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若い女性が爪水虫であることを告白して、爪水虫の治療についてブログを書くというのは、相当に勇気がいることでしょう。
何しろ、水虫というと「おじさん、汚い、不潔」などの不名誉なイメージがありますので、花の20代OLにとっては触れたくもない話題です。
このブログ「20代OL*爪水虫治療ブログ」では、皮膚科で内服薬療法を行っている作者(エルさん)の体験談が綴られています。
エルさんももちろん皮膚科など行きたくもなかったのですが、彼ができたので水虫をうつしたくない、という切実な事情があり、一大決心をして皮膚科へ行きました。
若い女性が爪水虫の治療のために皮膚科へ行く、ということになると、恥ずかしさやためらいなど様々な感情が起きてきて非常に悩むわけですが、エルさんはそれらの経過を率直に告白しています。
そして、皮膚科で診察を受けた感想として、「面倒臭さと恥ずかしさでずっと来れなかった皮膚科、思ったより大丈夫でした。こんなんだったらあと数年早くくれば良かったです。」と述べています。
同じような立場にある人にとってはとても参考になる話が細かく書かれていて、皮膚科受診の疑似体験ができますので,必見です。
ブログ記事は8編あります。
3回目の記事、「爪水虫治療、初めての病院!!(ド緊張)」より抜粋
「・・・・今すぐ全力ダッシュで診察室から逃亡したいという衝動に駆られましたが(本気で)、なんとかこらえ…、、、
「爪水虫の検査ですね?ちょっとみせていただけますか?」と先生に誘導されるがまま汚い爪を見せました。。
(病院に来る前は、受診カルテに爪水虫と書かずに診察室で先生にだけ打ち明けようかと悩んでいましたが、カルテに書いて正解でした。
初対面の先生を目の前にして「実は爪水虫で…」と自分から切り出すのは結構勇気がいります。あらかじめ書いておけば先生の方から聞いてくれるで少し楽です。)
私の汚い爪を見ても顔色ひとつ変えずに、検査のためにピンセットで爪の表面を軽く削り、検査の説明を受けました。
あ、削られるのは全然痛くないのでご安心を!」 「感想としては、面倒くささと恥ずかしさでずっと来れなかった皮膚科、思ったより大丈夫でした。こんなんだったらあと数年はやく来ればよかったです。
それにしても先生…ステキだったなぁ…次の通院がちょっと楽しみ」
(以上、記事より抜粋)
皮膚科では、水虫は治療が必要な病気として扱います。
水虫患者は当然治療対象となる病人ですので、普通の患者として接してくれます。
水虫で悩む皆さん、気を楽にして皮膚科を受診しましょう!・・・これが最善の選択ですから。
エルさんの爪水虫の写真も公開されています。
写真を見ると、5本の爪全部が重度の爪水虫になっています。
それで、内服薬を処方されて、治療が始まりました。 足の爪はもともと伸びるのが遅く、全体が生え変わるのに1年前後もかかります。
この間は待つしかありません。
そして、「爪水虫飲み薬治療〜2ヶ月経過〜」と題する記事が最終になっています。
爪の状態は、何の変化もなく以前のままだということでした。
皮膚科医からは、次のコメントがありました。
「爪はまだ変化がないですね〜、でも今飲んでいる薬は今後何ヶ月も体に残ってこれから生えてくる爪に効きますからね」
エルさんからは記事の更新がされていませんので、このあと爪の状態がどうなったのか、わかりません。
薬の効果がなくて、爪に変化がなかったのかも知れませんね。
エルさんは、皮膚科での出来事を細かく紹介していますので、皮膚科を受診した際に起きる出来事がどんなものであるのか、詳細に知ることができます。
一度、通読されることをお勧めします。
最後に私からエルさんに一言、
エルさん、よろしければあなたの爪を治してあげます(無料)。コメント欄にお知らせ下さい。 道場主。
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水虫道場・完結編
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水虫は、なかなか治りません。
「水虫を治す」、という先を見通せない難事についてブログ記事を書く、ということは、とても難しくて勇気がいるものです。
それにもかかわらず、自分自身の水虫治療の経過をブログで記事にしていく、という勇者(愚か者?)がたまにはいるのです。
id:tsugi-hagiさんは、「意識高い系水虫治療経過ブログ」を書いています。
この人の水虫は重症というほどではないのですが、趾間から親指全体にかけて広範囲に及んでおり、簡単には治らないと思われます。
id:tsugi-hagiさんは、皮膚科でもらった水虫薬(ゼフナート、クリーム剤)を根気よく塗りました。
そして17日目(7月12日)には下記の写真の状態になりました。
写真を見ると、親指から趾間にかけて皮膚が大きくはがれています。
このような皮膚のはがれ方をするのは、水虫菌が死滅して皮膚の入れ替わり(新陳代謝)が起きている状態であることを示しています。
つまり、水虫が順調に治りつつあることを明瞭に示しています。
ゼフナートって効くんですねえ、こんなに効く水虫薬があるとは私は知りませんでした。
id:tsugi-hagiさんは、「この薬剤は私に合っているようだ」と述べています。
そのまま処理を続けていたのですが、36日目(8月2日)には水泡の再発がありました(下の写真)。
これはどういうことかと言うと、皮下に寄生していた水虫菌のタネ(胞子)が発芽して水虫菌に成長し、活発な活動を始めたために水泡ができたのです。
水虫薬(ゼフナート)にはタネを殺す能力はありませんので、タネの発芽→皮膚症状の再発という現象は何度も繰返して起きてきます。
この機構による再発が何度も起きることを知識として持っておいて対応することが必要不可欠です、油断していると再発を見逃してしまい、水虫を治し損ねることになります。
このような再発を乗り越えて、110日目(10月27日)には「皮膚がきれいになった」という記事と写真(下)を公開しています。
この間、110編の記事と写真が根気よく掲載されています、凄い努力ですね!
