水虫道場

水虫を治しましょう。

水虫道場・完結編

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水虫が治らない理由

水虫は、なかなか治りにくいものです。
皮膚の角層(角質層)という、皮膚の一番外側のごく薄い層に水虫菌(カビ)は寄生しています。
そんなものは、殺菌剤を塗れば一撃で殺せるのではないか、と誰しも思いますよね。
ところが、これが殺せないのです。
その理由は,一体どこにあるのでしょうか。
皮膚角層
イメージ 1


水虫菌(カビ)は、皮膚の角層に寄生しています。
彼らは、そこで生きていて、生活しているのです。
そこでは、成熟した菌糸が生きており、皮膚から栄養を取りながら、子孫を産生して世代を継いでいきます。
ですから、皮膚角層には、成熟した菌糸と子供(タネ、胞子)がいるのです。
実は、成熟した菌糸はわりと簡単に殺すことができます。
例えば、アルコール消毒(エタノール)などで簡単に殺すことができます。
ところが、タネは堅い殻で覆われていて、薬剤処理に対して抵抗力を持っています。
このタネは、塩素殺菌などで殺すことができるのですが、何分にも皮膚の下に住み着いているタネを塩素処理するということはできません、皮膚が破壊されてしまいます。
皮膚の下にいるタネを殺す手段(方法、薬剤)がない、ということが、水虫を治せない最大の理由なのです。

「水虫を治すためには、皮膚症状がなくなっても水虫薬を塗り続けることが大切です」、といわれます。
このことを上の説明と関連づけて解説しましょう。
水虫薬を水虫患部に塗ると、成熟した菌糸は殺すことができます。
そして、菌が死んで、皮膚が回復してきて、皮膚症状がなくなりますね。
このとき、皮膚の下では、成熟した菌糸はいないのですが、タネは無傷で生き残っています。
やがて、このタネが発芽してきて、成熟した菌糸になり、皮膚症状が再発してきます。
この場合に、ずっと水虫薬を塗り続けていれば、タネが成熟した菌糸になった瞬間を捉えて、これを殺すことができるわけです。
この目的のために、水虫薬を塗り続けて下さい、と説明しているのです。

しかし現実には、水虫患部はとても広大であり、水虫薬は相当に高価なので、いつまでも水虫薬を塗ることもできませんね。
また、今の水虫薬は皮膚への透過性も悪くて、なかなか水虫を治すことは難しいです。

水虫菌のタネを写真でご紹介しようと思ったのですが、なかなか適当な画像が見つかりません。
それで、「水虫菌アニメ」をご紹介します。
水虫とはどういうものか、を解説しており、タネの写真も載っていますので,ご覧ください。

以上の解説から、水虫を治すための薬剤として必要な機能が何であるのか、おわかりでしょう。
水虫を効果的に治すためには、タネを発芽させる機能を持った水虫薬を作ることが必要不可欠です。
タネを発芽させて、成熟した菌糸に変えてから殺せば良いわけです。
このような薬剤が開発されたとき、水虫(皮膚真菌症)は治すことができる疾患になるでしょう。

治りにくい爪水虫

水虫の病歴が長くなってくると、水虫菌(白癬菌)以外のカビが患部に住み着く例も多発してきます。
このように白癬菌以外の菌が住み着いてしまうと、薬剤処理しても治らない〜治りにくいことになってしまいます。
これは人間(患者)側からすれば全く迷惑な話なのですが、カビの世界の生存競争の結果起きる現象ですので、どうしようもありません。

そのような例として、手指の爪水虫をご紹介します。
処理前の写真
イメージ 1

写真を見ると、爪の先端部分が水虫になっていることがわかりますね。
この程度の水虫であれば、わりと簡単に治る、はずです。
ところが、この症例では、処理しても治らないのです!
処理1ヶ月後の写真を示します。
1ヶ月後
イメージ 2

ご覧のように、処理前とほとんど変わりません。
こんなはずは無いのですが・・・
実は、この爪からは、アスペルギルス菌(A. niger、クロコウジカビ)が検出されました。
この菌が住み着いてしまうと、とにかく治らないですね。
やむを得ず、処理条件をきつくしました(薬剤濃度を高めて1時間の浸漬処理法を適用)。

