ロシア軍の今までのデータリンクソ連・ロシア軍にもデータリンク自体はあり運用はされてきました。1980年代には重い航空機(爆撃機)向けのTKS-1、軽量(戦闘機など)向けのTKS-2通信装置が開発されていました。
TKS-2について搭載していたSu-27の例を挙げて言うと、その通信装置からデータリンクを介して、編隊内で情報共有ができました。また、指揮を行うSu-30を編隊に加えることにより全体で疑似的なAEWとして機能できました。
後にTKS-2は送信装置の交換による送信出力増加し、チャンネル数の増加、電波干渉抑制モードを追加、チャンネル数を増加、デジタル化、ソフトウェアの統合、機器の高集積化などの改良を行ったTKS-2Mとなりました。TKS-2Mでは信頼性が向上したほか、増加したチャネル容量の結果として、電子戦の状況でメッセージの配信時間を減少、機器のデジタル化&集積化で装置の重量は2.5倍減少しました。これは既存のTKS-2装備機のアップデートなどに用いられています。
MiG-31の例ではRK-RLDNとよばれる防空指揮所とのデータリンク装置とAPD-518という編隊内データリンク装置を搭載し、後者はゲートウェイ的な機能を持ちMiG-31だけでなく、Su-27やMiG-25とも情報共有を可能としていました。
![]() 新世代データリンクそれでS-108(本国向けはS-107-1)という通信装置が開発されました。これはSu-27の最終発展型であるSu-35が採用しています。
ロステックはS-108について以下を実現したとしています。
・電波干渉抑制モードを実装し、送信電力の向上により伝達範囲を拡大
・データチャンネル数の増加で送信時間を短縮
・ジャミング下でのメッセージの信頼性確保
データリンクの端末としては(ロステックが)JTIDSやMIDS端末に匹敵するとしているAT-Eを採用します。
開発元のポレト社のサイトによれば..
S-108はUHFとHF帯域を使用し、通信速度は最低25Kbpsで通信距離は350-500kmとしています。通信速度では、依然リンク16の最低31.6Kbpsに届きませんがそれなりのレベルに届いています。
AT-E情報交換端末 またこの端末は他のプロットフォームにも統合でき、ここではKa-62向けのS-404という派生型があるとしています。2011年にはこの派生型の一つS-103がSu-34に統合されました。
また、先進的なS-111と呼ばれる通信機材も開発されました。S-111は、HF/VHF/UHF/SHF帯に対応し、アメリカの最新データリンク端末であるMIDS-JTRSと同様にソフトウェア無線化されており、ソフトの変更で多彩な機能に対応します。また、JTRS同様完全なデジタル式オープンアーキテクチャとなっています。
システムは、標準的な1つのハードウェア上に、複数の機能を統合するIMA(Integrated Modular Avionics/統合モジュラーアビオニクス)技術が採用されており、重量、スペース、消費電力、コストが削減されているとされます(IMAについてはここ参照)。動作するソフトウェアモジュールには、組み込み型OSであるBaget 2.0(OS2000)の簡素型が用いられます。
通信速度は大幅に向上して34.3Mbps(比較としてTTNTが10Mbps)となり、リアルタイムに音声、ビデオ、データの共有が可能となりました。また、モジュラー式であることから多くのプラットフォームに搭載でき、ロステックが挙げているだけでも以下のものが対応するとしています。
・ヘリコプター Ka-50/52、Ka-62、Mi-28nm
・軍用輸送機 Il-76、IL-112、An-124、PAK TA
・戦闘機 PAK FA、MiG-31BM、Su-34
・長距離航空機 Tu-22M3M、Tu-160M、PAK DA
・無人偵察機
また、下の図には巡航ミサイルやAWACS、BMPなども挙がっていることからそれにも対応するのでしょう。新型戦車アルマータもネットワーク対応をうたっていますので対応するはずです。
これらの通信装置の開発・配備によりロシア軍のネットワーク化は大幅に推進されることでしょう。
これらのほかには、NKVS-27というものがあります。これは空対地用データリンクで管制センターなどを通じて対応機に伝達することで効率的な防空、要撃とストライクミッションを可能とするシステムでHF、VHF、UHF帯域を使用し1,000-1,500kmの範囲で音声通信などが可能。通信速度はHF帯で75、150、300、2,400bps、VHF/UHF帯で1,200、2,400、4,800、25,000bps。
これはSu-27SKM, Su-30MK2, Su-35が対応しており、2008年頃より輸出が開始され、ベネズエラ、ベトナム、中国が導入しています。
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