ご本人は、「治った」、と満足しているようですが、実はまだ問題が残っています。
親指〜趾間にかけての皮膚の水虫はほぼ治っていますが、実は爪の先部分にある爪水虫がまだ健在?のようです。
爪先端部の爪と皮膚との接触部分が円弧状ではなくて端部分で下へと切れ込んでいますね。
ここは,爪水虫なのです。
ここはまだ治っていません。
id:tsugi-hagiさんにこのことを知らせてあげるべきかどうか、悩ましいですね。
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水虫に関する情報を広く集めたブログ・「水虫専科」をご紹介します。
水虫専科は、ブログ記事のなかから水虫を扱ったものだけを集めており、一般の人々が水虫とどのように向き合っているのか、その実情を読者にお伝えするものです。
「水虫」に関する情報源として、こんなに巨大なものは他にはありません。
普通の人が書いた記事を集めていますので、玉石混淆ですが、多くの読者のお役に立っています。
水虫専科を読んで水虫を理解し、最善の方法で水虫を治しましょう!
水虫専科では、水虫に関連する記事だけを扱っています。
そして、その記事数も1200件に近くなってきました。 水虫に関する情報でしたら、たいていのものは収録されていると言っても過言ではありません。 しかし、記事数が多いだけに読みたい記事・情報を探すのも一苦労になります。 このブログで水虫に関連する特定の記事・情報を探したい場合には、 1、記事カテゴリー 2、記事検索 をご利用ください。 1、記事カテゴリーの利用方法 水虫専科では、記事を記事カテゴリー別に分類しています。 この記事分類を利用すると、読みたい記事をおおまかに見分けられます。 当ブログの記事カテゴリーは、次の通りです(カッコ内数字は記事数)。 水虫薬 (79) 水虫の本、知識 (16) 水虫面白話 (9) 水虫の豆知識 (253) 水虫の治し方 (34) 水虫Q&A (18) 皮膚科医の水虫論 (39) 水虫治療の体験記 (水虫に関する記事が一つの場合、249) 爪水虫 (42) 体部・手の水虫 (37) 家族の水虫 (61) 水虫治療のブログ (水虫に関する記事が複数ある場合、62) 水虫に似た皮膚炎 (94) 水虫・・・じゃなかった (24) 妊娠、病気、介護 (34) 動物の水虫 (25) 水虫記事集 (14) 2、記事検索の利用方法 水虫専科トップページの左カラム・記事カテゴリーの下に、「記事検索」欄を配置しています。 ここで、検索窓に適当な言葉を入力し、「記事」を選択してから検索すると、水虫専科内に存在する情報が一覧表示されます。この機能は便利ですので、ご利用ください。 例 「猫」と入力して検索 →41件がヒット 「趾間型水虫」で検索 →8件がヒット 「妊娠」 →21件がヒット 「酢」 →51件がヒット この記事検索では、検索する言葉での検索しか行われません。例えば、「アメリカ」で検索すると16件がヒットしますが、一方、「米国」で検索すると4件しか表示されません。 また、ヒット件数が多い場合には、表示しきれないためか、記事が表示されずに空白欄となります。その場合には、検索したい情報の範囲を狭めて言葉を選択し、再度検索してください。 例 「水虫」 → 表示されない 「趾間型」 → 表示されない ↓ 「趾間型水虫」に絞って検索→8件がヒット (注、記事中の数字は、2017年12月現在のものです) 後記 このブログでは水虫に関するブログ記事を扱っていますが、最近は目新しいものが見られなくなってきました。私(道場主)の目から見ても、水虫に関する情報はほとんど網羅されていると思われます。 上記の記事検索をご利用いただきますと、たいていの水虫情報でしたら得ることができますので、ご利用ください。 あるいは、メールでお問い合わせいただければ、私のわかる範囲内でご回答します。 |
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爪水虫を治すのは、大変な難事業です。
爪水虫を治すためには、
1、爪患部の一番奥にいる菌を殺す〜弱体化させる
2、その結果として、菌によって抑制されていた新陳代謝能力を爪が回復する
3、そして爪が根元から新しく伸びてくる
4、足の爪の場合、爪全体が新しく入れ替わるまでには1年以上もかかる
5、爪を再生する組織自体も機能回復には時間がかかり、きれいな爪になるまでには相当な期間が必要
などの条件が必須です。
このため、爪を治そうと思っても、途中で息切れする人も多いのです。
Aさんは、重度の爪水虫と角質増殖型水虫とがありました。
当初は、右足親指爪を治したい、ということでした。
右親指爪(処理前)
