。仮に作っていたとしても射程は60km程度にとどまり、BVR戦闘ではは不利となります。これではステルス性を生かして一方的にたたくという戦術が生かせません。
ロッキードはこれをどう考えているのかはなぞですが、中途半端感は否めません。
おわりにこれらは前に記述したとおり、オバマ大統領の軍事費削減などのあおりを受け、頓挫しています。
なお、この計画は ""複数の兵器を統合して安い兵器を作ろう""という計画であります。
この例はF-35をはじめ開発が難航するのがオチ、事実TOW・マベリック・ヘルファイヤを統合したJAGMの開発は遅れていますし、これもどうなるかはわかりません。 |
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