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医師の働き方改革 16

(2)医師への労働時間規制適用、罰則の問題点

医師の健康を守るために労働時間に一定の上限が必要であることは理解できるが、その時間規制の実施に関しては慎重に行う必要がある。今回の働き方改革では、罰則付きの労働時間規制が行われることになるが、例えば自治体から 24 時間体制の救急医療を要請されている医療機関においては、救急医療を断らないために労働時間規制を超える時間外労働を行わざるを得ない医師がでてくることが想定される。救急患者への対応は、医師であればだれでも良いというわけではない。脳外科、一般外科、循環器内科、産婦人科等の各専門の医師が疾患によって別々に対応しなければならない。特定の診療科の医師が少ない地域等では、上限規制の時間を超えなければ、助かる患者が助からないということになりかねない。このような実態を考慮することなく該当医療機関に罰則を適用することは、公的な要請に応えようとする者へ罰則を与えることになり、公共の利益に反することになる。公的な要請に応える場合は、該当する医師の同意と健康を守る手立てを講じることを条件とする等、罰則の導入自体ないしは適用について慎重に取り扱うべきである。

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これはあらかじめ考えられることだ。よって、体制整備にどれだけの準備や努力をしたかなど情状酌量の余地はある。尤も、民事ではないので、何らかの事前手続きを求めることになろう。ところで、月100時間超の残業情況下にどれだけの医師が置かれているのだろうか。
法律対応もさることながらこれまで労務管理は適切だったのかどうか。
 
(3)対策の基本的な方向性
①基本的な働き方

病院に勤務する医師は労働者であり使用者は労働基準法を遵守する必要があるが、地域医療の崩壊は絶対に避けなければならない。このため当面は地域医療を守ることを前提に、医師の健康管理を最優先にしながら医師の勤務環境改善を進める必要がある。基本的には、客観的時間管理と適切な 36 協定の締結、4 4 休等、法令遵守が求められるが、日本医師会が作成した「勤務医の健康支援のための分析・改善ツール」や「勤務環境改善の 15 のアクション」の活用が有用である。健康管理の面からは、過労死ラインを超えない労働時間とすることが望ましいが、地域医療を崩壊させないための現実に沿った労働時間を検討する必要がある。現実と乖離したあまりに厳しい基準の機械的な導入は患者・住民への不利益が大きく、住民の反発等から医療機関や医師に対する非難が起き、働き方改革の推進にも悪い影響を与えかねない。自治体と協力しながら、現場の医師の適切な健康管理の下である程度柔軟な対応が可能となる余地を残しておく必要があると考えられる。また、医療安全を確保するためには、医療安全のチェック項目に医師の労働時間の管理が含まれることが必要であり、病院の機能評価に関しても、これらの点が評価項目に含まれる必要がある。

②宿日直問題に関する対応

宿直の問題では、交代制勤務の導入が可能な医療機関では交代制勤務を進めるべきであるが、医師が少ない医療機関、とりわけ中小病院では実際問題としてシフトを組むことが困難である。このような場合は、交代制勤務ではない連続労働を認めるべきである。ただし 24 時間を超える勤務は医療リスクや医師の健康面から避けるべきであり、基本的に宿直明けは休みとし、宿直明けの手術や外来は可能な限り行わないことが望ましい。そのためには、医療機関の壁を超え、地域の医師全体で 24 時間体制の医療を守る取り組みが必要となる。準夜帯等を開業医等も含めた他の医師が担い、宿日直を担う医師の労働時間が上限規制内に収まるように努力する必要がある。

③医師の特別条項の「特例」について  

先に述べたようにライフラインに準ずる地域医療を守ることは極めて重要である。医師の労働時間規制に関しては 5 年の猶予があるが、地域医療の問題は簡単に解決するものではない。医師の勤務環境改善を明確に掲げ、今からやれることを積極的に進めるとしても、地域によっては人口減少や高齢化の進行、自治体機能の低下、災害からの復興等様々な問題があり、医療政策のみでは解決できない側面がある。当然、長期的には医師の労働においても一般労働者と同様の労働条件を目指すべきであるが、一部の地域においては例外を設けることを検討する必要がある。このような医師の特別条項の「特例」に関しては、既に述べているが、安易に行うべきではないことは当然であり、また医師の人権や健康が担保されることが必要であり、多くの勤務医をはじめ国民にも支持される必要がある。

