|
神野氏: ところが、社保庁問題は、払っているにも拘わらず貰えないっていう問題が出て来たっていうのが、まあ基本的な問題点ですよね。
うさぎさん: うん。
神野氏: で、税方式にしてしまえば今度は「払ってる人だろうと払ってない人だろうと、貰えることにしちゃいますよ」ということになるわけで、こうなってしまうと、「今まで払ってた人と払っていない人で、ホントは貰う人と貰えない人が出たはずなのが、出なくていいでしょうか」っていう問題が生じてきますねぇ。ただ、貧しくて払えなかった人も、一見すると貰えるようにみえると。
もう一つ重要な点は、「この負担を消費税に変えよう」って言ってることですね。これはヨーロッパでも、如何なる国でも、「消費税に変えよう」「付加価値税に変えよう」っていう議論はありません。
金子氏: 年金財源を補填するために付加価値税を入れることはあっても、基礎年金全額を消費税にするっていうことは、ないですね。
神野氏: 消費税に変えるっていう議論は、何かといえば、消費税というのは・・・、今の社会保険料というのは企業が半分支払って、働いている国民が半分支払うということになってる訳ですよね。
うさぎさん: うん。
神野氏: 「それぞれ賃金を支払ったら、その賃金の内から本人も半分支払なさい。会社も半分支払なさい」といって、会社が負担してるわけです。
うさぎさん: はいはい、そうですね。
神野氏: この負担割合は、圧倒的にヨーロッパに比べると少ないんです。フランスの3分の1、
金子氏: ああ・・・
神野氏: ええ・・・ドイツの2分の1だろうと思います。
うさぎさん: はい。
神野氏: ところがヨーロッパでも、フランスとかドイツなどでも負担が重過ぎると。或いはスウェーデンなんかでも、負担が重過ぎるという議論が出て来て、これ、環境税を入れて、環境税だったら企業が負担しないで済むから国に転化することができるので、負担を低めて国際競争力を強めようっていう動きは出て来ていて、なるべく消費課税に変えていきましょうという運動がヨーロッパで出て来ていることも事実なんですけど、日本の場合には先ほども言いましたけど、企業の負担があまりにも少な過ぎるんですね。
うさぎさん: うん。
神野氏: で、それにも拘わらず、今ここで全額消費税という方式にしてしまうと、消費税はとうぜん価格に上乗せされていて企業は負担しませんから、私たち国民に・・・全額負担されてくると。
うさぎさん: なるほど。
神野氏: この方式にしてしまうと、ただでさえ社会保障の負担について企業が負担していない・・・、で、これが実は日本の企業で大幅な利潤が生じていて、国民の生活が圧迫されてる原因になってる訳ですから、
金子氏: キャッシュフローがすごいですからねぇ。
神野氏: それを・・・ますます加速してくることになりかねないと。
金子氏: 端的に言うと、大企業減税っていうことになりかねないですよね。
神野氏: ということになりかねないと。
金子氏: 要するに、社会保障負担が日本で少ない上に、全額税方式にしたら、企業が払ってる拠出金と・・・、まあ賃金の中から払ってるから、その分だけ賃金安くしちゃえばその分、年金の負担分がまるまる企業にとって負担からなくなっちゃうっていうことになると・・・
神野氏: ということになりますね。
金子氏: 詐欺まがいだけど、民主党に歩み寄ってるとかいう話になってますけど、ちょっとその違いをもう一つ説明して頂けません?我々の提案と少しちがう・・・
神野氏: ああ、僕らのね、はい。
金子氏: うん。僕らの提案と民主党のは、ちょっと違うんだけど。
神野氏: 金子さんと、特に私と話し合いながら、スウェーデンでやっている年金の方式を参考にしながら、こういうビジョンで年金を改革していったらいいのではないかという提案を致しました。その時も「税方式」という言葉を使っていますが、いま提案されているような税方式とはまったく違います。
うさぎさん: はい。
神野氏: 拠出金という保険料によって支払われる部分については、その保険料は本人の所得に応じて負担すればいいので、所得によってちがう。但し、これについては全て企業に源泉徴収させる。パート労働者であろうと正規従業員であろうと、企業が賃金を支払った瞬間に一定の割合を取っちゃうということが重要なんですね。
うさぎさん: はい。
神野氏: そうすれば所得に比例的に負担、もらう場合も所得に比例的にもらえる。但し所得がゼロの人はゼロになっちゃいますよね。そこについてはミニマム年金を、最低年金をつくりましょうと。この最低年金を税でやりましょうと。この税は貧しい所得の非常に少ない人を補填してあげるので、できればお金持ちないしはお金持ちの所得になるであろう企業の利潤に負担させた方がいいので、所得再分配と我々はいってますけど、お金持ちや利潤にかかる税を中心にした国税でここのところを賄っていく、これが税方式なんです。
金子氏: この案だと、企業は負担はどうなるんですか。
神野氏: 企業の負担は、企業が支払った賃金についてぜんぶ企業が支払いますので、現在は企業が50%、もらった人があとの50%負担するわけですが、この方式だとぜんぶ企業が負担する。
金子氏: そうすると企業は賃金総額に対して一定の割合を・・・、ペイロール・タクスっていって賃金税ですよね。
神野氏: そうです。
金子氏: だから今までと負担が変わらないんですよ。要するに個人が払う保険料の部分が所得比例年金。で、もう一つ企業が払うのは、払ってる賃金総額にかかる。これは何で意味があるかというと、正社員も非正社員も区別なく賃金に比例して払うから、今だとほら、国民年金だと企業は負担しなくていいでしょ、拠出金。
中村さんそうでしょ。国民年金だから自分で払わないといけない。企業負担分ないから、みんな非正社員にしちゃうんですよ。そういうことを止めるために、正社員も非正社員も払ってる賃金総額にかけちゃえば、
|