2ヶ月後、爪は少し良くなったように見えるのですが、治っているわけではありません。
爪先から下方へと伸びる白い筋が散見されます。
2ヶ月後
イメージ 3

やむを得ず、処理時間を長くして、就寝時の浸漬処理を行いました。
そしてさらに3ヶ月後、爪先は正常な形には戻らず、爪と皮膚の接触線が異常なままです。
3ヶ月後(合計5ヶ月後)
イメージ 4

それで薬剤濃度を2倍にして、患部に塗布することにしました。
すると、爪先の形状は改善されてきて、効いているようです。
1ヶ月後(合計6ヶ月後)
イメージ 5

これほどまでに治りにくい爪水虫は経験していませんでしたので、爪標本を採取してアスペルギルス菌が残っているのかどうか、培養して確かめました。
結果としては、爪標本からカビは生えてきませんでした。
一応、これで完治した、という判定になりました。
ただ、爪の形状が悪くて、何となく気になりますが・・・。

Sさんの足の爪には重度の爪水虫があり,それらの治療については前2回の記事で記載しました。
今回は、かかとの水虫(角質増殖型水虫)について、ご紹介します。
先ず、処理前の右足の状態を写真で示します。
処理前、右かかと
イメージ 1

写真でおわかりのように、Sさんは足の皮膚や爪を手ではがす、という悪癖を持っています。
水虫になっている皮膚部分を手ではがして、水虫を治そう、軽減しよう、という気持ちであることはわかるのですが、水虫菌はカビですので菌糸が分断されても死にはしません。
水虫を治したいという気持ちはわかるのですが、皮膚をはがしても何の役にも立ちません。
全く無駄な行為です。

それどころか、皮膚をはがすことによって菌が大繁殖し、水虫菌が繁茂した巨大な病巣が出来てしまうのです。
その経過を解説しましょう。
まず、皮膚をはがしことによって皮膚組織が傷つき、体液がしみ出してきます。
その体液に含まれている成分は菌の栄養となって、菌が大繁殖します。
そして、皮膚組織ははがされた部分を補うために新しい皮膚を新生して傷を埋めようとします。
その新しい皮膚は、これまた菌の絶好のエサになり、菌が住み着いていきます。
はがして出来た皮膚部分を修復するために補われた新しい皮膚部分全体が菌のエサとなり、すみかとなっていくのです。
おわかりですか?
皮膚をはがした部分全体が、巨大な水虫の層になるのです。

このようにして、かかとには巨大な病巣が出来ていますので、水虫薬を塗ってもそんなものは焼け石に水です。
巨大な患部が表面化してくるのを唖然としながら見るだけです。
巨大な患部
イメージ 2

この激烈な患部を見ると、あとは薬剤濃度を出来るだけ高めて、処理の効果をあげていくことしか方法がありません。
そして、何ヶ月もの処理を続けて、少し症状がマシになってきました。
少し改善
イメージ 3

マシになったとは言え、まだまだ皮膚には深い亀裂が出来ている状態です。
根気よく処理を続けて、皮膚表面の菌を殺し、そして菌が死んだ部分の皮膚がアカとしてはがれて、少しずつ病巣の皮膚をはぎ取っていきます。
水虫の患部では侵蝕されて死んだ皮膚組織が積み重なっていますので、それを少しずつ除去していき、新しい皮膚組織の新生を待つ、しかないのです。

そして、処理開始から1年ほどが経過して、少しマシな状態、何とか皮膚らしい状態にまで回復しました。
皮膚らしくなった
イメージ 4

Sさんは、皮膚や爪をはがす悪癖を持っています。
これは、いくら説明してもわからないようで、直りませんね。
水虫は皮膚表層だけに住み着くおとなしい感染症ですので、本人が健康なあいだは水虫があっても何の問題も生じません。
たいした問題ではありませんね。
爪水虫の症例をご紹介しています。
処理開始前と、処理4ヶ月後の写真を再掲します。
処理前
イメージ 1

4ヶ月後
イメージ 2

処理前の爪は、全体が菌に侵蝕された重度の爪水虫でしたが、処理開始直後から爪根元より爪が伸長してきており、爪根元にいる菌が弱体化して爪の新陳代謝能力が回復しています。
そして4ヶ月後には爪患部が爪先へと押し出されて順調に回復していますが、それでも爪根元は障害された爪のままです。

その後も、薬剤濃度を高めるなどの工夫をしながら処理を続けました。
とにかく、爪根元から健康な爪が出てこないことには治りませんので、手探りで前へ進むしかありません。
7ヶ月後には爪根元から白い爪半月のようなものが見えてきました。
7ヶ月後
イメージ 3