④僻地医療への対応
僻地医療への対応は個人の医師の責任に帰すべきものではない。従って、医師の個人的な頑張りに頼ることなく、地域医療支援センター等が行政や大学等の中核医療機関や医師会と協力して計画的に対応する必要がある。派遣される医師に関しては、休日や研修等の保障を組織的に行う必要がある。また、短期間の医師のローテーションによってしか医師体制を維持することができないケースもあると考えられる。これに関しても住民の理解が必要である。
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要するに、一つの地域医療体が運営主体となりそのなかに病院等を組織していくことが必要ということだと思う。平成29年の現状では、医療勤務環境改善支援センター(都道府県)の動きはまだ不安定で機能しているとはいえないという話である。

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医師の働き方改革 16

4.今行うべき労働安全衛生管理〜真摯に取り組む
 
Ⅲ.地域医療を守る
医師の働き方で大切なことは、医師の健康と地域医療の両方を守ることであり、Ⅱでは、 医師の健康面を中心に考察したが、ここでは、まず、労働時間制限が地域医療に及ぼす影響を確認する。合わせて、労働基準法や医師法の応招義務、国民の理解等、多面的な観点で医師の働き方と地域医療について考察する。
1.労働時間制限の地域医療への影響
日本医師会「勤務医委員会」は労働時間を制限することによる医療への影響を調査したが、以下に示すように、地域医療にマイナスの影響が出ることを危惧する意見が多数見られた。
 
① 労働時間を制限することによる医療への影響
(1)救急医療からの撤退
医療機関によっては、医師不足から交代制勤務等の抜本的な勤務環境改善が困難であり、時間規制を強行すれば、救急告示病院を取り下げる医療機関が多数現れ、それらの地域では医療崩壊が起きる可能性がある。
(2)外来診療の縮小
勤務医の多くは当直を担当しているので、労働時間制限をした場合、通常の外来診療等を制限しなければならなくなる。
(3)産科・小児科の撤退
小児科センター病院や周産期センターでは人員不足が深刻になる。また、地域によっては、産科・小児科は維持できなくなる。このことは地域で子どもを産み育てることを困難にし、少子化に拍車をかけることになりかねない。
(4)医療機関の経営破綻
医師の増員や、残業代を法令に基づいて払うと人件費が大きくなり経営破綻してしまう医療機関が少なくない。また、救急科からの撤退や外来診療の縮小は医療機関の収入を大幅に減らすため、現在の診療報酬のままであれば、経営面から医療崩壊が起きる可能性がある。
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ここまでフムフム、そうなんだなと読んできたが、これは門前払いの主張である。こういう主張を腹に持つものとなってしまえば、すべて疑わしくなる。労働法以外の経営的観点で解決すべき問題というのはどの産業でも同じ。業界全体での協力体制を政策的に支援するということも考えられる、もはや単体の組織体ではやりくりがつかなくなっているというのがこの働き方改革で捉えられた実像である。
 
(5)医療の質の低下
一般病院でも外来の縮小や手術件数を減らす必要が出てくる。高度医療機関においては、治療の優先順位から人手や時間がかかる高度医療を行うことが困難になる。また、研修時間の短縮等も起こるため、医療の質が低下する可能性がある。
(6)アクセスや利便性の低下
一定の外来の縮小や医療機関の集約化等が避けられないため、医療機関へのアクセスや利便性の低下は避けられない。
 