ご覧のように、爪全体が重度の水虫になっていましたので、1時間の処理液浸漬法を行いました。
すると、爪根元から徐々に新しい爪が伸びてきて、半年後には黒い爪部分が少なくなりました。
処理半年後
このように爪は改善してきたのですが、一つ問題が残っていました。
それは、爪根元部分の爪と皮膚との接触部分が離れてしまっていて、爪上皮がない(回復していない)ということです。
この現象は、爪根元にはまだ菌が生き残っていて、爪組織の回復を妨げている、ということを示しています。
つまり、新しい爪が順調に回復しているように見えるのですが、正常な新陳代謝能力を回復しているわけではない、ということですね。
それで、処理液濃度を高めました。
そして、10ヶ月後には爪上皮も正常化してきました。
処理10ヶ月後
爪根元部分には健康な爪が伸びつつあり、これで治ったな、と私も思いました。
そして、13ヶ月後には次の写真のようになりました。
処理13ヶ月後
実は、この症例を見ていた際に、私自身は気がつかなかったのです。
爪上皮部分を見て下さい。
爪上皮がなくなっていますね。
つまり、Aさんは爪が治ったと思って、処理をやめてしまっていた、のです。
そして、菌が復活して、再度爪上皮が侵蝕された、ということですね。
あるいは、他の患部から菌が移ったのかも知れません。
実は、Aさんには他の爪やかかとにも重度の水虫があり、それらの処理も行っていました。
そして、この親指爪については処理されないままになってしまいました。
爪水虫を治すためには、長期の処理が必要です。
この間、集中して処理を継続することは、決して容易ではないことです。
もちろん、この症例でも処理前と比較すれば爪は大きく改善していてご本人は満足していたのですが、完治には届きませんでした。
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前回の記事で、水虫が治らない理由として、水虫菌のタネ(胞子)を殺す手段がないためにタネが生き残り、やがてタネが発芽して水虫が再発するからである、ということをご紹介しました。
皮膚下にいるタネを殺す方法を開発しない限り、水虫を完治させることは不可能だといってもよいでしょう。
実は、もう一つの水虫が治らない理由があります。 このことをご紹介する前に、少し基礎知識を解説します。
水虫は、皮膚糸状菌(白癬菌)という種類の真菌(カビ)が皮膚の角層に住み着いていることで発生する皮膚症状を指します。
皮膚糸状菌には、トリコフィトン属、ミクロスポルム属、エピデルモフィトン属の3種類が含まれており、これらのうちのトリコフィトン・ルブルム菌とトリコフィトン.メンタグルフィテス菌が主要な水虫病原菌です(皮膚科で診断される水虫の89%を占めます)。
その他には、カンジダ菌によるもの(8%)とマラセチア菌によるもの(2%)があります。
疫学調査の結果から判明している水虫の病原菌は、以上の僅か数種類の菌だけになります。
真菌とは:真菌(カビ)には膨大な種類の菌が含まれており、動物や植物と並び称される巨大な生物群です。
真菌の分類
カビ:ここでは糸状菌を指す
そして、真菌のほとんど大部分のものは、ヒトに対する病原性を持たないのです(つまり、病原菌ではない、と定義されています)。
ところが、私自身の体部にできている体部水虫から寄生している菌を分離し、大学の研究室で遺伝子解析を行った結果、下記のような多種多様な真菌が寄生していることが判明しました。
担子菌(キノコ)、酵母、植物病原菌、アスペルギルス菌、など
このように、病原性がないとされている真菌でも、トリコフィトン・ルブルムなどの病原菌が住み着いている部分へ感染することができるのです。
このような感染様式を日和見感染といいます。
水虫のように外部と接触している疾患では、多種多様なカビが患部へ侵入してきますので、日和見感染を起こしやすいと考えられます。
今の水虫薬は、皮膚糸状菌の細胞壁を生合成する酵素を阻害して菌を殺しますので、多様な真菌が寄生していると効果が失われます。
つまり、多様な真菌を殺す能力を持った薬剤でないと、水虫を治すことは難しい、ということになります。
水虫が治らない理由をまとめますと、
1、皮下の患部に存在するタネ(胞子)を殺すことができないこと
2、日和見感染した雑多な真菌を殺す薬剤がないこと
の2つになります。
なお、上で述べた遺伝子解析による菌種同定技術は、最近になってようやく大学の真菌研究室で行えるようになってきた段階であり、今回ご紹介した多様なカビによる日和見感染が水虫患部で起きていることはまだ一般には知られていません。
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