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◇完工戸数の多い都市、1位は横浜市◇
<建設密度は東京・中央>
2004年に完工した分譲マンションの戸数が最も多い都市は横浜市――。行政市区別に完工戸数を集計したところ、横浜市が首位に立った。ベストテンのうち、政令指定都市が5都市、東京特別区が5区と半分ずつできっ抗している。完工戸数が多いところほど活気あふれる町になり、ユーザーにとっては多くの物件から選べる利点がある。
2004年の完工戸数を最近5年間の平均値と比べると、25%以上の大幅増となったのは東京都港区、世田谷区、中央区、江東区。とりわけ港は48%増だ。これに対し大阪市は5%、横浜市は9%、名古屋市は11%の減少。神戸市は23%の大幅減だった。戸数の増減から見れば、東京が好調な半面、大阪、横浜、名古屋、神戸は不振という構図になった。
一方、「マンション建設密度」、すなわち行政市区の面積当たりの建設戸数は、東京都中央区が1平方キロメートル当たり374戸で1位。港区が同301戸で2位、文京区が同201戸で3位と、東京特別区が上位を独占した。改めて東京の建設パワーと、都心で進むマンションの過密化を浮き彫りにする結果となった。完工戸数上位の横浜市は同32戸、大阪市は同43戸と下位に落ちる。
首都圏の分譲マンションの平均的なプロフィルは、一戸当たり専有面積約70平方メートル、価格約4000万円、坪単価190万円となる。これに対して、マンション激戦区の港区では、専有面積59.5平方メートル、価格6315万円、坪単価351万円と、狭くて価格が高いマンションが多い。ただし同じ港区でも、高輪や三田など陸(西)側は坪単価が400万―500万円で、海(東)側は200万―240万円と、かなりの差がある。
ユーザーの立場から見ると、完工戸数が多いと買い手市場になりやすく、立地、価格、広さ、間取り、設備などを比較して選べるので、基本的には有利になる。購入のプロセスでも、営業マンと交渉することにより、価格が下がる、頭金が不要になる、駐車場料金がゼロになるなど、価格面でサービスを受ける機会も多くなる。
その一方では、実際に住むと空き住戸が多くて、分譲業者が価格を大幅に割り引いて販売したり、賃貸物件に回す住戸が増えたりするために、人気のないマンションになって資産価値が下がるリスクもつきまとう。
完工戸数が多いエリアでマンションを探す場合には、自分がなにを譲れないのかを考え優先順位を明確にした上で、多くの物件を比較し、目先のお得感に惑わされることなく、玉石混交の中から「玉」を選別するようにしたい。
全国の完工戸数を最近5年間で見ると、2000年の約18万8000戸をピークに、これ以後の4年間は17万戸台でほぼ横ばいだ。その一方で、坪単価は2002年の164万円を底に、土地の仕入れ価格と建築費のアップを反映して、2004年には181万円まで上昇した。
(日経BP社編集委員 細野透)[ 2005年3月11日 ]
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