2.地域医療を守る視点と対策
(1)日本医師会の立場
医師に対する労働基準法の遵守に関しては、簡単に解決できる問題ではない。日本においては、地域医療において勤務医が労働基準法で管理する対象とみなされずに医療体制が構築されてきた経緯がある。平成 17 年の研修医の過労死に関する最高裁判決によって研修医も含めて医師は労働者であるとみなされることとなった。この時点で、医療界の意識改革が求められたが、医療界も国民も医師を聖職者と考え診療に必要なだけの労働を医師個人に求め、医師もこれに応えてきた。そのため医師を労働者として管理する風土が極めて弱く今日に至っている。今回の働き方改革を契機に、これらの問題を解決し医師の健康を守りワークライフバランスを確保することと医療安全を守るための方策を進める必要があるが、地域医療の大幅な後退や医療崩壊が起きないように様々な方策と医師の労務管理に関する柔軟な対応が求められる。憲法 25 条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と定めている。これを守るにはライフラインに準ずる社会資本である医療は不可欠である。医師の労働時間規制が機械的に行われた場合、患者や地域住民が健康を害することになりかねない。日本医師会は、医師の勤務環境改善には全面的に賛成であるが、患者や地域住民が健康を害する政策には反対である。また、経営的な問題により働き方改革が進まない事態や医療機関の経営破綻による医療崩壊が起こることがないように、診療報酬の適正化が必要である。
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コモンセンスとはズレていることが記されている。確かに、適用除外対象に医師がクローズアップされているがあまり馴染みがなかった(他に、公立の教師がある)。
ともかく、医師の崩壊が医療崩壊へと向かう、医者の不養生はあまりにも皮肉である。将棋の対戦は9時間が持ち時間というそうだが、それくらいの手術時間も少なくない重労働もあるため、少し細かい区分で適正化を進める必要があるだろう。

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医師の働き方改革 14

3〉特段の事情
①地域の医療提供体制

〈例〉 〇当該施設が含まれる地域医療圏の医師数が相対的に極めて少ない (何らかの基準作りが必要)〇慢性的な医師不足の地域事情、等

 
②医療の質確保の必要性

〈例〉 ○診療部門 ・一時的な担当患者数の増加 ・重症度・緊急度が高い患者の即時的な対応が必要な場合 ・疾病の特殊性から、診療に当たる者が限定される場合・突発的に担当診療科の欠員が生じた場合・医師の教育・研修等のために診療継続が必要な場合

○診療補助部門 ・一時的な患者数増加等に伴う依頼件数の増加 ・緊急度の高い患者対応が必要な場合 ・突発的に担当科の欠員が生じた場合

 
4〉略
 
c.「特例」を決める仕組み 上記の具体的条件に基づき、「特例」が適正に運用されているか監視する仕組みも必要と思われる。都道府県の医療勤務環境改善支援センター、都道府県の医療審議会等が連携した仕組みの構築が求められる。
 
d.「特例」の上限時間
医師の健康確保を担保することを必要条件とし、精神障害の労災認定基準や海外の医師の働き方等も参考として、今後、「特例」の上限時間を検討していく必要がある。
 

 e.定期的な「特例」の見直し

「特例」を恒久的とすることは妥当ではない。5 年等一定期間を経たら「特例」の在り方を見直すルールとし、「特例」適用を減らす努力が求められる。

 
f.研修医に関する「特例」の取り扱い
医療の質を維持し、かつ進歩させていくためには、研修内容の向上・均質化は重要である。特に、研修医に対する教育は臨床研修医省令で規定されているため全国共通の課題である。研修医が健康を害することが決してないことを大前提とし、研修医の「特例」について、他の医師とは別の仕組み・基準を検討してはどうか。
 

 ④医師の特殊性を踏まえた自己研鑽・宿日直の在り方

医師の自己研鑽と宿日直は他の業種とは大きな違いがある。健康への影響を視野に入れた医師における自己研鑽と宿日直の在り方を考察する。
 a.自己研鑽
ⅰ)自己研鑽と医師の仕事は一体不可分