しかしこの爪は、横から見ると分厚いままでした。
分厚い爪
イメージ 4

処理時間もかなり経過していましたので、やむを得ず就寝時の処理液浸漬法を使うことにしました。
この方法は、大きめの指サックに液を入れて指にかぶせて、そのまま就寝して朝まで継続するもので、最強の外用処理方法になります。
その後も処理を続けて、1年後には爪根元から健康な爪が出てくるまで回復しました・
1年後
イメージ 5

爪根元では健康な爪が出てきており、爪上部の侵蝕された部分からは段差が出来ていて薄くなっています。
爪根元の菌を弱体化させれば爪の新陳代謝能力が回復されて、健康な爪が伸びてくることをおわかりいただけたと思います。
この症例はここで処理を中止しましたので、ご紹介できるのはここまでです。
次回は、この症例のかかとの処理についてご紹介します。

水虫の症例(Sさん)

Sさんには、重度の爪水虫と角質増殖型水虫があります。
それらをご紹介します。
右足爪の状態を写真で示します。
右足爪の状態
イメージ 1

右親指爪は大きく損傷しており、爪全体が水虫になっています。
ほかの爪は、きれいな形を保っています。
このように爪が損傷しているのは、Sさん自身が何らかの方法で爪をはぎ取ってしまったからでしょう。
実はSさんには水虫患部の爪や皮膚をはぎ取る癖があり、このことが患部を悪化させているのですが。
このことについては後で解説します。

この親指爪に対して、処理液を1日2−4回噴霧・乾燥しました。
爪根元にいる菌を死滅〜弱体化させることができれば、爪が新陳代謝能力を回復して根元から新しい爪が伸びてきます。
そして、それに伴って爪患部は爪先へと排出され、患部を爪先で切り取ってしまえば爪水虫完治になります。
処理1週間後の爪の写真を示します。
1週間後
イメージ 2

爪根元の状態をご覧いただくと、中央部根元の爪が伸びていることがわかります。
つまり、噴霧処理(外用)によって処理液が爪根元の最奥部にまで侵入し、菌を弱体化させて爪の新陳代謝能力が回復し、爪が根元から伸びてきた、ということになります。
爪全体が白っぽくなっていますが、これは爪表面にいた菌が死滅し、爪表面部の爪組織が死んでいることが確定したためにザラザラの死んだ爪が露出して、光を乱反射しているために白く見えるのです。
注、菌が生きている間は、死んだ爪組織が死んでいない状態に保たれています。
  これぞ菌の持っている超能力ですね!

処理1ヶ月後と、4ヶ月後の写真を示します。
1ヶ月後
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4ヶ月後
イメージ 4

爪は順調に根元から伸長しており、爪患部は爪先へと排出されつつあります。
とは言え、爪根元はまだまだ健康な爪にはなっておらず、爪が治るかどうかは不明な状況です。
この続きは次回にご紹介します。

ここで、冒頭に述べました、爪をみずからはぎ取って傷つけた、という行為について、述べます。
Sさんは、この親指爪をみずからはぎ取っていますね。
これは、爪に住み着いている水虫菌を何とか除去したいという一心で行った行為ではあります。
しかし、水虫菌はカビなのです。
患部の損傷している爪や皮膚をはぎ取っても、菌(カビ)を取り去ることはできません。
無駄な,無意味な行為なのです。
それどころか、患部の爪や皮膚をはぎ取る行為は、とんでもない結果を招きます。
読者諸賢にそのことをご理解いただきたいのです。

菌に侵蝕されているとは言え、患部の爪や皮膚は強靭にできています。
それらの爪や皮膚を指などで引きはがすと、患部だけではなくて、健康な部分の爪や皮膚までもがはがれます。
これが大問題なのです。
健康な爪や皮膚をはがすと、当然その部分が傷つきますので、血液や体液がその部分にしみ出してきます。
それらの体液は、菌にとっては絶好のエサになり、菌が大繁殖します。
つまり、菌を除去しようと思って行った行為が、実は菌を大繁殖させることになるのです。
さらに悪いことに、このように菌が大繁殖した状態の患部に対して、水虫薬を塗っても効果が薄れてしまって効かないのです。

カビが住み着いている水虫では、水虫薬を塗って治すしか方法がないのです。
自傷行為だけは、おやめください。
水虫がひどくなりますから!
水虫が治らなくなりますから!


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