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水虫に悩む人の中には、足裏の皮膚(角質)が異常に分厚くなっているケースが散見されます。
この角質が分厚くなる理由としては、一つには水虫菌の関与があるでしょう。
皮膚に水虫菌が侵入すると、皮膚はそれを排除しようとして増殖し、水虫菌を外へと押し出そうとします。
すると水虫菌はさらに皮膚の深いところへと菌糸を伸ばしていき、それに対応して皮膚が再度増殖する、という繰り返しがおきます。
この連鎖反応の結果として、角質増殖がおきてしまいます。
これは生体の防衛反応の一つで、理解しやすいですね。
ところが、角質が分厚くなる別の理由もあるのです。
上の写真は、足裏の角質が広範囲に異常に分厚くなっている例です。
そして、足裏全体に皮膚がザラザラして硬くなっています。
このようなひどい角質増殖は、なぜ起きたのでしょうか。
この足の持ち主(Oさん)は、足裏にできていた水虫を取り去ろうとして、入浴時にせっせと足裏を軽石でこすっていたのです。
ときには皮膚から血が出るほどにこすっていたそうです。
足裏にできた分厚い皮膚を軽石でこすり取るという行為は、分厚い皮膚を除去するための一方法として合理的なようにも思えるのですが、実はそうではないのです。
軽石で皮膚をこすると、確かに分厚くなっている皮膚はとれるのでしょう。
しかしその一方で、正常な皮膚もこすることになり、正常な皮膚は当然傷つくわけです。
正常な皮膚が絶えず傷つけられる状況が続きますと、皮膚はそれへの対応手段として皮膚を増殖させることになり、その結果として分厚い皮膚が形成されるのです。
つまり、写真の分厚い皮膚は、Oさん自身の行為が作っていたわけです。
Oさんは私の助言を聞き入れて軽石を使うのをやめましたので、今では柔らかい皮膚を回復しています。
水虫を処理する際に、この例のように自身の皮膚を手ではがしたり、こすったりする人がいるようですが、このような行為は厳禁なのです。
なぜかといいますと、皮膚に強制的な力を加えると皮膚が裂けたりして傷つき、その結果として皮膚に炎症反応がおきますね。
水虫菌は、皮膚の炎症反応を利用して増殖するすべを身につけており、炎症状態になると水虫菌はとても精強になってしまうのです。
つまり、水虫患部を手でいじると皮膚が傷つくことになり、水虫が治りにくく〜治らなくなるのです。
別の言い方をすれば、水虫薬が効きにくくなります。
足指の間に水虫がある場合では、足指の間の皮膚は刺激に弱いために炎症を起こしていることが多いのですが、その時にはまずステロイド軟こうを1−2週間塗って皮膚を正常化させ、皮膚の炎症が取れてから水虫薬を使うのです。
水虫菌は人体の常在細菌になっている、という説があるほどに水虫菌は人体になじんでいます。
彼らの特性を知識として持っておくことが大切ですね。
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