医学の進歩はまさに日進月歩である。例えば患者に対する標準的な治療を行うために、専門学会、研究班等において策定される「ガイドライン」があるが、疾患によっては毎年、場合によっては 1 年の間に複数回改定されることすらある(日本肝臓学会「C 型肝炎治療ガイドライン改定履歴」。)。このような医学知識・技術の習得と生涯学習は医師の職業倫理の根幹をなすものである(日本医師会;医の倫理綱領)。医師は医療を行う限り確かな根拠に基づいた医療を行う責任があり、生涯にわたり日進月歩の医学知識を学ばなければ患者の命に関わる可能性のある特別な職業である。制度上、労働時間かどうかは使用者の指揮命令下にその自己研鑽が行われたかどうかで判断される。しかし、職業の根本的な倫理の中に生涯にわたった学習が組み込まれているため、医師の労働時間にそのような整理を行うことは本来そぐわない。また、医師においては、「知識」や「技術」の自己研鑽は病院でしか行えない事情がある。医師から自主的な学習や研鑽を行う機会を奪うことになってはならないこのように、現在のような一般的なルールの下で医師の自己研鑽に関する労働時間の考え方を整理することは困難である。自己研鑽と仕事の明確な切り分けは難しいが、医師の自己研鑽の内容を整理し、どのような考え方が可能か医療界の総意の下、ガイドラインを作る必要がある。その上で、そのガイドラインに基づき各医療機関において、管理者と各医師が合意して業務と自己研鑽を峻別するような、適切なルール作りを行う必要がある。

 
ⅱ)院内にいる時間管理が不可欠

たとえ自己研鑽であっても病院内に長時間残っていれば健康面に影響を及ぼしかねない。自己研鑽という名目で医師が過度に病院内に残っていることがないか、院内にいる時間を管理者が管理する仕組みを導入することが必要となる。医師自身による健康管理も一層求められるため、そういった教育も必要となる。衛生委員会による関与も当然求められる。ガイドライン策定にあたっては、十分な議論が必要である。

 
b.宿日直

 昭和 22 年通知で宿日直の一般的許可基準が示された(昭和 22 9 13 日発基第 17 号)。発出されてから現在に至る約 70 年の間に人口 10 万当たりの医師数は 2.4 となっている。 しかし、その当時と現在を比べると、救急搬送人員は 25 倍となっている。死亡原因においては、高齢化の進展に伴い悪性新生物(がん)等の占める割合が高まっていることもあり、死亡場所のうち病院が占める割合は 9.1%から 74.6%と 8 倍以上に増加している。 宿日直における一般的業務は、「常態として身体または精神的緊張の少ない労働」「実作業が間欠的に行われて手待ち時間の多い労働」を想定している。しかし、医師の宿日直の場合、患者の生命を預かっているため一定の精神的緊張がある。また、入院患者や救急搬送された患者の状態に影響されるが、ひとたび対応が発生すると時間を長く要することとなる。平成 14 年に「医療機関における休日・夜間勤務の適正化について(要請)」が発出され、医療機関における宿日直勤務の具体的規定が示された。しかし、この通知はあくまで昭和 22 年通知を基とした内容であり、約 70 年間の医療環境の変化、特に急性期医療における実態に対応することは難しくなっている。このような医療環境の変化と医師の宿日直の特徴を鑑み、宿日直特有の健康課題をしっかりと踏まえつつ、地域医療の提供体制を崩壊させないよう、実態に即した宿日直基準を新たに検討するべきである。

