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「マザーズ」 金原ひとみ 2011年 457頁
ずっと、ブログをサボってしまって、ゆっくりながら色々読んだ本たちのことを
片っ端から忘れていってしまう。
あーあ。
「マザーズ」は衝撃的だったから、忘れないように書き留めます。
ネタバレ注意。
ユカ(小説家)、五月(モデル)、涼子(専業主婦)、違う境遇で育児をする三人が
認可外の保育園ドリーズルームで出会った。
育児ノイローゼの様子がとてもリアルで、今まさに育児がつらくて仕方がない人が読んだら
共感し、安心できるのではないかと思った。が、今まさに大変な人に、読書の余裕なんてあるわけがない。
育児しながら感じる小さな破片を煮詰めてデフォルメしたようなところがあり、
なんだか不安にさせる。
出産の痛みも夜泣きも一番大変な時期の育児も、過ぎてしまえば本当に忘れてしまうのだけど、
だからと言って、子育ての先輩が「たいしたことないわよ、誰でも乗り越えてきてることなんだから」なんて
言ってはいけない。子どもは百人百様で、育児は千人千様だから。
一番忘れられない場面は、五月の娘・弥生ちゃんの交通事故だ。
まるで目の前で起こっているように鮮やかな描写、私の手の中で額から血をあふれ出しているかのような
リアルな恐怖と痛み。
その後の五月の心の描写もとても丁寧で上手だった。ああ、そうだろう、きっと私もそうなるだろう。と
納得してしまう喪失感であった。
涼子が初めて虐待する場面も衝撃的だった。
いつまでも完治しない中耳炎、何をしても泣き止まない、乳腺炎で発熱までしているのに乳首を噛む息子、一弥。
誰も理解してくれない、手伝ってくれない、助けてくれない。
痙攣し動かなくなるまで蹴ってしまった。
金原さん自身はユカに近いんだろうな。
二人目が出来て、生まれ変わったように育児と家事に力を入れるユカだけは、一時的でも希望が見えてた。
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