わすれるまえに

春になりました。ドタバタしますね。

角田光代

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全6ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6]

[ 次のページ ]

なくしたものたちの国

  「なくしたものたちの国」 角田光代 松尾たいこ 2010年 189頁

大好きな松尾さんの絵に魅かれて手に取ったけれど、
想像以上にいい物語だった。
普通、絵本っぽくなっている本は、少し物足りないことが多い。
でも本書は、びっくりするほど良かった。
GWの渋滞の中読んでいたけれど、前方の車たちが全く見えなくなるほど
涙が出てしまった。

  晴れた日のデートと、ゆきちゃんのこと
  キスとミケ、それから海のこと
  なくした恋と、歩道橋のこと
  さようならと、こんにちはのこと
  なくしたものたちのこと


雉田成子の人生短編なのだけど、
ヤギや木の葉やドアノブなんかと話せた子ども時代があり、
母の飼い猫ミケの生まれ変わりの少年との日々があり、
生霊になるまでに狂おしい恋をして、
穏やかな出会いと子どもとの日々がある。

風変わりな部分もあるのに、すごく普遍的な人生を表現していると感じた。
なくしたり忘れたり、流れていく感じが寂しいのだけど、
でもそれが本当だと納得した。

ちなみに泣いたのはミケの言葉で、
再読してもやっぱり泣いた。
母を失って悲しみのあまり動転しているこよ美さん(成子の母)を慰める使命を持って
ミケは前世の記憶を残しておいたんだなって。

今、何してる?

  「今、何してる?」 角田光代 2003年 213頁
 
角田さんのエッセイは、あんまり面白くないな。
なんか、一生懸命くだけていても、頭のいい人の文章になっている気がする。
笑っちゃう面白さを求めるなら、川上さんか三浦さんだな。
 
後半、本紹介エッセイになる。
読みたくなった本を書き残しておこう。
 
 「あなたにあいたくて生まれてきた詩」 宗左近編
 「ほんの豚ですが」 佐野洋子
 「白蛇島」 三浦しをん
 「食卓の力」 山本ふみこ
 「首鳴り姫」 岡崎祥久
 
最後のページが、前の旦那さん伊藤たかみの「ミカ×ミカ」を紹介したものというのがおもしろい。
当時はまだ同棲中だったのかな?とか思ってしまう。

くまちゃん

イメージ 1

  「くまちゃん」 角田光代 2009年 281頁

  くまちゃん  苑子(23歳)→くまちゃん(英之25歳)
  アイドル   英之(27歳)→ゆりえ(28歳)
  勝負恋愛   ゆりえ(29歳)→マキト(槙仁)
  こうもり   槙仁(32歳)→希麻子(34歳)
  浮き草    希麻子(36歳)→久信(31歳)
  光の子    久信(14歳)→文太(14歳)(33歳)→苑子(34歳)
  乙女相談室  こずえ(36歳)、ゆりえ(33歳)


恋愛の神様が意地悪しているのかと思うような、
一方通行の矢印たち。

どんなに尽くしても、だめな時はダメだし、
押してだめで、引いてみたって、追いかけてくれない人は
追いかけてくれないんだ。

でもそれは、振った人、振られた人が悪いというわけでもないんだな。
タイミングとかめぐり合わせとか、その時の心の状態が合わないってことだ。

例えば失恋した人が読んだら、元気が出るのかな?
まあ、しょうがないって思えるのかな?

開く トラックバック(1)

マザコン

  「マザコン」 角田光代 2007年 227頁

  空を蹴る   ナンパした女と熱海へ
  雨をわたる  フィリピンへ移住した母
  鳥を運ぶ   入院した母の飼い鳥を、別れた夫とともに運ぶ
  パセリと温泉  手術後、母がおかしくなった
  マザコン   妻に「マザコン」呼ばわりされた
  ふたり暮らし  70歳の母と仲良く暮らす
  クライ、ベイビイ、クライ  実の母にオレオレ詐欺
  初恋ツアー   義母と三人で北海道旅行


パッとしない、どんよりと肩凝ってるような疲れた雰囲気なんだけど、
それぞれ、ポチャンと小石が沈むように、心に落ちる。

「鳥を運ぶ」で、
「夫婦になる人間が、電車を乗り継いで二時間かけて鳥を運ぶ。その二時間に 耐えられたら、なんかとりあえずだいじょうぶって気がしないか」
という言葉、妙に納得。

「クライ、…」で、20年以上会ってない母親に、信じていてもらいたい気持ちが、なんだかかわいかった。

森に眠る魚

  「森に眠る魚」 角田光代 2008年 365頁

去年の12月に出た本を、1月に図書館で予約して、
私の順番が来たのは9月。
おおー!
でも、読んでみて、それだけ待った甲斐があった。
角田さんの「腕」を実感した。
文句なし。


  東京の文教地区で子育てをする母たち。
  タイプは異なっても仲良しだった。
  幼稚園で「お受験」をする人たちが動き出したころ、
  母たちの中で何かが変わっていく。
  それぞれの背景、それぞれの疑心。
  

ネタバレします。
実際の事件を元に描かれたと言うことで、
途中から、いや、最初から、誰が誰の子を殺してしまうのか、と
ビクビクと好奇心でページをめくった。

一人一人、心に闇があって、人を疑いだし、憎みだし、
誰でもほんの少しのきっかけで暴走しそうな状態だった。

そして事件の核心の15ページ、主語が全て「彼女」となる。
最初の7ページは、それまでの登場人物繭子・容子・瞳・千花
なのだろうと思われる「彼女」だ。
「声なんかかけなければよかった」
千花→容子、瞳→容子、繭子→瞳、声をかけたのは誰だったか振り返る。

◇のあとに続く「彼女」にはヒントが無い。
そして、事件が起きる。

最後まで読むと、この4人にかおりを含めた登場人物たち5人は
事件とは違う場所にいた。パラレルワールドみたい。
誰が事件を犯してもおかしくなかった緊張感は、
読んでいる私にも伝染する。
ママ友達を持つ、全ての人に広がるんだ。



読んでしばらく、どんよりしてしまい、
自分が周りの人から嫌われている気分になってしまった。

でも本当にすごいと感じた。
実際の事件を元に書いた「三面記事小説」も面白怖かったが、
そこからまた昇華した感じだ。

全6ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6]

[ 次のページ ]


.
検索 検索
ゆうき
ゆうき
女性 / O型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!
ふるさと納税サイト『さとふる』
お米、お肉などの好きなお礼品を選べる
毎日人気ランキング更新中!
話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事