 
⑤裁量労働制の幅広い検討・研究

現在、大学病院には教育・研究機関として、専門業務型裁量労働制が認められているが、教授・准教授・講師までが対象である。 大学病院の助教等でも適用可能とすれば、大学病院の研究業務充実が期待できる。一方、助教等の実際の講義・診療時間がみなし労働時間を超え、健康に影響が出る懸念もある。こういった点を踏まえつつ、大学病院における専門業務型裁量労働制の運用見直しを検討してはどうか。また、現行の専門業務型裁量労働制は大学病院のみが対象であり、一般病院はすべて対象とされていない。しかし、厚労省「臨床研究・治験活性化に関する検討会」等において、臨床研究の推進が目標に挙げられており、多施設共同臨床研究の実施が推奨されており、一部の一般病院も診療のみならず臨床研究への参加が求められている。健康確保措置を十分にとることを必要条件とした上で、一部の一般病院における専門業務型裁量労働制の導入可能性があるか研究する必要があると思われる。裁量労働制導入にあたっては実効性のある労使の協定が求められる。他業種における裁量労働制全般として、労使の協定が形式的なものになったり、従業員自身が裁量労働制対象者であると認識していないといった問題が見受けられる。裁量労働制を導入する場合には、労使のコミュニケーションをベースとして、勤務医一人ひとりが理解をした上で導入することが必要条件ではないか。

⑥労働法関連の法令全般の見直し
労働基準法をはじめとした労働法令は、通達類も含め、制定されてから時間が経過し、現代の実態にそぐわないもの、医師の働き方の実態と乖離しているものが他にもある可能性がある。今後、全体として見直しが必要であろう。
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・自己研鑽と仕事、については特に医師だけの話ではないのであるが、人の命にかかわる仕事だけに慎重になる。
・医師の宿直の内容については、もはや通常の労働時間として扱うべきと思わせる。
・裁量労働制の基本は、労働者に時間配分等の裁量権を委ねるということなので、本当ならば健康被害は起らないものなのである。今回改めて健康管理時間という屋上屋を重ねる規定は、いかに裁量労働制が誤った認識で運用され、また実態として時間配分の裁量権は実現していないことがわかろうというものである。過密労働となること必至の指示ならば、裁量の余地は残っていない。本来、働きやすい制度のはず。

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熊本市議問題

《緒方市議はこの日、風邪のため咳が止まらないということから「お聞き苦しくないように」とのど飴を舐めながら議場へ。しかし、他の市議からは「議場は神聖な場所で、品のない行為」「常識の範囲がある。本人の謝罪が必要じゃないか」と批判の声が上がり、会議規則に「飲食」についてのルールはないものの、議会は会議規則の「品位の尊重」に触れるとして出席停止の懲罰を下した。
 この件について、市民団体が熊本市議に「のど飴は医療行為である」と抗議を行ったほか、海外では緒方市議が生後7カ月の長男を連れて議会に出席した騒動も踏まえ「柔軟性を欠いたエチケット、規則、上下関係で、がんじがらめに束縛された社会に光が当たった」(英デイリー・テレグラフ電子版)と報じられるなど、物議を醸している。》AbemaTV

ガヤガヤしてますね。法律に書かれてない(罰則のないこと)こと、明文化されていないことについて、日本では混乱してます。ライフスタイル全般にわたって、常にうまく泳がねばなりません。そしてたまに無謀な存在が出て、また英雄も出ます。爆死者も多いものです。そんな国です。
アメリカが特に好きになったときには、議場でガムを噛んでも通るし(寧ろ噛まないと訝しがられます、なぜ噛まないのかと。)のですが、それほどの波がなければ咎められるわけです。したがって、歴史も統一性がないため、日本の歴史研究はその時々のことを調べるところから始められます。「常識」は時と所でコロコロと変化するということです。これは日本人でも把握できないことも多いことを考えると、他国からはもっと把握できない。日本は自然災害(外国の脅威もかな)に常に曝されており、そのときになれば良かれ悪かれ兎に角対応だけはせねばならぬという皮膚感覚のせいだと思われる。
明文化されていないのだから、この領域上にある文学の作品をせっせと書けばいいのである。明確な意図をもつ政策的制作であり、かつてそれを近代文学といったものである。
さて、イギリスの反応とは異なり、日本では、喋るときくらいはアメを口から出すのが普通という一般的な意見が多い。その通りで、本人もしゃべりづらいはずです。
で次に、子連れ出席というまだ明文化されていないことをした議員ということで、総スカンを喰らいます。思うに、こういう行動に出るというのは、とにかく圧力が常日頃からかけられている場合の現象で、これに至るまでずっと小競り合いがあったとみるべきです。大勢である議員もダメで、ヤジは品のない行為ですし、また謝罪は行きすぎですから、どうしようもない。

この報道を見て、校則の指導強化傾向をなぞらえた。
日本の秩序は礼楽にありとするのは確かであるが、朱子学解釈の礼楽が今強まっており、おおらかな徂徠の礼楽観が不足しているのではないかと考える。(荻生徂徠をまだマトモに読んだことないけど。)

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医師の働き方改革 13

(3)医師の健康と地域医療の両方を守る制度の考察

ここでは、以上述べたような健康管理を確実に行うことを大前提とした、医師の特殊性を踏まえた労働基準法・労働安全衛生法の在り方を考察する。

 
①方向性(時間外労働の上限規制等)

医師の新しい働き方は平成 36 4 月から施行される予定である。しかし、時間外労働時間の上限規制を導入した場合、地域医療に及ぼす影響は大きい。また、各地域で医療提供体制が異なることから、その影響は一様ではない。しかし、既に一般業種における時間外労働時間の上限規制についての方向性は定まっているなかで、医師についても健康を守るために長時間労働の是正をすべきなのは言うまでもない。実際、全国医師ユニオンが実施した調査によると、医師の労働時間規制について賛成という意見が 50%を超えている。更に、これは、世代やポストに関わらず 概ね同様の傾向を示している。 また、都道府県医師会長を対象に行ったアンケート調査では、医師の時間外労働時間の上限規制については、「目標・目安として一律の上限規制の設定が必要。ただし、変更の余地も残す」という意見が 71.7%、「目標・目安として一律の上限規制の設定が必要(変更の余地を残さない)」が17.4%、「上限時間を設定すべきでない」が 10.9%という結果であった。 他にも様々な調査や提言がなされており、それぞれに重要であるが、そうした調査・提言をもとに医師の働き方について合意がなされるまでには至っていない。厚労省の「医師の働き方に関する検討会」の中間的な論点整理において、医師をはじめとする医療従事者の学術団体、病院団体、関係学会のリーダーシップを期待する」とされていることも踏まえ、本委員会では以下のことを提言したい。

 
1.「医師の特別条項」の設定

(1) 医師の時間外労働時間上限(医師の特別条項)について、本答申もひとつの参考とし、医療界が意見集約して時間設定することが妥当である。

(2) 「医師の特別条項」設定にあたっては、産業保健活動の包括的な取り組みなどのしっかりとした健康管理を行うことが必要ではないか。

(3) 医師の実態に合わせた自己研鑽・宿日直の見直しを行う場合、その影響を視野に入れた時間設定を検討すべきではないか。

(4) 時間を検討するにあたっては、例外業種における上限時間(自動車運転業、建設業。)、医師の労働時間の分布、脳・ 心臓疾患の労災認定基準(いわゆる過労死ライン。2-6 か月平均で 80 時間。)等を参考としてはどうか。

 
2.「医師の特別条項の『特例』」の設定

(1) 労働安全衛生法の取り組みだけでなく、各地域等の事情、各医師の個別性を勘案した追加的な医師の健康確保を条件として、「医師の特別条項の『特例』」を設定する仕組みを構築してはどうか。

(2) その際、精神障害の労災認定基準、海外の働き方の事例等を手掛かりとしてはどうか。

(3) 研修医については別途規定を設けるのかどうか検討してはどうか。

 
3.医師の特殊性を踏まえた労働時間制度の検討

(1) 健康管理を担保した医師の自己研鑽、宿日直の在り方を検討してはどうか。

(2) 勤務医と管理者間の確実な協定と健康管理が行われることを前提とした上で、専 門業務型裁量労働制の運用・対象範囲の見直しの余地がないか、検討・研究してはどうか。

 
②「医師の特別条項」について

医師の特別条項について、月の時間外労働時間や年間の時間外労働時間を医療界が意見集約して設定していくことが妥当と考える。その際、Ⅱ.22)で提言した「包括的管理」(組織的な産業保健活動)を行うことが非常に重要である。また、医師独自の自己研鑽や宿日直の仕組みを検討する場合、労働時間と院内の滞在時間の間に差が生じる。医師のオートノミー(自律性)を残しつつも、両者の差が医師の健康に影響を及ぼす可能性を念頭に置いた「医師の特別条項」の時間設定が必要と思われる。

 ③医師の特別条項の「特例」について
 a.「特例」を決める基本的視点

 医師の特別条項の「特例」は、まず医師の健康を確保し、キャリア形成、医療の安全と進歩に資するものでなくてはならない。また、事情は各種多様であるとは言え、一定の規範に則り「特例」を決めることが必要である。ここでは「特例」を決める上での基本的視点を例示したい。

 
 医師の特別条項の「特例」を決める基本的視点
1.国民(医師を含む)が健康で安全に安心して暮らせる労働時間
2.日本医師会「医の倫理要領」に基づく
3.現実の医療ニーズに対応し、医療の質や安全性を低下させない
4.施設事情や地域事情、医師の教育課程・生涯キャリア形成等を考慮
5.急激で無理が生じる規制ではなく、現状を少しでも改善する制度改正
6.時間外労働の上限規制は必要
7.医師の労働時間の取り扱いについて共通認識の下で検討される
 
b.「特例」を締結する具体的条件

 基本的視点を踏まえ、実際に管理者と医師が「特例」を締結するための、下記のような条件も必要と思われる

 
1.時間外労働の上限規制を含む医師の健康確保措置の実施
2.「特例」に関する労使間の合意
3.特段の事情の存在
①地域の医療提供体制  
②医療の質確保の必要性
4.医師の医療労働環境の改善に取り組んでいる
【補足】
1〉医師の健康確保措置の実施 「特例」の適用を受ける場合には、特段の健康確保措置(推奨を含む)を必要とする。具体的には、事後措置中心でなく、包括的予防管理とする。医師の健康障害の要因となる睡眠欲求と休息欲求への対処について、睡眠衛生学等に基づく科学的根拠のある適切な確保対策の実施が必要である。

〈例〉   労働時間の把握と管理  時間外労働を行う医師への睡眠衛生学に基づく教育の義務付け(日本医師会の関与)・勤務間インターバル(勤務と勤務の間11 時間空ける) ・宿日直、オンコール(自宅待機)に関する取り決めを労使で確認 ・夜勤明けの医師に対する安全な交通手段の確保・適切な睡眠環境の提供(当直室確保と確実な環境整備)・健康不安の訴えのある医師への相談窓口提供(個別的な状況への配慮)

 
2〉「特例」についての労使間合意の方法

医師独自の特例であるため、まず医師の代表を決めることが必要。その上で労使合意が同調圧力を生まないような工夫が必要である。個別事情に配慮するために、医師の代表との労使合意に加え、個別合意があることが望ましい。

....................................................
提言の途中であるが、長いため今回はここで切る。
9月7日付けの通達によれば、医師については一定期間の区切り(1日、1か月、1年)の区分を設けず、対象期間の時間数を協定するものという。また上限については、省令で定めるとする。以上が現行の「限度時間」に相当するもので、特別条項を設ける場合はこれも省令で定めるものとしている。
ここで議論されている「特例」という用語は見当たらないが、以前記したヨーロッパの方法を土台としていると思われる。
『欧州の労働時間規制では、医師が通常の労働基準法を適用除外となるオプトアウト制度が導入されている。その適用条件として、「急を要する医療等の業務の場合、上限時間を超える労働が可能」「公共の利益について緊迫した必要がある場合、上限時間を超える労働が可能」等の定めがある。』
労基法自体を除外するということは、特別条項すら抵触するものではない特例が想定されている。しかし医師も人間で、健康を害してはならず、また疲労も回復してもらわないと治療に差し支える…ため、少し詳細な内容になっているというものだろう。

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